和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[冷えたタオル]
置き去りにされた部屋で、携帯を見つめる。
確かに、もう仕事には間に合わない。
ドキドキと、早鐘を打つ胸を押さえながら、電話帳から課長の番号を出し発信ボタンを押す。
呼び出しの機械音が、心臓を鷲掴みにするくらい痛くなる。
「…………はい。」
呼び出し音が止まると、落ち着いた課長の声が耳にこだまする。
「あっ…………あの………おはようございます………。」
一瞬頭が真っ白になり、言葉が出てこない。
焦ってしまうけど。
「すみません………あ、朝から体調が悪くて………。
微熱なのですが、お休みさせて頂けませんか………?」
絞り出すように。
さっきあの人に示された言葉を吐き出す。
心の中で、嘘がバレないことを祈りながら。
「…………そうか。わかった。
今日は大きな会議もない。ゆっくり休みなさい。」
少しだけため息をついた後、気使うようにスケジュールを確認して休みを認めてくれた。
「はい………。失礼します…………。」
通話終了ボタンを押した後。
早鐘を打ち過ぎて呼吸を忘れていた私は、携帯をベッドに落として胸を押さえてしまった。
(………ズル休みしちゃった…………。)
まだ、課長は女性に対して偏見はあまりなく、嫌味も言わない性格なのは、ありがたいと思った。
休みを取れた事でバタバタと用意をせずに済むことに安堵すると共に。
これからリビングに行ってしまったであろう、あの人と話さなきゃならない。
私は何をしてしまったのか。
昨日はバーで呑んで。
ぼんやりとしてたのは覚えてる。
でも。
そこから先の記憶がない。
(本当に、私は何したんだろ………。)
今まで泥酔なんてしたことない。
そもそも、お酒に強くないからほとんど呑むことなんてなかったから。
それでも。
いつまでもこのままこの部屋に居るわけにもいかない。
迷惑をかけたなら謝らなきゃ。
意を決してベッドから出ると、足元に落ちている下着を身につける。
ベッドの上に置いてあるTシャツに腕を通すと、あの人と同じ匂いがして。
少しだけドキドキする。
貸してもらったスウェットはサイズが大きくて、引きずってしまうから裾を折る。
クローゼットの前にある姿見で顔を見ると、やはり目元は腫れていて。
まるで泣いた後みたいだった。
トボトボと、諦めてリビングに向かうと。
タバコを吸いながら眩しそうに外を見つめる人。
「あの………服、ありがとうございます………。」
落ちないようにスウェットを押さえながら話しかければ。
朝日に照らされて綺麗なブラウンの瞳がこちらに向けられる。
「ちゃんと、電話できた?」
タバコをまた口に含み、紫煙を吐きながらキッチンに歩いて行くとマグカップを2つ持って戻ってくる。
「はい………。」
座っていいよと促されたのは足の低いテーブルに面したソファーで。
おずおずと座ると、目の前に朝飲んだ物と同じ色をしたハーブティーを出してくれる。
「スロートコートでいい?コーヒー飲めるかわからなかったからとりあえずさっき飲んだやつにしてみたんだけどコーヒーが良かった?」
このハーブティーはスロートコートって言うのかと。
シナモンのいい匂いのするマグカップを見つめる。
「スロートコートって言うんですね。これで大丈夫です。ありがとうございます。」
受け取って一口飲むと、どことなく甘くてホッとする。
「喉にいいんだよ。癖があるけど(笑)」
そう言いながら、向かいに座るとコーヒーを飲んではまたタバコを吸っている。
「あの………私、浅葱って言います。お名前、聞いて良いですか?」
名前も知らないから、話しずらくて。
自己紹介をすると、目の前の人はクスリと笑った。
「やっぱり覚えてなかったか(笑)
俺は、眞だよ。桜村眞。」
昨日教えたんだけどね。
そう笑っていて。
やっぱり覚えてないことに愕然とさせられる。
「すみませんっっ!!私、お酒呑めないのに呑んじゃって………。
記憶………無いんです………。」
穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。
謝って済むことじゃないけど、ぎゅっと目を瞑り、謝ってしまう。
「あはは。そりゃそうだろうね?」
眞さんは、元から解ってたみたいに笑うとまたキッチンに行き何かしている。
そんなに酔ってたのか。
何をしたのか、本当に不安になる。
キッチンから戻ってきた眞さんは、私が座るソファーの横に来ると、冷えた手で私の目元に触れてきた。
急な事でびっくりしてると、「ごめんごめん(笑)」と謝ってタオルを見せてくれた。
「横になって?目元、冷やそ。」
やはり、腫れてる目元を気遣って冷えたタオルを持ってきてくれた。
「あっ………。すみません………。」
促されてソファーに横になると、綺麗に畳まれたタオルが目にかけられる。
冷えたタオルが心地よくてため息が出るけど。
何も見えない暗い視界は不安になる。
「しばらくそうしてて。」
