和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Strong Fate
君の名前は?
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【残響の中でみる幻影】
あの人が居なかったら、私はそこに居られたのに………
ぼんやりと………
鉄格子の向こうでは、鳥達が楽しそうに鳴いている。
全て、終わった………。
いや、始まってもいなかったけど。
昔から、どんくさくて、可愛いくも、美人でもなく。
なんの取り柄もなくて。
「アンタは取り柄ないんだから勉強くらい一番でできるようになりなさい!」
親からは誉められたことなんてない。
「蓮、掃除しといて~」
「なんでも蓮に任せておけばいいのよ♪
あいつどんくさいから、ムカつくのよ。」
友達と言える友達なんて、居なかった。
何も無い私は、
【和楽器バンド】
の曲しか、楽しめるものが無かった。
町屋さんの作る曲の世界観は、
いつも圧倒されてて。
いつか、あの人の近くで仕事がしたかった。
だから。
必死に勉強して、美容師の資格を取った。
町屋さんが来る店も知ってたから、そこに就職した。
たまに来る、町屋さんはとてもカッコ良くて。
近くで見れるだけでも幸せだった。
それでも、何の取り柄もない私は、その店でもまともな扱いを受けれるわけもなく。
町屋さんのシャンプーに入れた時に辞めようと思っていることを話した。
「せっかく慣れたのに、もったいないな。
行く場所がなければ、うちに来れば?」
丁度、バンドの方で専属のヘアメイクを探していたらしい。
嬉しかった。
誘ってもらえたことが。
町屋さんの近くに居られるなら何でも良かった。
ある日。
町屋さんの胸には、蓮(はす)の花のタトゥーが入ったと話題になっていた。
スタッフに囲まれて、楽しそうに話している所に行くと
「蓮の花のタトゥー入れたんですね。」
髪をセットしながら、タトゥーの話をする。
町屋さんは嬉しそうに。
「そだよ。キレイでしょ?
あ、蓮の名前と同じ花たな。」
そう言ってくれた。
嫌いだった私の名前を体に刻んでくれた。
すごく、嬉しかった。
ずっと、あなたと一緒に居られるなんて。
この上ない幸せ。
でも。
町屋さんはとてもカッコ良いから。
常に周りには女の子がいた。
それは、悔しかった。
みんな、美人だし、可愛い。
町屋さんに相手にしてもらわなくても、他にいくらでも相手は居るのに…………。
悔しいから、悪戯をした。
初めは、手紙。
その後に軽い怪我をさせたり。
大概の女は、それで町屋さんからは離れていった。
そんな、ある日。
町屋さんは失踪した。
なんの前触れもなく。
そして、しばらくして帰ってきた。
メンバーに連れ戻されたらしい。
久しぶりに見た町屋さんは
その場に心が無いみたいに。
でも、だんだんと。
元気を取り戻していった。
髪の毛のセット中、たまに大切そうに見るしおり。
メイクのスタッフと楽しそうに話してる。
「それを町屋さんにあげた人は本当に町屋さんのこと好きなんですね♪」
愛しそうにそれを見る町屋さんを見て、それを送った相手には憎悪しかなかった。
その後。
スタッフの間で町屋さんに彼女ができたと話になった。
信じられなかったけど。
しばらくして、町屋さんはちょくちょく現場にも連れてくるようになった。
ゆう子さんや、メンバーにちやほやされて、嬉しそうに。
あの日、湖の桟橋で寄り添うように手を重ね笑い合う二人を見たとき。
許さないと思った………。
「面会だ。出なさい。」
看守が、鍵を開けて覗き込む。
返事もせず、立ち上がり看守について歩いていく。
案内されたのは、テレビで見るようなガラス張りの部屋の向こう側には、スーツを着た男性と、町屋さんが真剣な表情で座ってた。
何も言わずに目の前に座る。
ただの沈黙。
「初めまして。私は和楽器バンド側の弁護士をさせていただいてます。」
挨拶を聞き、ぼんやりと手錠を見る。
返事なんて、する気ない。
「浅葱さん、神永さん、及びスタッフの事故につきまして、全て認められたそうですね。今後、訴訟になりますので、ご挨拶にきました。」
そうか、私は犯罪者として、認められたんだと。
ぼんやり考えていた。
「そうですか………。」
小さな声で返事をすると。
そっと町屋さんを見る。
とても冷たい目。
何も言わないんだと。
ぼんやり考えていると。
-トントン-
向こう側のドアがノックされた。
ドアが開き、町屋さんたちは振り向き
私も、そちらを見て
固まった。
「浅葱!なんでここに!?」
ドアから入ってきたのは。
ゆう子さんに車椅子を押されて入ってきた、あの女。
町屋さんは立ち上がり、近寄ったけど。
落ち着いた様子で
「大丈夫だから。」
と、肩に置かれた手を取り、町屋さんに向かって笑った。
顔も、体も、傷だらけ。
私の姿を笑いに来たのか………。
睨みつけながら、見ていると。
ゆっくりと車椅子で目の前まで来た。
「今さら何ですか?
