和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Petrichor
君の名前は?
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[キャンドルの光]
教会の中は暖色のライトとキャンドルの光に包まれていて。
暖房は弱いのにとても暖かく感じる。
自分の曲や、他のアーティストの曲。
クリスマスの曲。
ゆったりと歌いながら客席を見れば。
手を繋ぐカップル、家族連れ、ファンの子。
みんなそれぞれに幸せそうな顔。
それを見てるだけでこうして歌えることが嬉しいと思う。
続けてこれたのは、いつも浅葱の存在があったから。
歌っていれば、いつか、あの日のようにまた笑ってくれる。
そう信じてきた。
浅葱が言っていた。
『乗り越えられない試練はない。』
浅葱がきっと乗り越えてくれるって。
そう信じて。
歌詞の一つ一つを噛み締めるように歌う。
時々、車椅子の子を見ると。
とても嬉しそうに笑ってる。
(本当に、浅葱にそっくりだな………。)
一曲一曲、終わるごとに膝にかけたコートの上でパチパチと拍手をしてくれる。
きっと、浅葱もここにいたら笑ってくれる。
まるで、その子が浅葱に見えて。
嬉しくなる。
「さて………。今日はクリスマスなんですが。
皆さんに幸せな時間は届けられましたかね?」
外はさっきより雪が深々と降りだしていて。
それを見ながら問いかけると、パチパチと拍手がもらえる。
「なら、良かった。
そろそろ、最後の曲ですかね。
俺自身でクリスマスの曲なんてないんで申し訳ないんですけど(笑)」
ふぅ、と深呼吸をしてギターを見つめる。
今日、最後にやろうと思っていたのは、あの日、浅葱のことを思って作った曲。
世間から見たら、別れた彼女をいつまでも思ってる歌かもしれないけど。
俺にとっては、今も変わらない気持ち。
ありふれた日常に、いまだ奇跡だとか、そんなことばっかり考えてるのは
今も変わらない………。
浅葱じゃないのはわかってるけど。
車椅子の子を見つめながら歌ってしまう。
俺にとっては。
現在進行形の気持ちだけど。
-本当に、大好きでした。-
最後のフレーズを歌うときにまた視線を向けると。
その子は目を潤ませていた。
そこまで喜んでもらえるなんて。
本当に浅葱に歌ってる気分になる。
「本日は、ありがとうございました。
良いクリスマスにしてください。」
ペコリと頭を下げてギターをホルダーに置くと、拍手の中ステージを降りて控え室に歩いた。
いつも以上に充実した気分。
今までこんなに歌った後満足したことあったかと思うくらい。
それも、きっとあの車椅子の子のおかげ。
あの子が浅葱に似ていたから。
「眞さん、お疲れ様です!!」
スタッフに声をかけられても、笑って手をあげる。
「お疲れ様~。」
控え室に戻ると、携帯に親父から着信か入ってる。
「はい?」
水のボトルを開けて飲みながら電話にでると。
「眞か?お疲れ様。」
親父の後ろからは、ザワザワと人の声が聞こえている。
「お疲れ様。
わざわざ揃って見に来てくれて。」
照れたように、ぶっきらぼうに話すと、親父も笑っている。
「そりゃ、息子のイベントだからな(笑)」
終わったら実家に寄るのか聞かれたけど。
「悪い、年始のライブの方が忙しくなりそうだから、明日帰るんだ。」
年始に顔出すよと言うと。
冷たい息子だと笑っていた。
「あ、そだ。浅葱のお父さんにも、お礼言っといて。」
近いわけじゃないのに見に来てくれたことはすごくありがたかったから。
本当は話したかったけど。
夜だし、雪も降ってきたし、申し訳ない。
またね、と通話を終了させて水を飲むと。
ふぅ、と、ため息をつく。
教会の中は暖色のライトとキャンドルの光に包まれていて。
暖房は弱いのにとても暖かく感じる。
自分の曲や、他のアーティストの曲。
クリスマスの曲。
ゆったりと歌いながら客席を見れば。
手を繋ぐカップル、家族連れ、ファンの子。
みんなそれぞれに幸せそうな顔。
それを見てるだけでこうして歌えることが嬉しいと思う。
続けてこれたのは、いつも浅葱の存在があったから。
歌っていれば、いつか、あの日のようにまた笑ってくれる。
そう信じてきた。
浅葱が言っていた。
『乗り越えられない試練はない。』
浅葱がきっと乗り越えてくれるって。
そう信じて。
歌詞の一つ一つを噛み締めるように歌う。
時々、車椅子の子を見ると。
とても嬉しそうに笑ってる。
(本当に、浅葱にそっくりだな………。)
一曲一曲、終わるごとに膝にかけたコートの上でパチパチと拍手をしてくれる。
きっと、浅葱もここにいたら笑ってくれる。
まるで、その子が浅葱に見えて。
嬉しくなる。
「さて………。今日はクリスマスなんですが。
皆さんに幸せな時間は届けられましたかね?」
外はさっきより雪が深々と降りだしていて。
それを見ながら問いかけると、パチパチと拍手がもらえる。
「なら、良かった。
そろそろ、最後の曲ですかね。
俺自身でクリスマスの曲なんてないんで申し訳ないんですけど(笑)」
ふぅ、と深呼吸をしてギターを見つめる。
今日、最後にやろうと思っていたのは、あの日、浅葱のことを思って作った曲。
世間から見たら、別れた彼女をいつまでも思ってる歌かもしれないけど。
俺にとっては、今も変わらない気持ち。
ありふれた日常に、いまだ奇跡だとか、そんなことばっかり考えてるのは
今も変わらない………。
浅葱じゃないのはわかってるけど。
車椅子の子を見つめながら歌ってしまう。
俺にとっては。
現在進行形の気持ちだけど。
-本当に、大好きでした。-
最後のフレーズを歌うときにまた視線を向けると。
その子は目を潤ませていた。
そこまで喜んでもらえるなんて。
本当に浅葱に歌ってる気分になる。
「本日は、ありがとうございました。
良いクリスマスにしてください。」
ペコリと頭を下げてギターをホルダーに置くと、拍手の中ステージを降りて控え室に歩いた。
いつも以上に充実した気分。
今までこんなに歌った後満足したことあったかと思うくらい。
それも、きっとあの車椅子の子のおかげ。
あの子が浅葱に似ていたから。
「眞さん、お疲れ様です!!」
スタッフに声をかけられても、笑って手をあげる。
「お疲れ様~。」
控え室に戻ると、携帯に親父から着信か入ってる。
「はい?」
水のボトルを開けて飲みながら電話にでると。
「眞か?お疲れ様。」
親父の後ろからは、ザワザワと人の声が聞こえている。
「お疲れ様。
わざわざ揃って見に来てくれて。」
照れたように、ぶっきらぼうに話すと、親父も笑っている。
「そりゃ、息子のイベントだからな(笑)」
終わったら実家に寄るのか聞かれたけど。
「悪い、年始のライブの方が忙しくなりそうだから、明日帰るんだ。」
年始に顔出すよと言うと。
冷たい息子だと笑っていた。
「あ、そだ。浅葱のお父さんにも、お礼言っといて。」
近いわけじゃないのに見に来てくれたことはすごくありがたかったから。
本当は話したかったけど。
夜だし、雪も降ってきたし、申し訳ない。
またね、と通話を終了させて水を飲むと。
ふぅ、と、ため息をつく。