和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[スロートコート(町屋side)]
浅葱を部屋に残して寝室を出た。
顔を洗ってキッチンに行くと、自分用にコーヒーと、浅葱用にスロートコートを入れるのにお湯を沸かす。
電子タバコのスイッチを入れてお湯が沸くまでの間、煙で肺を満たしながらカーテンを開けて晴れた空を見上げる。
「いい天気だな………。」
昨日の事と、さっきまでの流れを思い出すと少しだけ笑いが込み上げてくる。
昨日の事は、本当に今ベッドに居るのが本人なのか疑いたくなる。
「こんばんは。」
それは、たまに足を運ぶバー。
薄暗い店の中は、落ち着いていて、バラードの詞を考えたりするにはちょうどいいから。
「眞君、いらっしゃい。いつものかい?」
少しだけ歳を召した店主は、グラスを拭きながら視線を向けてくれる。
「はい。お願いします。」
店主が慣れたようにグラスに琥珀色の液体を注いで出してくれるのを待ち、バッグからノートとペンを出す。
経営大丈夫なのか心配になるくらい、いつもならお客が居ないのに今日は珍しく離れたカウンターにお客がいる。
おとなしめのスーツに身を包み、化粧のせいもあり、本当に仕事ができそうな美人。
なのに、何か深刻に考えながらウィスキーであろうグラスに浮かぶ氷を見つめている。
(すごい、気の強そうな子だな………。)
この店に来るのは皆落ち着いていて呑みたい人が多いから俺も気にせず作詞を続ける。
小一時間経った頃だろうか?
作詞に集中してて気付かなかったけど。
店主は相変わらず店のボトルを拭いたりしていて。
さっきまでグラスを見つめていた美人に視線を向けると。
半分くらい呑んだグラスを両手で包みながら、目だけ閉じていた。
「………あの子、今日初めて来たんだけどね。ずっと何も話さないであれ1杯ゆっくり飲んでたのに、眠っちゃったね。」
ペンが止まって彼女を見つめる俺に気付いた店主が、起こさないように小さな声で話しかけてきた。
「眠ってるんですか?
たった1杯で眠っちゃうなんて疲れてたんですかね。」
書き終わった詞のノートをしまうと、残ったグラスに口をつける。
店主と話していてもまったく目を開ける様子はない。
「何か考えてたみたいだからほっておいたんだけど、このまま眠られてても困るな。
店、閉めるにしめられないよ(笑)」
確かに、店主の言うことはごもっともで。
初めてのお客を無下に追い出すわけにもいかないだろう。
「そうですね………。タクシー、呼んでもらえますか?俺も帰るからついでに送ってきます。」
俺が片付けをして提案すると、
店主は「すまないけど、頼むよ」
と、タクシーを呼んでくれた。
彼女の分と合わせて代金を払おうとすると、「彼女をお願いするから今日はいいよ。」
と言ってくれた。
10分もすれば来るってことだから、荷物を持って彼女に近づいた。
トントン、と肩を叩くと眠っていたその子はゆっくりと目を開けた。
「お店、閉まっちゃうから帰ろう?外にタクシー呼んだから。」
持っていたグラスをテーブルに置いて顔を覗き込むと、その子は何も話さずふらつきながら立ち上がった。
「あぶないっ!!」
今にも膝の力が抜けそうなその子を支えてその子のバッグを持つと、
店主に「じゃあ、また。」
と挨拶して店を出る。
まったく知らない人間に支えられてるのに、その子は抵抗もしないで歩いてくれる。
助かるけど、少しは疑わなくて良いのか心配になる。
店を出て外の花壇に座らせると、その足元にしゃがんで顔を見上げる。
起きてるけど、何を考えてるのかわからないくらい無表情。
「送ってくから、タクシー来たら家だけ説明して?」
そう話しかけても、頷きもしない。
なんとなく居たたまれなくて。
彼女に背を向けてタクシーが来るのを待つ。
こんなに感情が読めない子は初めてで。
少しだけ困る。
(早くタクシー来ないかな。)
なんとなく道路を見ていると、後ろから「カツンッ」と、何かが落ちる音がした。
「??」
振り返ると。
花壇に座っていた彼女の足から履いてたハイヒールが両方落ちていた。
落ちたと言うより、脱ぎ捨てたみたいな。
彼女は脱げた素足を投げ出してうつ向いていた。
「………え?」
一瞬、なんで脱いだのかわからなくて。
落ちたハイヒールを拾ってまた目の前にしゃがみ込む。
「もうすぐタクシーくるから、靴、履いて?」
足元に並べると、またそれを蹴ってしまう。
そして。
