和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[残った感触]
パタパタと、ゆう子さんの元を離れてスタッフさんに確認を取った後。
撮影が始まるまでの少しの間、廊下に移動して自販機で買ったコーヒーを開けながらソファーに座る。
「…………はぁ………。」
さっきは、不意にゆう子さんをかばって足を挫いてしまって。
痛みはあるけど。
それよりも。
眞に掴まれた腕に残る感触に、思わず腕を撫でてしまう。
あの時の眞は。
本当にスタッフさんと私を間違えたのか?
やけに焦った顔をしていた。
それと共に。
左耳に光る十字架のピアスを見つけてしまった。
(あれは、私のピアス…………。)
部屋に落としてきた物を、眞は着けているのか。
だとしたら。
嫌われてはいないのかもしれない………。
コーヒーを一口飲むと、忘れていた喉の渇きを思い出す。
朝から動きっぱなしで何も口にしてなかった。
(……ピアス、持っててくれたんだ。)
喉の渇きを潤しながら、少しだけ嬉しくなってしまう。
たとえ、話せなくても。
眞の中に少しでも私の事が記憶で残っててくれるなら嬉しい。
まだ、足は痛むけど。
「…………よし!」
コーヒーを飲みきると、立ち上がりゴミ箱に缶を捨てる。
背筋を伸ばしてまた歩き出すと、そろそろ撮影が始まるスタジオはバタバタしていた。
邪魔にならないように監督さんの近くに行くと、少しだけ確認をしてから撮影がはじまる。
さすが、プロ。
さっきまではワイワイ楽しそうにしていたのに、一気に空気が引き締まる。
「それでは、始めます!」
それぞれの音に包まれて歌い、踊るゆう子さんに自分の見せ方をわきまえてる他のメンバーさん。
(やっぱりすごいな………。)
キラキラした光と音に思わず見とれてしまう。
時々、眞を見ると。
揺れる髪から覗くピアス。
やはり、あれは私の物。
撮影したものを画面で見ると、やはり迫力が違う。
カメラ目線になった眞の艶やかな視線に、また心臓が跳ねる。
まるで、直接視線を交わしてるみたいに。
「…………さん、椎名さん?」
画面に集中してしまい、話しかけられてることに気付かなかった。
「あっ、はい。すみません、何ですか?」
眞に見とれてた自分に少しだけ恥ずかしくなりながら、思考を切り替えると。
監督さんからの撮り方の提案など話してくれて。
眞のことを考えてるとどうしても仕事を忘れてしまいそうになる自分を反省する。
休みなく撮影は続き、気付けば時計はお昼をさそうとしていた。
「では、これで午前中は終了にしましょう。」
わーい!
と、また楽しそうなメンバーさん達が楽屋に戻っていくのを見送って、スタッフさん達に挨拶をして、私はスタジオを出た。
朝、スタジオに入るとき、確か近くにカフェがあった。
(眞達に差し入れしよう………。)
メンバーさんの好みがわからないからコーヒーやカフェラテ、紅茶などを組み合わせて用意してもらうと、またスタジオに戻っていく。
エレベーターに乗りながらまだズキズキ痛む足を見れば、少しだけ腫れていて。
(今日が終わればお休みだから、今日は痛くても我慢!!)
