和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[泣き虫(町屋side)]
「………もう、ハイヒール履きたくない……」
初めて聞いたその声は。
さっきまでアルコールを摂取していたからなのか、少しだけ掠れていて。
(履きたくないって言われてもな………)
裸足で歩かれて怪我されても困る。
「そっか。じゃあ家に着いたら履いてね?」
「家も………やだ………」
まるで、子供のように。
ぽつり、ぽつりと話す言葉はみんな嫌がる言葉。
「嫌だって………帰りたくないの?」
何かあるのか、わからないけど。
うつ向いていたその子の顔はどんどん歪み、ポロポロと涙を溢しだす。
「…………もぅ、やだぁ………」
溢れる涙をゴシゴシと擦りながら声を殺して泣く姿は、今まで出会った女性には無いもので。
「ちょ、ちょっと、泣かないでっっ」
慌てて頭を撫でるけど、まったく泣き止む様子もなくて。
(やばいな………。このままじゃ帰れないだろうな……。)
とりあえず落ち着いてもらわないと何も話せない。
そんなタイミングでタクシーが着いたから。
仕方なく自分の家に連れて帰ることにした。
ハイヒールを持ったまま彼女をタクシーに乗せると、その子は俺にしがみついたまま泣いている。
どうにか、家に到着して。
ハイヒールを履かない彼女を抱えて部屋に行くと、少しだけ眠っていたのか目が赤かった。
ベッドに下ろして荷物を横に置くと、モゾモゾと起き上がる。
「今、水持ってくるから寝てていいよ。」
タバコを吸いながら水とスロートコートを入れて持っていくと、起き上がったまま目を擦っていた。
「目、腫れちゃうから。」
水を渡して少しは飲んだけど。
見つめていると、また目が涙で埋まっていく。
「何か、嫌なことあったの?」
タバコを灰皿に置いてスロートコートを飲みながらベッドに座る彼女の顔が見えるように覗き込めば。
ポロポロと大粒の涙を溢しながら泣いている。
「………もう、やだ………。仕事も………会社も………。」
そうか。仕事で嫌なことがあったのかと。
「仕事、疲れたの………?」
ポロポロ溢れる涙をタオルで拭くと。
少しだけ落ちてしまったメイクの下にはさっきまでとは違う、少し幼い顔。
「いやぁ………。」
タダをこねる子供のように。
ひっく、ひっく、と、しゃくりを上げながら色んな嫌な事を話してくれた。
仕事も、会社も。
男に負けることも。
「嫌なら、辞めちゃえばいいのに。」
俺も、子供をあやすように。
撫でながら言うと、首を振る。
「それもできない………。辛い……。」
確かに。
世の中どんだけ嫌だって逃げられないこともある。
この子は、きっとその中で苦しんでいるんだと。
叫べなくて、一人になりたくて、あの店に居たんだと。
そう分かった時、すごく抱き締めたくなった。
「ねえ?名前、教えて?
俺は、眞だよ。」
そっと頭を撫でながら横に座ると、すごく小さな声で
「………浅葱………」
と、呟いた。
「浅葱、おいで。」
ゆっくりと、強く抱き締めてベッドに横になると、浅葱は力無くシャツに顔を埋めて。
「泣いていいよ。いっぱい泣きな?」
たぶん、浅葱は泣けない、弱音を吐けない所にいるんだろう。
泣いていいと言っても首を振る。
「………泣いたら………弱くなる………。」
弱くなることを怖がるくらい、浅葱はメイクとスーツと捨てたくなるハイヒールで身を固めていたんだと。
疲れるだろうな………。
「……大丈夫。今は俺しか居ないから。誰にも言わない。
だから、今はいっぱい泣きな。」
そう言って額に唇を当てると。
堰を切ったように。
シャツを握りしめて大きな声で泣き出した。
いっぱい泣けばいい。
疲れたなら。
どれくらい経っただろう?
