和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Petrichor
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[聖なる夜]
浅葱が眠り続けて5年。
今年もまた年末が近くなり、街はクリスマスムードに包まれている。
「眞さん、あと1時間で開始になります。」
窓の外をぼんやり見てた俺にスタッフが声をかけてくれて、振り返る。
「わかった。ありがとう。」
今日は、地元の札幌でソロのクリスマスイベントをやることになっていた。
さすがにこっちは雪がちらついていて。
会場として貸してもらえた教会の庭はイルミネーションが輝いていた。
「ちょっと、一服してくる~。」
久々の雪が嬉しくて、お客が入ってこない庭に出ると、電子タバコを口に含む。
紫煙なのか、白い息なのか。
冷えた外の空気にはぁっと息を吐き出す。
「……さみぃ………。」
さすがに薄着で外に出たから寒いけど。
やっぱりこっちの空気は気持ちいい。
(浅葱が眠って5年かぁ………。)
今でも、ふと浅葱のことを思い出すけど。
連絡がないってことは、変わりないのかも。
また、会えるだろうか………。
タバコを吸いながらそんなことを考えて。
今日もしっかり歌えるように。
寒さに負けて控え室に戻ると、スタッフは慌ただしく動いていて。
「あ、眞さん。」
俺に気付いたスタッフが駆け寄ってくる。
「今日、お客様の中に車椅子の方が2人いまして。前列に案内しても大丈夫ですかね?」
車椅子ってことは足が悪いんだろう、そんなでも見に来てくれるファンが居てくれることがありがたいと思う。
「前列の角の椅子撤去して、そこに案内してくれて良いと思うよ?通路側じゃなければ、その人も楽でしょ?」
用意されてる椅子は撤去できるやつだから。
そうゆう人にも、平等に聞いてほしい。
通路側だと人の通りもあるだろうし、大変だろうから、見やすい角に案内してもらうことにした。
その後、開場もすんなり終わり、開演直前になった。
「………よし。今日もちゃんとやるよ。」
浅葱にもらったブレスレットを撫でると、アコギのストラップを肩にかける。
顔を上げて。
胸を張る。
浅葱に笑ってもらえるように。
拍手の中、ステージに上がる。
「こんばんは。」
笑って会場を見渡せば。
一番後ろの席には親父とお袋の姿。
目があって。
その隣には。
浅葱のお父さんが座っていて。
少しだけ驚いた。
まさか、浅葱のお父さんが見に来てくれるとは思わなかったから。
目が合うと、笑って頭を下げてくれる。
(両親揃って見に来なくても良いのに。)
身内に見られるのは少しだけくすぐったい感じがする。
苦笑いをこらえつつ、最前列を見れば。
さっきスタッフが言っていた車椅子の子が二人。
一人は高校生くらいの女の子で、お母さんらしい人が隣に座ってる。
もう一人に目を向けて。
少しだけ驚いた。
フカフカの帽子と大きめのマスクで顔はハッキリとはわからなかったけど。
すごく。
目もとが浅葱に似てる………。
「あ、…………えっと………。」
とりあえず、イベントは始まってるから。
話始めなきゃいけないのに。
その子が気になって、言葉が繋がらない。
「今夜は、雪降ってますね………。」
笑いならがら、窓の外に視線を向ければ。
お客達もつられて外を見る。
浅葱なハズない………。
目覚めてたら、きっとお父さんは伝えてくれるはずだから。
世界には、似た人が3人もいるんだから………。
あの子は
きっと
浅葱じゃない…………。
ふと、その子にまた視線を向けると。
優しく笑ってる。
それはまるで浅葱が笑って見ててくれるみたいで。
落ち着くために少しだけ深呼吸をすると。
アコギの鳴りを確認する。
「さて、今夜はクリスマスなので。
落ち着いた曲から始めましょうか………。」
落ち着いた雰囲気で、イベントが始まった。
浅葱が眠り続けて5年。
今年もまた年末が近くなり、街はクリスマスムードに包まれている。
「眞さん、あと1時間で開始になります。」
窓の外をぼんやり見てた俺にスタッフが声をかけてくれて、振り返る。
「わかった。ありがとう。」
今日は、地元の札幌でソロのクリスマスイベントをやることになっていた。
さすがにこっちは雪がちらついていて。
会場として貸してもらえた教会の庭はイルミネーションが輝いていた。
「ちょっと、一服してくる~。」
久々の雪が嬉しくて、お客が入ってこない庭に出ると、電子タバコを口に含む。
紫煙なのか、白い息なのか。
冷えた外の空気にはぁっと息を吐き出す。
「……さみぃ………。」
さすがに薄着で外に出たから寒いけど。
やっぱりこっちの空気は気持ちいい。
(浅葱が眠って5年かぁ………。)
今でも、ふと浅葱のことを思い出すけど。
連絡がないってことは、変わりないのかも。
また、会えるだろうか………。
タバコを吸いながらそんなことを考えて。
今日もしっかり歌えるように。
寒さに負けて控え室に戻ると、スタッフは慌ただしく動いていて。
「あ、眞さん。」
俺に気付いたスタッフが駆け寄ってくる。
「今日、お客様の中に車椅子の方が2人いまして。前列に案内しても大丈夫ですかね?」
車椅子ってことは足が悪いんだろう、そんなでも見に来てくれるファンが居てくれることがありがたいと思う。
「前列の角の椅子撤去して、そこに案内してくれて良いと思うよ?通路側じゃなければ、その人も楽でしょ?」
用意されてる椅子は撤去できるやつだから。
そうゆう人にも、平等に聞いてほしい。
通路側だと人の通りもあるだろうし、大変だろうから、見やすい角に案内してもらうことにした。
その後、開場もすんなり終わり、開演直前になった。
「………よし。今日もちゃんとやるよ。」
浅葱にもらったブレスレットを撫でると、アコギのストラップを肩にかける。
顔を上げて。
胸を張る。
浅葱に笑ってもらえるように。
拍手の中、ステージに上がる。
「こんばんは。」
笑って会場を見渡せば。
一番後ろの席には親父とお袋の姿。
目があって。
その隣には。
浅葱のお父さんが座っていて。
少しだけ驚いた。
まさか、浅葱のお父さんが見に来てくれるとは思わなかったから。
目が合うと、笑って頭を下げてくれる。
(両親揃って見に来なくても良いのに。)
身内に見られるのは少しだけくすぐったい感じがする。
苦笑いをこらえつつ、最前列を見れば。
さっきスタッフが言っていた車椅子の子が二人。
一人は高校生くらいの女の子で、お母さんらしい人が隣に座ってる。
もう一人に目を向けて。
少しだけ驚いた。
フカフカの帽子と大きめのマスクで顔はハッキリとはわからなかったけど。
すごく。
目もとが浅葱に似てる………。
「あ、…………えっと………。」
とりあえず、イベントは始まってるから。
話始めなきゃいけないのに。
その子が気になって、言葉が繋がらない。
「今夜は、雪降ってますね………。」
笑いならがら、窓の外に視線を向ければ。
お客達もつられて外を見る。
浅葱なハズない………。
目覚めてたら、きっとお父さんは伝えてくれるはずだから。
世界には、似た人が3人もいるんだから………。
あの子は
きっと
浅葱じゃない…………。
ふと、その子にまた視線を向けると。
優しく笑ってる。
それはまるで浅葱が笑って見ててくれるみたいで。
落ち着くために少しだけ深呼吸をすると。
アコギの鳴りを確認する。
「さて、今夜はクリスマスなので。
落ち着いた曲から始めましょうか………。」
落ち着いた雰囲気で、イベントが始まった。