自分に言い聞かせて顔を上げると、ちょうど和楽器バンドの楽屋のある階に着いた。
-コンコン-
「すみません、椎名です。」
ノックをすると、パタパタと走る音と、ドアが開いた隙間からゆう子さんが覗く。
「あ!浅葱さん!!いらっしゃい♪どうしました?」
丁度ごはんを食べていたのか、モグモグしていて。
「あ、お食事中すみません、コーヒーとか、良かったら、どうぞ♪」
袋に入ったコーヒーを見せるとゆう子さんの目が輝いて、ドアを開けてくれた。
「わぁ~♪ありがたい~♪♪今みんなごはん食べてるから入って~♪一緒にたべましょ!」
袋を受け取ってくれるゆう子さんに促されて中に行こうと思ったけど、私はお昼を用意してなかったから。
「すみません、私、自分のお昼忘れてました。外で買ってきますから大丈夫ですよ。」
失礼します、と行こうとした時。
「お昼なら余ってるよ~」
たぶん、仕出しのサンドイッチを片手においでおいでをするのは亜沙さん。
「いや、でも………」
さすがに悪いと思っていると。
「余ってるならもったいないもんね~♪」
行こ♪と、ゆう子さんは喜びながら腕を引っ張る。
申し訳ないとは思ったけど。
足が痛いから少しだけ休みたくて。
「じゃあ、お邪魔します………。」
ペコリと頭を下げて、ゆう子さんに促されるままゆう子さんの食べていたお弁当の席の横に座らされると、亜沙さんはサンドイッチを持ってきてくれて、山葵さんはお茶を出してくれて、ゆう子さんはコーヒーを振りまいて戻ってくる。
目の前の席には、携帯でゲームをしながらサンドイッチを頬張る眞の姿。
それだけで緊張してしまうけど。
私が座った周りには自然にメンバーさんが寄ってきてくれて、色々はなしてくれる。
それだけでも、少しほっとする。
「ぷはぁ、いっぱい食べた♪」
食後の紅茶を飲みながら、ゆう子さんが携帯をいじっていると。
「あ!!浅葱さん、一緒に写メ撮ろう♪」
SNSに上げたいと、ゆう子さんは携帯を見せてくれる。
撮るのは慣れてるけど、撮られるのは慣れてない…………。
「おー、いいね~♪俺も入る~♪」
亜沙さんや神永さんが、たのしそうに集まり始めて、断れる雰囲気じゃなくなる。
マネージャーさんが、撮ってくれることになり、壁を背にして、ゆう子さんと隣同士で寄り添うと、山葵さんや神永さん達は前に座る。
(撮られることに慣れてるな(笑))
そんな光景を微笑ましく見てると、そっと私の開いた隣に人の気配を感じて。
「俺も~」
楽しそうな眞が真横に来た。
びっくりはしたけど。
記念写真だしね。
言い聞かせて正面を見てると。
不意に後ろに回していた自分の手を握る手。
びっくりして顔を上げると。
「ほら、写真撮るから、前向いてください?」
眞は、嬉しそうに。
カメラを見たまま私にそう言って。
でも。
この手の感触は、眞で。
二人にぴったり寄り添われてるから。
繋いだ手は見えない。
痛いくらい高鳴る心臓を感じながら。
それでも嬉しくて。
繋いだ手を、そっと握り返す。
話せなくてもいい。
今、誰にも見られていない、
この手の温もりだけ。
疲れた私を癒してくれる。
あっと言う間に離れてしまった手だけど。
写真に写る私の耳は赤く、
眞は、それ以上に嬉しそうな顔をしていた………。
パタパタと、ゆう子さんの元を離れてスタッフさんに確認を取った後。
撮影が始まるまでの少しの間、廊下に移動して自販機で買ったコーヒーを開けながらソファーに座る。
「…………はぁ………。」
さっきは、不意にゆう子さんをかばって足を挫いてしまって。
痛みはあるけど。
それよりも。
眞に掴まれた腕に残る感触に、思わず腕を撫でてしまう。
あの時の眞は。
本当にスタッフさんと私を間違えたのか?
やけに焦った顔をしていた。
それと共に。
左耳に光る十字架のピアスを見つけてしまった。
(あれは、私のピアス…………。)
部屋に落としてきた物を、眞は着けているのか。
だとしたら。
嫌われてはいないのかもしれない………。
コーヒーを一口飲むと、忘れていた喉の渇きを思い出す。
朝から動きっぱなしで何も口にしてなかった。
(……ピアス、持っててくれたんだ。)
喉の渇きを潤しながら、少しだけ嬉しくなってしまう。
たとえ、話せなくても。
眞の中に少しでも私の事が記憶で残っててくれるなら嬉しい。
まだ、足は痛むけど。
「…………よし!」
コーヒーを飲みきると、立ち上がりゴミ箱に缶を捨てる。
背筋を伸ばしてまた歩き出すと、そろそろ撮影が始まるスタジオはバタバタしていた。
邪魔にならないように監督さんの近くに行くと、少しだけ確認をしてから撮影がはじまる。
さすが、プロ。
さっきまではワイワイ楽しそうにしていたのに、一気に空気が引き締まる。
「それでは、始めます!」
それぞれの音に包まれて歌い、踊るゆう子さんに自分の見せ方をわきまえてる他のメンバーさん。
(やっぱりすごいな………。)
キラキラした光と音に思わず見とれてしまう。
時々、眞を見ると。
揺れる髪から覗くピアス。
やはり、あれは私の物。
撮影したものを画面で見ると、やはり迫力が違う。
カメラ目線になった眞の艶やかな視線に、また心臓が跳ねる。
まるで、直接視線を交わしてるみたいに。
「…………さん、椎名さん?」
画面に集中してしまい、話しかけられてることに気付かなかった。
「あっ、はい。すみません、何ですか?」
眞に見とれてた自分に少しだけ恥ずかしくなりながら、思考を切り替えると。
監督さんからの撮り方の提案など話してくれて。
眞のことを考えてるとどうしても仕事を忘れてしまいそうになる自分を反省する。
休みなく撮影は続き、気付けば時計はお昼をさそうとしていた。
「では、これで午前中は終了にしましょう。」
わーい!
