和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
ハロ/ハワユ
君の名前は?
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[十字架のピアス]
「………はぁ………。」
賑やかな楽屋の中、ソシャゲをしていた手を止めて携帯を置く。
今までゲームをしてればそれなりに時間も潰れたし、楽しめたのに。
望む相手からの連絡のない携帯はなんとなくつまらなくて。
メール欄を見返して見れば、残っているのは浅葱からの
『歌ってくれてありがとう……。』
の文字だけ。
返そうと思えばいつだって返事できたはずなのに。
タイミングをずらしてしまったら
逆に何て送って良いのかわからなくなる。
(浅葱、今頃何してるかな……?)
今日は京都にCMの撮影で来ている。
バンドとしてCMなんて珍しいけど。
メンバーはみんな楽しそうにしている。
ギターを取り出し、なんとなく音を奏でてみるけど。
それは歌でもなく、ただの『音』。
ぼんやりと鏡に写る自分を見ながら、浅葱のことを考え音を奏でる。
耳にはダイヤで飾られた十字架のピアス。
あの日、浅葱が帰った後にベッドで見つけた。
浅葱が付けてたのと同じだから忘れてったんだろうと。
(これを付けてたら気づいてくれるかな………。)
どこかで俺を見つけて気付いて欲しかった。
また、あの唇に触れたいとすら思う。
「CMの企画会社の担当さん、すげー美人らしいよ?」
「まじで?見たい♪」
聖志と亜沙が楽しそうに話してるけど。
俺が見たいのは美人じゃなくて、浅葱の笑顔。
あの日から何回か夢にも見たけど。
浅葱はいつもポロポロと泣いていて。
あの日も可愛いと思ったけど。
やっぱり笑ってほしい。
俺を見て…………。
「失礼します。
ゆう子さん、企画会社の方がお見えです。」
ノックとともにマネージャーが顔を覗かせた。
聖志達はその声に一気に視線を向けたけど。
入ってきたのはハゲの偉そうなやつと、仕事のできそうな男。
「はーい!まっちも来てー!」
元気なゆう子の声に呼ばれてハイハイ、と立ち上がり入り口に向かう。
「いやぁ、初めまして。今回のCMの企画をさせて頂きました。本日はよろしくお願いいたします!」
いかにも、自分が企画しましたみたいに偉そうに喋るハゲに、ゆう子が握手して挨拶している。
「今回のCMの段取りなどは、ここにいる椎名浅葱が担当します。椎名、入ってこい。」
仕事のできそうな男が名前を呼んだ瞬間、ハッとした。
浅葱なんて名前、早々ない。
入ってきた姿に息が止まるかと思った。
「初めまして。今回担当させて頂きます、椎名と申します。よろしくお願いいたします。」
入ってきた浅葱はペコリと頭を下げて。
間違いなく、自分がずっと会いたいと思ってた人。
顔を上げた時、目が合ったけど。
やはり、あの日とは違う、凜とした姿。
(やっぱり、仕事だもんな………。)
なるべく表情を戻していると、ゆう子は嬉しそうに浅葱と握手をする。
「初めまして!ご存知かとは思いますが、鈴華ゆう子です!」
「………初めまして。町屋です。」
それしか言葉が出なかった。
しばらくお偉いさんと話していると、浅葱
はスタッフに呼ばれてスタジオに行ってしまった。
俺も解放されてテーブルにもどると。
「まっち、美人だったでしょ?」
聖志が嬉しそうに聞いてくる。
「………そうだな………。」
会えて嬉しい。
でも、俺は『和楽器バンド』の『町屋』だし、
浅葱は企画会社の担当として、仕事で来ている。
気軽に話しかけられる雰囲気じゃない。
ため息をつきながら携帯を開けば、さっきまで眺めていた浅葱のメール欄。
(………やばい………)
浅葱と話したい。
マドレーヌも美味しかった。
そう伝えたかったのに………。
『…………浅葱に、触れたい……』
気づけば送信してしまったメールに自分で驚く。
取り消したくてもメール欄には「送信済み」の文字。
(どうするかな………。)
携帯を持ったまま固まっているとスタッフが入ってきた。
「みなさん、そろそろスタジオの方に移動お願いします。」
ぞろぞろと楽しそうに動きだすメンバーに、諦めて携帯をバックにしまい、ギターを持った。
(あとで、少しでも話しかけられそうだったら、話しをしよう………。)
ため息を飲み込み、顔を上げて楽屋を出た。
「………はぁ………。」
賑やかな楽屋の中、ソシャゲをしていた手を止めて携帯を置く。
今までゲームをしてればそれなりに時間も潰れたし、楽しめたのに。
望む相手からの連絡のない携帯はなんとなくつまらなくて。
メール欄を見返して見れば、残っているのは浅葱からの
『歌ってくれてありがとう……。』
の文字だけ。
返そうと思えばいつだって返事できたはずなのに。
タイミングをずらしてしまったら
逆に何て送って良いのかわからなくなる。
(浅葱、今頃何してるかな……?)