眞さんの声で、近くに居てくれるのがわかり、少しだけ安心できた。
置き去りにされた部屋で、携帯を見つめる。
確かに、もう仕事には間に合わない。
ドキドキと、早鐘を打つ胸を押さえながら、電話帳から課長の番号を出し発信ボタンを押す。
呼び出しの機械音が、心臓を鷲掴みにするくらい痛くなる。
「…………はい。」
呼び出し音が止まると、落ち着いた課長の声が耳にこだまする。
「あっ…………あの………おはようございます………。」
一瞬頭が真っ白になり、言葉が出てこない。
焦ってしまうけど。
「すみません………あ、朝から体調が悪くて………。
微熱なのですが、お休みさせて頂けませんか………?」
絞り出すように。
さっきあの人に示された言葉を吐き出す。
心の中で、嘘がバレないことを祈りながら。
「…………そうか。わかった。
今日は大きな会議もない。ゆっくり休みなさい。」
少しだけため息をついた後、気使うようにスケジュールを確認して休みを認めてくれた。
「はい………。失礼します…………。」
通話終了ボタンを押した後。
早鐘を打ち過ぎて呼吸を忘れていた私は、携帯をベッドに落として胸を押さえてしまった。
(………ズル休みしちゃった…………。)
まだ、課長は女性に対して偏見はあまりなく、嫌味も言わない性格なのは、ありがたいと思った。
休みを取れた事でバタバタと用意をせずに済むことに安堵すると共に。
これからリビングに行ってしまったであろう、あの人と話さなきゃならない。
私は何をしてしまったのか。
昨日はバーで呑んで。
ぼんやりとしてたのは覚えてる。
でも。
そこから先の記憶がない。
(本当に、私は何したんだろ………。)
今まで泥酔なんてしたことない。
そもそも、お酒に強くないからほとんど呑むことなんてなかったから。
それでも。
いつまでもこのままこの部屋に居るわけにもいかない。
迷惑をかけたなら謝らなきゃ。
意を決してベッドから出ると、足元に落ちている下着を身につける。
ベッドの上に置いてあるTシャツに腕を通すと、あの人と同じ匂いがして。
少しだけドキドキする。
貸してもらったスウェットはサイズが大きくて、引きずってしまうから裾を折る。
クローゼットの前にある姿見で顔を見ると、やはり目元は腫れていて。
まるで泣いた後みたいだった。
トボトボと、諦めてリビングに向かうと。
タバコを吸いながら眩しそうに外を見つめる人。
「あの………服、ありがとうございます………。」
落ちないようにスウェットを押さえながら話しかければ。
朝日に照らされて綺麗なブラウンの瞳がこちらに向けられる。
「ちゃんと、電話できた?」
タバコをまた口に含み、紫煙を吐きながらキッチンに歩いて行くとマグカップを2つ持って戻ってくる。
「はい………。」
座っていいよと促されたのは足の低いテーブルに面したソファーで。
おずおずと座ると、目の前に朝飲んだ物と同じ色をしたハーブティーを出してくれる。
「スロートコートでいい?コーヒー飲めるかわからなかったからとりあえずさっき飲んだやつにしてみたんだけどコーヒーが良かった?」
このハーブティーはスロートコートって言うのかと。
シナモンのいい匂いのするマグカップを見つめる。
「スロートコートって言うんですね。これで大丈夫です。ありがとうございます。」
受け取って一口飲むと、どことなく甘くてホッとする。
「喉にいいんだよ。癖があるけど(笑)」
そう言いながら、向かいに座るとコーヒーを飲んではまたタバコを吸っている。
「あの………私、浅葱って言います。お名前、聞いて良いですか?」
名前も知らないから、話しずらくて。
自己紹介をすると、目の前の人はクスリと笑った。
「やっぱり覚えてなかったか(笑)
俺は、眞だよ。桜村眞。」
昨日教えたんだけどね。
そう笑っていて。
やっぱり覚えてないことに愕然とさせられる。
「すみませんっっ!!私、お酒呑めないのに呑んじゃって………。
記憶………無いんです………。」
穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。
謝って済むことじゃないけど、ぎゅっと目を瞑り、謝ってしまう。
「あはは。そりゃそうだろうね?」
眞さんは、元から解ってたみたいに笑うとまたキッチンに行き何かしている。
そんなに酔ってたのか。
何をしたのか、本当に不安になる。
キッチンから戻ってきた眞さんは、私が座るソファーの横に来ると、冷えた手で私の目元に触れてきた。
急な事でびっくりしてると、「ごめんごめん(笑)」と謝ってタオルを見せてくれた。
「横になって?目元、冷やそ。」
やはり、腫れてる目元を気遣って冷えたタオルを持ってきてくれた。
「あっ………。すみません………。」
促されてソファーに横になると、綺麗に畳まれたタオルが目にかけられる。
冷えたタオルが心地よくてため息が出るけど。
何も見えない暗い視界は不安になる。
「しばらくそうしてて。」
眞さんの声で、近くに居てくれるのがわかり、少しだけ安心できた。