和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Petrichor
君の名前は?
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[再会]
浅葱のお父さんの車で、浅葱が入院してると言う病院へ向かった。
道中、浅葱の病気のことを聞こうとしたけど。
お父さんは苦笑いして
「あっちに行ってから話すよ。」
と言うばかり。
浅葱は元気だと言うけど。
なんで病気のこととかを話してくれないのか。
少しだけ不安が募る。
車で10分もしない見晴らしの良い丘の上に
大きな病院があった。
スムーズに駐車をすると、さぁ、行こう。とお父さんに連れられて病院に入った。
エレベーターに乗って上がって行く間すら、どんな顔で会おうとか、何から話そうかとか。
色んなことがぐるぐると回っていた。
最上階まで上がり、エレベーターのドアが開くと。
シンと静まり返った廊下に談話室。
車椅子に乗った男性がぼんやりと外を眺めている。
「眞君、こっち。」
お父さんに促されてついて行くと。
廊下の突き当たりの部屋のドアを開けた。
「浅葱、来たよ。
今日は浅葱が会いたがってた人を連れてきたぞ。」
お父さんが嬉しそうに話ながら入った部屋では、開いた窓から吹き込む風がベッドのカーテンを緩やかに揺らしている。
でも、何かがおかしい。
お父さんはけっこうな声量で入っていったのに。
カーテンの向こうからは返事もなければ人が動く気配もない。
「さぁ、入って。」
ニコリと笑ったお父さんは、カーテンを引いて開けてくれた。
「…………浅葱?」
顔を見ようとカーテンを覗き込んだ先には。
点滴が繋がれて、眠っている浅葱の姿。
「眠ってますね………。」
大きな声で起こしちゃ悪いと思ってお父さんに顔を向けると。
「あぁ。眠ってるんだよ。
…………ずっとね………。」
全てをさらけ出す準備のように。
「…………え?」
一瞬、聞き流しそうになった。
お父さんの「ずっと」って言葉。
「どういう事ですか…………。」
ずっとが、いつからなのか。
なんで、こうなってるのか。
何もわからない。
お父さんは、俺に座るように促して、浅葱の近くに腰かけた。
「浅葱はね。眞君を見送りに行った日から眠ったままなんだ。
正確には、公園の近くで倒れて、そのまま。」
お父さんの言葉に、目を見開き、言葉を失った。
もしかして………
あの日、ぼんやり見ていた救急車は。
「なんで…………」
なんでこんなことに。
晴れた日に動いたから?
でも、なんで。
疑問しかなくて。
「眞君は、浅葱から病気のことは聞いてたのかな?」
そう言われて。
なんとなく聞きそびれていた。
たぶん、聞こうとしても、うまくかわされてた。
「………いえ………」
そうか………。
と。
まるでわかってたかのように。続けてくれる。
「浅葱のことだから、きっと言わないで居たんだろうと思ってたよ。
ごめんね。
浅葱は、脳に腫瘍があってね。」
お父さんも、少しずつ疑問がとけてるように。
浅葱のことを話はじめてくれた。
「厄介な所にあったせいで、手術も慎重に話し合ってた。
でも、次第に記憶がうやむやになったり、忘れる事が多くなったり。深く考えられなくなって。」
「それでか………。」
映画の名前が出てこなくなったりしていた。
それも、病気のせいだったなんて………。
「強い光を見たり、大きな音を聞いたりするだけで頭痛がするらしく。
あんまり外にも出なくなっててね。
笑うことも少なかったのに。
君と出会った日から、少しずつ。
笑うようになって。沢山、君の話も聞いたよ。」
思い出話をするように。
嬉しそうに、お父さんは浅葱を見ながら話してくれる。
それに伴って。
俺も、今まであった浅葱の数々の疑問がどんどんとけていく。
晴れた日には外に出ないこと。
時々具合悪そうにしてたこと。
なんで、気付いてあげれなかった。
ちゃんと聞いてたら。
罪悪感に押し潰されそうになっていると。
お父さんは笑ってこっちを向いた。
「眞君。私は、君に罪の意識を持ってほしくてここに連れてきたわけじゃないんだ。」
かけられた言葉にはっとすると。
「お礼が言いたかったんだ。
あの子を笑顔にしてくれて、ありがとう。ってね。」
お父さんは、全く気にしてない。
でも。
俺の頭の中は、ぐるぐると。
後悔がまわる。
「すみません。俺が…………もっと、ちゃんと話してたら………。」
深々と頭を下げると。
優しく肩をさすってくれた。
「謝ることじゃない。
君が浅葱の心を助けたんだ。」
そう言って、バックの中から、小さな手帳を出して俺の手に乗せた。
「私も、知らなかったことは沢山あった。
これは、浅葱の手帳だよ。あの子の心が書いてあるから、読んで欲しい。」
渡された手帳は。
あの頃、作詞をしてる俺の横で浅葱がよく何か書いていた手帳。
覗き込んでも見せてはくれなかったけど。
「私は、少し仕事があるから、1時間くらい、浅葱と話しててくれ。」
そう言って、肩を叩くと。
笑って部屋から出ていった。
「…………浅葱………。」
名前を呟いてみても。
浅葱は目を覚ますことなんて無くて。
ただ、気持ち良さそうに眠ってるようにしか見えない。