今日は京都にCMの撮影で来ている。
バンドとしてCMなんて珍しいけど。
メンバーはみんな楽しそうにしている。
ギターを取り出し、なんとなく音を奏でてみるけど。
それは歌でもなく、ただの『音』。
ぼんやりと鏡に写る自分を見ながら、浅葱のことを考え音を奏でる。
耳にはダイヤで飾られた十字架のピアス。
あの日、浅葱が帰った後にベッドで見つけた。
浅葱が付けてたのと同じだから忘れてったんだろうと。
(これを付けてたら気づいてくれるかな………。)
どこかで俺を見つけて気付いて欲しかった。
また、あの唇に触れたいとすら思う。
「CMの企画会社の担当さん、すげー美人らしいよ?」
「まじで?見たい♪」
聖志と亜沙が楽しそうに話してるけど。
俺が見たいのは美人じゃなくて、浅葱の笑顔。
あの日から何回か夢にも見たけど。
浅葱はいつもポロポロと泣いていて。
あの日も可愛いと思ったけど。
やっぱり笑ってほしい。
俺を見て…………。
「失礼します。
ゆう子さん、企画会社の方がお見えです。」
ノックとともにマネージャーが顔を覗かせた。
聖志達はその声に一気に視線を向けたけど。
入ってきたのはハゲの偉そうなやつと、仕事のできそうな男。
「はーい!まっちも来てー!」
元気なゆう子の声に呼ばれてハイハイ、と立ち上がり入り口に向かう。
「いやぁ、初めまして。今回のCMの企画をさせて頂きました。本日はよろしくお願いいたします!」
いかにも、自分が企画しましたみたいに偉そうに喋るハゲに、ゆう子が握手して挨拶している。
「今回のCMの段取りなどは、ここにいる椎名浅葱が担当します。椎名、入ってこい。」
仕事のできそうな男が名前を呼んだ瞬間、ハッとした。
浅葱なんて名前、早々ない。
入ってきた姿に息が止まるかと思った。
「初めまして。今回担当させて頂きます、椎名と申します。よろしくお願いいたします。」
入ってきた浅葱はペコリと頭を下げて。
間違いなく、自分がずっと会いたいと思ってた人。
顔を上げた時、目が合ったけど。
やはり、あの日とは違う、凜とした姿。
(やっぱり、仕事だもんな………。)
なるべく表情を戻していると、ゆう子は嬉しそうに浅葱と握手をする。
「初めまして!ご存知かとは思いますが、鈴華ゆう子です!」
「………初めまして。町屋です。」
それしか言葉が出なかった。
しばらくお偉いさんと話していると、浅葱
はスタッフに呼ばれてスタジオに行ってしまった。
俺も解放されてテーブルにもどると。
「まっち、美人だったでしょ?」
聖志が嬉しそうに聞いてくる。
「………そうだな………。」
会えて嬉しい。
でも、俺は『和楽器バンド』の『町屋』だし、
浅葱は企画会社の担当として、仕事で来ている。
気軽に話しかけられる雰囲気じゃない。
ため息をつきながら携帯を開けば、さっきまで眺めていた浅葱のメール欄。
(………やばい………)
浅葱と話したい。
マドレーヌも美味しかった。
そう伝えたかったのに………。
『…………浅葱に、触れたい……』
気づけば送信してしまったメールに自分で驚く。
取り消したくてもメール欄には「送信済み」の文字。
(どうするかな………。)
携帯を持ったまま固まっているとスタッフが入ってきた。
「みなさん、そろそろスタジオの方に移動お願いします。」
ぞろぞろと楽しそうに動きだすメンバーに、諦めて携帯をバックにしまい、ギターを持った。
(あとで、少しでも話しかけられそうだったら、話しをしよう………。)
ため息を飲み込み、顔を上げて楽屋を出た。