と、また楽しそうなメンバーさん達が楽屋に戻っていくのを見送って、スタッフさん達に挨拶をして、私はスタジオを出た。
朝、スタジオに入るとき、確か近くにカフェがあった。
(眞達に差し入れしよう………。)
メンバーさんの好みがわからないからコーヒーやカフェラテ、紅茶などを組み合わせて用意してもらうと、またスタジオに戻っていく。
エレベーターに乗りながらまだズキズキ痛む足を見れば、少しだけ腫れていて。
(今日が終わればお休みだから、今日は痛くても我慢!!)
自分に言い聞かせて顔を上げると、ちょうど和楽器バンドの楽屋のある階に着いた。
-コンコン-
「すみません、椎名です。」
ノックをすると、パタパタと走る音と、ドアが開いた隙間からゆう子さんが覗く。
「あ!浅葱さん!!いらっしゃい♪どうしました?」
丁度ごはんを食べていたのか、モグモグしていて。
「あ、お食事中すみません、コーヒーとか、良かったら、どうぞ♪」
袋に入ったコーヒーを見せるとゆう子さんの目が輝いて、ドアを開けてくれた。
「わぁ~♪ありがたい~♪♪今みんなごはん食べてるから入って~♪一緒にたべましょ!」
袋を受け取ってくれるゆう子さんに促されて中に行こうと思ったけど、私はお昼を用意してなかったから。
「すみません、私、自分のお昼忘れてました。外で買ってきますから大丈夫ですよ。」
失礼します、と行こうとした時。
「お昼なら余ってるよ~」
たぶん、仕出しのサンドイッチを片手においでおいでをするのは亜沙さん。
「いや、でも………」
さすがに悪いと思っていると。
「余ってるならもったいないもんね~♪」
行こ♪と、ゆう子さんは喜びながら腕を引っ張る。
申し訳ないとは思ったけど。
足が痛いから少しだけ休みたくて。
「じゃあ、お邪魔します………。」
ペコリと頭を下げて、ゆう子さんに促されるままゆう子さんの食べていたお弁当の席の横に座らされると、亜沙さんはサンドイッチを持ってきてくれて、山葵さんはお茶を出してくれて、ゆう子さんはコーヒーを振りまいて戻ってくる。
目の前の席には、携帯でゲームをしながらサンドイッチを頬張る眞の姿。
それだけで緊張してしまうけど。
私が座った周りには自然にメンバーさんが寄ってきてくれて、色々はなしてくれる。
それだけでも、少しほっとする。
「ぷはぁ、いっぱい食べた♪」
食後の紅茶を飲みながら、ゆう子さんが携帯をいじっていると。
「あ!!浅葱さん、一緒に写メ撮ろう♪」
SNSに上げたいと、ゆう子さんは携帯を見せてくれる。
撮るのは慣れてるけど、撮られるのは慣れてない…………。
「おー、いいね~♪俺も入る~♪」
亜沙さんや神永さんが、たのしそうに集まり始めて、断れる雰囲気じゃなくなる。
マネージャーさんが、撮ってくれることになり、壁を背にして、ゆう子さんと隣同士で寄り添うと、山葵さんや神永さん達は前に座る。
(撮られることに慣れてるな(笑))
そんな光景を微笑ましく見てると、そっと私の開いた隣に人の気配を感じて。
「俺も~」
楽しそうな眞が真横に来た。
びっくりはしたけど。
記念写真だしね。
言い聞かせて正面を見てると。
不意に後ろに回していた自分の手を握る手。
びっくりして顔を上げると。
「ほら、写真撮るから、前向いてください?」
眞は、嬉しそうに。
カメラを見たまま私にそう言って。
でも。
この手の感触は、眞で。
二人にぴったり寄り添われてるから。
繋いだ手は見えない。
痛いくらい高鳴る心臓を感じながら。
それでも嬉しくて。
繋いだ手を、そっと握り返す。
話せなくてもいい。
今、誰にも見られていない、
この手の温もりだけ。
疲れた私を癒してくれる。
あっと言う間に離れてしまった手だけど。
写真に写る私の耳は赤く、
眞は、それ以上に嬉しそうな顔をしていた………。