運命は残酷だ。
やっと再会できたのに。
会いたくてしかたなかったのに。
君が起きてくれなきゃ意味がない………。
浅葱のお父さんの車で、浅葱が入院してると言う病院へ向かった。
道中、浅葱の病気のことを聞こうとしたけど。
お父さんは苦笑いして
「あっちに行ってから話すよ。」
と言うばかり。
浅葱は元気だと言うけど。
なんで病気のこととかを話してくれないのか。
少しだけ不安が募る。
車で10分もしない見晴らしの良い丘の上に
大きな病院があった。
スムーズに駐車をすると、さぁ、行こう。とお父さんに連れられて病院に入った。
エレベーターに乗って上がって行く間すら、どんな顔で会おうとか、何から話そうかとか。
色んなことがぐるぐると回っていた。
最上階まで上がり、エレベーターのドアが開くと。
シンと静まり返った廊下に談話室。
車椅子に乗った男性がぼんやりと外を眺めている。
「眞君、こっち。」
お父さんに促されてついて行くと。
廊下の突き当たりの部屋のドアを開けた。
「浅葱、来たよ。
今日は浅葱が会いたがってた人を連れてきたぞ。」
お父さんが嬉しそうに話ながら入った部屋では、開いた窓から吹き込む風がベッドのカーテンを緩やかに揺らしている。
でも、何かがおかしい。
お父さんはけっこうな声量で入っていったのに。
カーテンの向こうからは返事もなければ人が動く気配もない。
「さぁ、入って。」
ニコリと笑ったお父さんは、カーテンを引いて開けてくれた。
「…………浅葱?」
顔を見ようとカーテンを覗き込んだ先には。
点滴が繋がれて、眠っている浅葱の姿。
「眠ってますね………。」
大きな声で起こしちゃ悪いと思ってお父さんに顔を向けると。
「あぁ。眠ってるんだよ。
…………ずっとね………。」
全てをさらけ出す準備のように。
「…………え?」
一瞬、聞き流しそうになった。
お父さんの「ずっと」って言葉。
「どういう事ですか…………。」
ずっとが、いつからなのか。
なんで、こうなってるのか。
何もわからない。
お父さんは、俺に座るように促して、浅葱の近くに腰かけた。
「浅葱はね。眞君を見送りに行った日から眠ったままなんだ。
正確には、公園の近くで倒れて、そのまま。」
お父さんの言葉に、目を見開き、言葉を失った。
もしかして………
あの日、ぼんやり見ていた救急車は。
「なんで…………」
なんでこんなことに。
晴れた日に動いたから?
でも、なんで。
疑問しかなくて。
「眞君は、浅葱から病気のことは聞いてたのかな?」
そう言われて。
なんとなく聞きそびれていた。
たぶん、聞こうとしても、うまくかわされてた。
「………いえ………」
そうか………。
と。
まるでわかってたかのように。続けてくれる。
「浅葱のことだから、きっと言わないで居たんだろうと思ってたよ。
ごめんね。
浅葱は、脳に腫瘍があってね。」
お父さんも、少しずつ疑問がとけてるように。
浅葱のことを話はじめてくれた。
「厄介な所にあったせいで、手術も慎重に話し合ってた。
でも、次第に記憶がうやむやになったり、忘れる事が多くなったり。深く考えられなくなって。」
「それでか………。」
映画の名前が出てこなくなったりしていた。
それも、病気のせいだったなんて………。
「強い光を見たり、大きな音を聞いたりするだけで頭痛がするらしく。
あんまり外にも出なくなっててね。
笑うことも少なかったのに。
君と出会った日から、少しずつ。
笑うようになって。沢山、君の話も聞いたよ。」
思い出話をするように。
嬉しそうに、お父さんは浅葱を見ながら話してくれる。
それに伴って。
俺も、今まであった浅葱の数々の疑問がどんどんとけていく。
晴れた日には外に出ないこと。
時々具合悪そうにしてたこと。
なんで、気付いてあげれなかった。
ちゃんと聞いてたら。
罪悪感に押し潰されそうになっていると。
お父さんは笑ってこっちを向いた。
「眞君。私は、君に罪の意識を持ってほしくてここに連れてきたわけじゃないんだ。」
かけられた言葉にはっとすると。
「お礼が言いたかったんだ。
あの子を笑顔にしてくれて、ありがとう。ってね。」
お父さんは、全く気にしてない。
でも。
俺の頭の中は、ぐるぐると。
後悔がまわる。
「すみません。俺が…………もっと、ちゃんと話してたら………。」
深々と頭を下げると。
優しく肩をさすってくれた。
「謝ることじゃない。
君が浅葱の心を助けたんだ。」
そう言って、バックの中から、小さな手帳を出して俺の手に乗せた。
「私も、知らなかったことは沢山あった。
これは、浅葱の手帳だよ。あの子の心が書いてあるから、読んで欲しい。」
渡された手帳は。
あの頃、作詞をしてる俺の横で浅葱がよく何か書いていた手帳。
覗き込んでも見せてはくれなかったけど。
「私は、少し仕事があるから、1時間くらい、浅葱と話しててくれ。」
そう言って、肩を叩くと。
笑って部屋から出ていった。
「…………浅葱………。」
名前を呟いてみても。
浅葱は目を覚ますことなんて無くて。
ただ、気持ち良さそうに眠ってるようにしか見えない。
運命は残酷だ。
やっと再会できたのに。
会いたくてしかたなかったのに。
君が起きてくれなきゃ意味がない………。