和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[月の庭]
廊下で仲居さんにお水をもらい、薬を飲むと。
そのまま戻るのも何となく嫌で、入ってくる時にちらりと見えた中庭を覗く。
そこは、喫煙スペースになっているようで。
中庭に出れるみたいだから、外履きを履いて出てみる。
そこは、建物の中とは思えないくらい、ライトアップされた紅葉や小さな池がある。
(すごい………。)
さすが京都だなと思いつつ、池の近くのベンチに腰かけて、吹き抜けの空を見上げれば。
紅葉した紅葉の隙間から月が覗く。
(あ~ぁ。足が痛くなかったら一泊して少し観光でも良かったな………。)
自分のおっちょこちょいぶりを呪いながら、深呼吸をすると。
ふと、履いていた外履きが目につく。
その時………
『邪魔なら靴脱いじゃえばいいんだよ。』
前に眞が海で言ってくれたことを思い出す。
クスりと笑って、そっと脱ぐと、石畳に足を下ろした。
ひんやりとした石畳は、足の熱を奪ってくれて気持ちがいい。
笑いながら、足をペタペタと石畳に当てていると。
ふと、横に誰か座る気配がして。
喫煙スペースだから、邪魔にならないように退こうと顔をあげると。
「そのままで良いよ。」
と。
タバコを加えたまま、楽しそうに足を組んでこちらを眺める眞がいた。
「………あっ!!ま、町屋さん!」
驚いたのと、やっていたことが恥ずかしくて、外履きを履き直そうとする。
「そのままでいいのに(笑)
今は町屋時間終了してるので、眞で良いよ。」
と、裸足の足元を眺めて笑っている。
恥ずかしかったけど。
もう少し冷やしていたかったから。
そっと、足を下ろす。
「………さっきは、ありがとう………」
ぽそりと、顔を見れずにお礼を言えば。
煙を吐き出すため息が聞こえる。
「俺は、率直に思ったこと言っただけ。
でも、明らかに女性を下に見る態度はムカついたけどね(笑)」
そう言いながら、また煙を口に含む。
「でも、私は何も言い返せなかったから。
嬉しかった………。」
ずっと話したかった眞が横に居るのに、顔すら見れないけど。
横に居てくれることが嬉しい。
「………あ………マドレーヌ、ありがとう。うまかった。」
ぽそりと。
煙を燻らせて眞が呟く。
受け取ってくれたことが嬉しくて。
「………うん。」
返事だけしかできなかった。
「………そーいえば。亜沙のこと、振ったんだって(笑)?」
お互い無言のままかと思っていたのに、不意に出てきた亜沙さんの話に驚いて、眞を見れば。
悪戯っぽい笑顔でこちらの様子を見ている。
「それは…………ご飯を誘われたけど、ここに来なきゃいけなかったし。
それに、あんなにファンも多い人と二人でとか………」
無理………。
ぽそりと消え入りそうな声で言うと、クスりと笑われる。
「よーするに、興味ない男とご飯なんて行かない。って事で良いのかな?」
真意を付かれて。
はい、そーです。とは言えないけど。
否定もできない。
「俺とデートは行ったのにね(笑)」
亜沙さんを選ばなかったことが楽しそうに。
「そ、それは………。
眞が有名人なんて知らなかったし………。
それに………」
「それに?」
ゴモゴモと口ごもる私を、それは楽しそうに眺めている眞は、とても意地悪に見える。
「……眞とは……一緒に居たかったから………。」
恥ずかしくて顔をそらしたけど。
横に座る眞からは嬉しそうな笑い声が聞こえた。
「それなら、安心した。嫌われたと思ってたから。」
安心したように、ふーっ、と、吐き出した煙を目で追いながら眞がこちらを見るのがわかる。
「………嫌ってたら、お礼なんて渡さないよ………。」
そっか………。
と、緩やかな時間の中であの日と同じように話せることがすごく嬉しかった。
さて、と。
吸い終わったタバコを灰皿に投げると、眞はこちらを見た。
「今日、新幹線で帰るんだろ?