「…………もう、ハイヒール履きたくない………。」
うつ向いていた彼女が、ぽつりと呟いた…………。
浅葱を部屋に残して寝室を出た。
顔を洗ってキッチンに行くと、自分用にコーヒーと、浅葱用にスロートコートを入れるのにお湯を沸かす。
電子タバコのスイッチを入れてお湯が沸くまでの間、煙で肺を満たしながらカーテンを開けて晴れた空を見上げる。
「いい天気だな………。」
昨日の事と、さっきまでの流れを思い出すと少しだけ笑いが込み上げてくる。
昨日の事は、本当に今ベッドに居るのが本人なのか疑いたくなる。
「こんばんは。」
それは、たまに足を運ぶバー。
薄暗い店の中は、落ち着いていて、バラードの詞を考えたりするにはちょうどいいから。
「眞君、いらっしゃい。いつものかい?」
少しだけ歳を召した店主は、グラスを拭きながら視線を向けてくれる。
「はい。お願いします。」
店主が慣れたようにグラスに琥珀色の液体を注いで出してくれるのを待ち、バッグからノートとペンを出す。
経営大丈夫なのか心配になるくらい、いつもならお客が居ないのに今日は珍しく離れたカウンターにお客がいる。
おとなしめのスーツに身を包み、化粧のせいもあり、本当に仕事ができそうな美人。
なのに、何か深刻に考えながらウィスキーであろうグラスに浮かぶ氷を見つめている。
(すごい、気の強そうな子だな………。)
この店に来るのは皆落ち着いていて呑みたい人が多いから俺も気にせず作詞を続ける。
小一時間経った頃だろうか?
作詞に集中してて気付かなかったけど。
店主は相変わらず店のボトルを拭いたりしていて。
さっきまでグラスを見つめていた美人に視線を向けると。
半分くらい呑んだグラスを両手で包みながら、目だけ閉じていた。
「………あの子、今日初めて来たんだけどね。ずっと何も話さないであれ1杯ゆっくり飲んでたのに、眠っちゃったね。」
ペンが止まって彼女を見つめる俺に気付いた店主が、起こさないように小さな声で話しかけてきた。
「眠ってるんですか?
たった1杯で眠っちゃうなんて疲れてたんですかね。」
書き終わった詞のノートをしまうと、残ったグラスに口をつける。
店主と話していてもまったく目を開ける様子はない。
「何か考えてたみたいだからほっておいたんだけど、このまま眠られてても困るな。
店、閉めるにしめられないよ(笑)」
確かに、店主の言うことはごもっともで。
初めてのお客を無下に追い出すわけにもいかないだろう。
「そうですね………。タクシー、呼んでもらえますか?俺も帰るからついでに送ってきます。」
俺が片付けをして提案すると、
店主は「すまないけど、頼むよ」
と、タクシーを呼んでくれた。
彼女の分と合わせて代金を払おうとすると、「彼女をお願いするから今日はいいよ。」
と言ってくれた。
10分もすれば来るってことだから、荷物を持って彼女に近づいた。
トントン、と肩を叩くと眠っていたその子はゆっくりと目を開けた。
「お店、閉まっちゃうから帰ろう?外にタクシー呼んだから。」
持っていたグラスをテーブルに置いて顔を覗き込むと、その子は何も話さずふらつきながら立ち上がった。
「あぶないっ!!」
今にも膝の力が抜けそうなその子を支えてその子のバッグを持つと、
店主に「じゃあ、また。」
と挨拶して店を出る。
まったく知らない人間に支えられてるのに、その子は抵抗もしないで歩いてくれる。
助かるけど、少しは疑わなくて良いのか心配になる。
店を出て外の花壇に座らせると、その足元にしゃがんで顔を見上げる。
起きてるけど、何を考えてるのかわからないくらい無表情。
「送ってくから、タクシー来たら家だけ説明して?」
そう話しかけても、頷きもしない。
なんとなく居たたまれなくて。
彼女に背を向けてタクシーが来るのを待つ。
こんなに感情が読めない子は初めてで。
少しだけ困る。
(早くタクシー来ないかな。)
なんとなく道路を見ていると、後ろから「カツンッ」と、何かが落ちる音がした。
「??」
振り返ると。
花壇に座っていた彼女の足から履いてたハイヒールが両方落ちていた。
落ちたと言うより、脱ぎ捨てたみたいな。
彼女は脱げた素足を投げ出してうつ向いていた。
「………え?」
一瞬、なんで脱いだのかわからなくて。
落ちたハイヒールを拾ってまた目の前にしゃがみ込む。
「もうすぐタクシーくるから、靴、履いて?」
足元に並べると、またそれを蹴ってしまう。
そして。
「…………もう、ハイヒール履きたくない………。」
うつ向いていた彼女が、ぽつりと呟いた…………。