和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Petrichor
君の名前は?
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[出会い]
浅葱と出会ったのは、俺が東京に出てくる少し前。
まだ地元にいた頃。
来月には東京に拠点を移すから、その前にバンドの方でアルバムも作って、請け負ってる仕事も片付けなきゃで。
ここ数週間、ほぼ徹夜で作業していた。
「一回帰ってくるわ~」
少しだけ悪い体調に、ついていかない脳みそをリセットしたくて。
着替えと風呂も………。
スタジオを出ると、外はどんよりと重い雲に覆われて、今にも雨が降りそう。
(帰って少しだけ寝るか………。)
本当はそんなことしてる暇すらないのに。
モヤモヤする胃を押さえながら、肌寒い町を歩く。
大した距離じゃないのに、体が重く感じる。
(………やばいかも………。)
歩いているのにどんどん血の気が下がっていくのがわかる。
人前で倒れるのも嫌で、とりあえず目についた公園に入ると。
そこには屋根のついたベンチが見える。
(あそこでいいや………)
誰か居るけど。今は気にしてられない。
フラフラと。
必死に歩いたけど。
ベンチの前で視界が暗くなり倒れそうになる。
あぁ、やばい…………
転んだら痛いだろうな………。
でも、眠りたい………。
(大丈夫ですか………?)
誰かの、優しい声が聞こえた気がした。
少しだけ眠らせて…………。
-サァサァ……-
雨の音がする………。
土の濡れる匂いも………。
すごく、暖かい………。
「…………??」
どれくらい時間がたっただろう?
柔らかい何かが頭に当たっている。
(………えっと、ここは………)
ゆっくりと目を開ければ。
公園のベンチの天井と、知らない女性。
その女性は俺の頭を優しく撫でている。
ベンチに寝ている俺の体には女性物の上着。
視界的に、柔らかい感触は………
(膝枕………??)
回らない頭でぼんやりと、女性を見ていると。
視線を下ろしたその子と目が合った。
「よかった。起きてくれた。」
その子は、驚くでもなく。
優しく笑ってくれた。
「………えっと………俺は………」
状況が飲み込めなくて、ぼんやりしたまま起き上がった。
外は、雨が降っている。
俺は公園のベンチで眠っていたらしい。
「いきなり目の前で座り込むから、びっくりした(笑)」
はい、どうぞ。と。
ペットボトルの水を出してくれたその子は、経緯を話してくれる。
「フラフラ公園に入ってきたなと思ったら、いきなり目の前で座り込んで。
大丈夫か聞いたら、眠らせてって言うんだもん(笑)」
そう言えば。
意識がなくなる前に誰かに話しかけられたっけ。
「それで、膝枕(笑)?」
あまりの人の良さに苦笑いすると。
「だって、貴方を寝かせたら、私が座れないから。」
ごもっともだけど。
見ず知らずの人に膝枕して、そいつが目覚めるまで待つとか。
お人好しかよ………。
聞くほど、笑えてくる。
「でも、とりあえず転んで怪我はしたくなかったから、助かった。
ありがとう。
名前は?俺は、桜村眞。」
お礼を言えば、その子はまた笑ってくれる。
「浅葱だよ。」
初めて見た、自然な笑顔が綺麗だと思った。
自分がミュージシャンで、少し忙しくて。
来月東京に出るから、それまでにやらなきゃいけないことが多くて。
一旦家に帰って休もうと思ったら途中で力尽きたことを話せば。
驚きと共に。
「私が居て良かったね。
転ばなかったし、雨にも濡れなかったね。」
と。普通の人じゃ考えつかない切り返しをしてくることが俺を驚かせた。
「でも、眞がミュージシャンなら、お礼に何か歌ってもらおうかな。」
と。
嬉しそうに笑いながら。