浅葱はいつの間にか泣き疲れて眠ってしまった。
俺が起き上がっても気付かないくらいぐっすりと。
せめてもと、ベッドサイドにあるメイク落としで顔を拭くとやはり目元は赤くなっていた。
(これは、明日の朝大変だろうな………。)
全く起きないけど、このまま寝かせるわけにもいかず、スーツとシャツを脱がせてベッドに入れて、自分も着替えた。
洗濯機に自分の服を入れる時、あまりのびしょびしょに笑えてきた。
あんなに泣く子を抱き締めてたのは初めてだ。
服を脱いでベッドに戻って、そっと横に入っても、全く起きる気配はなくて。
間接照明を暗くして、浅葱のおかげで少し思い付いた歌詞をノートパソコンに入力していると。
モゾモゾと、浅葱が起き上がった。
「浅葱、喉乾かない?」
問いかけてみても、浅葱は少し不機嫌そうに。
おもむろにブラジャーを外すと、ぽいっとベッドの足元に置いてまた毛布に潜っていく。
(………もしかして、寝惚けてた?)
寝やすい場所を探すように、モゾモゾと動いて俺の腰を見つけると、おもむろに抱きついて。
そこが寝やすかったのか。
またすぐにスヤスヤと小さい寝息が聞こえてくる。
腰に当たる髪が少しくすぐったくて。
作詞に集中できない。
「…………ったく………。」
酔っぱらいの女性を拾うことなんて無かったし、体を重ねた人が居たとしても、こんなに優しくしたいと思った子なんて居なかった。
(明日、起きたら君はどんな反応するんだろ………)
パソコンを閉じてベッドに潜ると浅葱を抱き締めて眠りについた。
-ピーピー-
コーヒーが出来た音で我に返った。
朝目にした浅葱は予想以上に可愛いくて。
彼女にどこまで正直に話そうか。
少しだけ、悪戯な心が騒ぎだす………。
「あの………。服、ありがとうございます………。」
スロートコートが入る頃、大きめの俺の服を着た浅葱は申し訳無さそうにリビングにあらわれた……。
「………もう、ハイヒール履きたくない……」
初めて聞いたその声は。
さっきまでアルコールを摂取していたからなのか、少しだけ掠れていて。
(履きたくないって言われてもな………)
裸足で歩かれて怪我されても困る。
「そっか。じゃあ家に着いたら履いてね?」
「家も………やだ………」
まるで、子供のように。
ぽつり、ぽつりと話す言葉はみんな嫌がる言葉。
「嫌だって………帰りたくないの?」
何かあるのか、わからないけど。
うつ向いていたその子の顔はどんどん歪み、ポロポロと涙を溢しだす。
「…………もぅ、やだぁ………」
溢れる涙をゴシゴシと擦りながら声を殺して泣く姿は、今まで出会った女性には無いもので。
「ちょ、ちょっと、泣かないでっっ」
慌てて頭を撫でるけど、まったく泣き止む様子もなくて。
(やばいな………。このままじゃ帰れないだろうな……。)
とりあえず落ち着いてもらわないと何も話せない。
そんなタイミングでタクシーが着いたから。
仕方なく自分の家に連れて帰ることにした。
ハイヒールを持ったまま彼女をタクシーに乗せると、その子は俺にしがみついたまま泣いている。
どうにか、家に到着して。
ハイヒールを履かない彼女を抱えて部屋に行くと、少しだけ眠っていたのか目が赤かった。
ベッドに下ろして荷物を横に置くと、モゾモゾと起き上がる。
「今、水持ってくるから寝てていいよ。」
タバコを吸いながら水とスロートコートを入れて持っていくと、起き上がったまま目を擦っていた。
「目、腫れちゃうから。」
水を渡して少しは飲んだけど。
見つめていると、また目が涙で埋まっていく。
「何か、嫌なことあったの?」
タバコを灰皿に置いてスロートコートを飲みながらベッドに座る彼女の顔が見えるように覗き込めば。
ポロポロと大粒の涙を溢しながら泣いている。
「………もう、やだ………。仕事も………会社も………。」
そうか。仕事で嫌なことがあったのかと。
「仕事、疲れたの………?」
ポロポロ溢れる涙をタオルで拭くと。
少しだけ落ちてしまったメイクの下にはさっきまでとは違う、少し幼い顔。
「いやぁ………。」
タダをこねる子供のように。
ひっく、ひっく、と、しゃくりを上げながら色んな嫌な事を話してくれた。
仕事も、会社も。
男に負けることも。
「嫌なら、辞めちゃえばいいのに。」
俺も、子供をあやすように。
撫でながら言うと、首を振る。
「それもできない………。辛い……。」
確かに。
世の中どんだけ嫌だって逃げられないこともある。
この子は、きっとその中で苦しんでいるんだと。
叫べなくて、一人になりたくて、あの店に居たんだと。
そう分かった時、すごく抱き締めたくなった。
「ねえ?名前、教えて?