今ならハゲ部長は舞妓にメロメロだから、今のうちに課長さんにこっそり言って帰った方が良いよ。」
ハゲ部長って言葉に思わず吹き出してしまいそうになったけど。
確かに帰るなら上機嫌なうちに帰りたい。
「………そだね。」
よいしょっ、と外履きを履いて立ち上がると、少し深呼吸して、歩き出した。
まだ、話していたかったけど。
『少しでも良い』と、望んだのは私。
それを叶えてくれた眞に感謝をして、綺麗な庭を後にした………。
廊下で仲居さんにお水をもらい、薬を飲むと。
そのまま戻るのも何となく嫌で、入ってくる時にちらりと見えた中庭を覗く。
そこは、喫煙スペースになっているようで。
中庭に出れるみたいだから、外履きを履いて出てみる。
そこは、建物の中とは思えないくらい、ライトアップされた紅葉や小さな池がある。
(すごい………。)
さすが京都だなと思いつつ、池の近くのベンチに腰かけて、吹き抜けの空を見上げれば。
紅葉した紅葉の隙間から月が覗く。
(あ~ぁ。足が痛くなかったら一泊して少し観光でも良かったな………。)
自分のおっちょこちょいぶりを呪いながら、深呼吸をすると。
ふと、履いていた外履きが目につく。
その時………
『邪魔なら靴脱いじゃえばいいんだよ。』
前に眞が海で言ってくれたことを思い出す。
クスりと笑って、そっと脱ぐと、石畳に足を下ろした。
ひんやりとした石畳は、足の熱を奪ってくれて気持ちがいい。
笑いながら、足をペタペタと石畳に当てていると。
ふと、横に誰か座る気配がして。
喫煙スペースだから、邪魔にならないように退こうと顔をあげると。
「そのままで良いよ。」
と。
タバコを加えたまま、楽しそうに足を組んでこちらを眺める眞がいた。
「………あっ!!ま、町屋さん!」
驚いたのと、やっていたことが恥ずかしくて、外履きを履き直そうとする。
「そのままでいいのに(笑)
今は町屋時間終了してるので、眞で良いよ。」
と、裸足の足元を眺めて笑っている。
恥ずかしかったけど。
もう少し冷やしていたかったから。
そっと、足を下ろす。
「………さっきは、ありがとう………」
ぽそりと、顔を見れずにお礼を言えば。
煙を吐き出すため息が聞こえる。
「俺は、率直に思ったこと言っただけ。
でも、明らかに女性を下に見る態度はムカついたけどね(笑)」
そう言いながら、また煙を口に含む。
「でも、私は何も言い返せなかったから。
嬉しかった………。」
ずっと話したかった眞が横に居るのに、顔すら見れないけど。
横に居てくれることが嬉しい。
「………あ………マドレーヌ、ありがとう。うまかった。」
ぽそりと。
煙を燻らせて眞が呟く。
受け取ってくれたことが嬉しくて。
「………うん。」
返事だけしかできなかった。
「………そーいえば。亜沙のこと、振ったんだって(笑)?」
お互い無言のままかと思っていたのに、不意に出てきた亜沙さんの話に驚いて、眞を見れば。
悪戯っぽい笑顔でこちらの様子を見ている。
「それは…………ご飯を誘われたけど、ここに来なきゃいけなかったし。
それに、あんなにファンも多い人と二人でとか………」
無理………。
ぽそりと消え入りそうな声で言うと、クスりと笑われる。
「よーするに、興味ない男とご飯なんて行かない。って事で良いのかな?」
真意を付かれて。
はい、そーです。とは言えないけど。
否定もできない。
「俺とデートは行ったのにね(笑)」
亜沙さんを選ばなかったことが楽しそうに。
「そ、それは………。
眞が有名人なんて知らなかったし………。
それに………」
「それに?」
ゴモゴモと口ごもる私を、それは楽しそうに眺めている眞は、とても意地悪に見える。
「……眞とは……一緒に居たかったから………。」
恥ずかしくて顔をそらしたけど。
横に座る眞からは嬉しそうな笑い声が聞こえた。
「それなら、安心した。嫌われたと思ってたから。」
安心したように、ふーっ、と、吐き出した煙を目で追いながら眞がこちらを見るのがわかる。
「………嫌ってたら、お礼なんて渡さないよ………。」
そっか………。
と、緩やかな時間の中であの日と同じように話せることがすごく嬉しかった。
さて、と。
吸い終わったタバコを灰皿に投げると、眞はこちらを見た。
「今日、新幹線で帰るんだろ?
今ならハゲ部長は舞妓にメロメロだから、今のうちに課長さんにこっそり言って帰った方が良いよ。」
ハゲ部長って言葉に思わず吹き出してしまいそうになったけど。
確かに帰るなら上機嫌なうちに帰りたい。
「………そだね。」
よいしょっ、と外履きを履いて立ち上がると、少し深呼吸して、歩き出した。
まだ、話していたかったけど。
『少しでも良い』と、望んだのは私。
それを叶えてくれた眞に感謝をして、綺麗な庭を後にした………。