雨が降ってるのに。
浅葱の笑顔だけは。
雲の隙間から見えた太陽みたいで。
綺麗だった………。
それが、浅葱との出会い………
浅葱と出会ったのは、俺が東京に出てくる少し前。
まだ地元にいた頃。
来月には東京に拠点を移すから、その前にバンドの方でアルバムも作って、請け負ってる仕事も片付けなきゃで。
ここ数週間、ほぼ徹夜で作業していた。
「一回帰ってくるわ~」
少しだけ悪い体調に、ついていかない脳みそをリセットしたくて。
着替えと風呂も………。
スタジオを出ると、外はどんよりと重い雲に覆われて、今にも雨が降りそう。
(帰って少しだけ寝るか………。)
本当はそんなことしてる暇すらないのに。
モヤモヤする胃を押さえながら、肌寒い町を歩く。
大した距離じゃないのに、体が重く感じる。
(………やばいかも………。)
歩いているのにどんどん血の気が下がっていくのがわかる。
人前で倒れるのも嫌で、とりあえず目についた公園に入ると。
そこには屋根のついたベンチが見える。
(あそこでいいや………)
誰か居るけど。今は気にしてられない。
フラフラと。
必死に歩いたけど。
ベンチの前で視界が暗くなり倒れそうになる。
あぁ、やばい…………
転んだら痛いだろうな………。
でも、眠りたい………。
(大丈夫ですか………?)
誰かの、優しい声が聞こえた気がした。
少しだけ眠らせて…………。
-サァサァ……-
雨の音がする………。
土の濡れる匂いも………。
すごく、暖かい………。
「…………??」
どれくらい時間がたっただろう?
柔らかい何かが頭に当たっている。
(………えっと、ここは………)
ゆっくりと目を開ければ。
公園のベンチの天井と、知らない女性。
その女性は俺の頭を優しく撫でている。
ベンチに寝ている俺の体には女性物の上着。
視界的に、柔らかい感触は………
(膝枕………??)
回らない頭でぼんやりと、女性を見ていると。
視線を下ろしたその子と目が合った。
「よかった。起きてくれた。」
その子は、驚くでもなく。
優しく笑ってくれた。
「………えっと………俺は………」
状況が飲み込めなくて、ぼんやりしたまま起き上がった。
外は、雨が降っている。
俺は公園のベンチで眠っていたらしい。
「いきなり目の前で座り込むから、びっくりした(笑)」
はい、どうぞ。と。
ペットボトルの水を出してくれたその子は、経緯を話してくれる。
「フラフラ公園に入ってきたなと思ったら、いきなり目の前で座り込んで。
大丈夫か聞いたら、眠らせてって言うんだもん(笑)」
そう言えば。
意識がなくなる前に誰かに話しかけられたっけ。
「それで、膝枕(笑)?」
あまりの人の良さに苦笑いすると。
「だって、貴方を寝かせたら、私が座れないから。」
ごもっともだけど。
見ず知らずの人に膝枕して、そいつが目覚めるまで待つとか。
お人好しかよ………。
聞くほど、笑えてくる。
「でも、とりあえず転んで怪我はしたくなかったから、助かった。
ありがとう。
名前は?俺は、桜村眞。」
お礼を言えば、その子はまた笑ってくれる。
「浅葱だよ。」
初めて見た、自然な笑顔が綺麗だと思った。
自分がミュージシャンで、少し忙しくて。
来月東京に出るから、それまでにやらなきゃいけないことが多くて。
一旦家に帰って休もうと思ったら途中で力尽きたことを話せば。
驚きと共に。
「私が居て良かったね。
転ばなかったし、雨にも濡れなかったね。」
と。普通の人じゃ考えつかない切り返しをしてくることが俺を驚かせた。
「でも、眞がミュージシャンなら、お礼に何か歌ってもらおうかな。」
と。
嬉しそうに笑いながら。
雨が降ってるのに。
浅葱の笑顔だけは。
雲の隙間から見えた太陽みたいで。
綺麗だった………。
それが、浅葱との出会い………