俺は、眞だよ。」
そっと頭を撫でながら横に座ると、すごく小さな声で
「………浅葱………」
と、呟いた。
「浅葱、おいで。」
ゆっくりと、強く抱き締めてベッドに横になると、浅葱は力無くシャツに顔を埋めて。
「泣いていいよ。いっぱい泣きな?」
たぶん、浅葱は泣けない、弱音を吐けない所にいるんだろう。
泣いていいと言っても首を振る。
「………泣いたら………弱くなる………。」
弱くなることを怖がるくらい、浅葱はメイクとスーツと捨てたくなるハイヒールで身を固めていたんだと。
疲れるだろうな………。
「……大丈夫。今は俺しか居ないから。誰にも言わない。
だから、今はいっぱい泣きな。」
そう言って額に唇を当てると。
堰を切ったように。
シャツを握りしめて大きな声で泣き出した。
いっぱい泣けばいい。
疲れたなら。
どれくらい経っただろう?
浅葱はいつの間にか泣き疲れて眠ってしまった。
俺が起き上がっても気付かないくらいぐっすりと。
せめてもと、ベッドサイドにあるメイク落としで顔を拭くとやはり目元は赤くなっていた。
(これは、明日の朝大変だろうな………。)
全く起きないけど、このまま寝かせるわけにもいかず、スーツとシャツを脱がせてベッドに入れて、自分も着替えた。
洗濯機に自分の服を入れる時、あまりのびしょびしょに笑えてきた。
あんなに泣く子を抱き締めてたのは初めてだ。
服を脱いでベッドに戻って、そっと横に入っても、全く起きる気配はなくて。
間接照明を暗くして、浅葱のおかげで少し思い付いた歌詞をノートパソコンに入力していると。
モゾモゾと、浅葱が起き上がった。
「浅葱、喉乾かない?」
問いかけてみても、浅葱は少し不機嫌そうに。
おもむろにブラジャーを外すと、ぽいっとベッドの足元に置いてまた毛布に潜っていく。
(………もしかして、寝惚けてた?)
寝やすい場所を探すように、モゾモゾと動いて俺の腰を見つけると、おもむろに抱きついて。
そこが寝やすかったのか。
またすぐにスヤスヤと小さい寝息が聞こえてくる。
腰に当たる髪が少しくすぐったくて。
作詞に集中できない。
「…………ったく………。」
酔っぱらいの女性を拾うことなんて無かったし、体を重ねた人が居たとしても、こんなに優しくしたいと思った子なんて居なかった。
(明日、起きたら君はどんな反応するんだろ………)
パソコンを閉じてベッドに潜ると浅葱を抱き締めて眠りについた。
-ピーピー-
コーヒーが出来た音で我に返った。
朝目にした浅葱は予想以上に可愛いくて。
彼女にどこまで正直に話そうか。
少しだけ、悪戯な心が騒ぎだす………。
「あの………。服、ありがとうございます………。」
スロートコートが入る頃、大きめの俺の服を着た浅葱は申し訳無さそうにリビングにあらわれた……。