笑いに来たんですか?」
訴えられ、犯罪者になるなら、わざわざこちらに来なくてもいいハズなのに。
なのに。女は笑うことなく。
私の目をしっかりと見て、話はじめた。
「あなたが、どれだけ町屋を大切にしていたかを楓さんから聞きました。
ずっと、町屋の為に動いてきたんですね。」
楓さんには、時々話していた。
でも、それを聞いたところでなんだと言うのか。
「あなたが町屋を守る為に自分なりのやり方で守っていたのはわかりました。
でも、やり方が間違ってた。」
「………そんなの、知ってる。」
痛いほど、今になってわかってる。
だから、言われる事が嫌だった。
「好きな人を大切に思うなら、自分のやりたいようにやるんじゃない。
好きな人に悲しい顔をさせないやり方を選びなさいよ!」
今まで見たこと無いくらい、怒りに満ちた顔だった。
町屋さんも、突然の大声にびっくりしている。
「あなたが、どれだけ私を嫌っても憎んでも構わない。
だけど、私以外を攻撃するなら、今後もあなたを許さない。
どんな手を使っても、止めてみせるから。」
あまりにハッキリした怒りに、声が出ない。
ふぅ、とため息をついて背もたれに背を着けると、大きな声を出してごめんなさいと、周りに謝っていた。
「私が伝えたかったことはそれだけです。
帰ります。」
そう言ってゆう子さんに車椅子を引いてもらって出ていこうとしたとき。
「あっ、」
何かを思い出したかのように車椅子を止めて振り返った。
「弁護士さん、私が怪我したのは事故であって、蓮さんは関係ありません。
私が勝手に転んだだけですか。」
その女の発言に、町屋さんも弁護士も固まっていた。
「な、何を言ってるんですか!?あれは、立派な事件ですよ!」
「そうだよ!」
慌てる二人をよそに、その女は笑った。
「私、ドジですから。じゃあ、先に帰ります。」
失礼しました。
そう言って、ペコリと挨拶をして出ていった。
再び訪れた静寂。
「そうゆうことです。
でも、他にもありますから。
今後、またご連絡させていただきます。」
そう言うと、弁護士も町屋さんも立ち上がった。
出ていく様を見ていると、町屋さんが振り返った。
「悪いけど。
俺は………お前に一度も恋愛感情を抱いたことはない。
それから。浅葱に何かするなら、俺が許さないから。」
それだけ言うと、部屋から出ていき、ドアか閉まった。
あぁ………やっと終わった……。
嫌われても、貴方の中に残れるなら、それでいい………。
ポタポタと、涙が溢れて止まらなかった。
あぁ、神様。
これからの町屋さんの未来に、幸多からんことを…………。
心から祈ります………。
私は、貴方が好きでした…………。
あの人が居なかったら、私はそこに居られたのに………
ぼんやりと………
鉄格子の向こうでは、鳥達が楽しそうに鳴いている。
全て、終わった………。
いや、始まってもいなかったけど。
昔から、どんくさくて、可愛いくも、美人でもなく。
なんの取り柄もなくて。
「アンタは取り柄ないんだから勉強くらい一番でできるようになりなさい!」
親からは誉められたことなんてない。
「蓮、掃除しといて~」
「なんでも蓮に任せておけばいいのよ♪
あいつどんくさいから、ムカつくのよ。」
友達と言える友達なんて、居なかった。
何も無い私は、
【和楽器バンド】
の曲しか、楽しめるものが無かった。
町屋さんの作る曲の世界観は、
いつも圧倒されてて。
いつか、あの人の近くで仕事がしたかった。
だから。
必死に勉強して、美容師の資格を取った。
町屋さんが来る店も知ってたから、そこに就職した。
たまに来る、町屋さんはとてもカッコ良くて。
近くで見れるだけでも幸せだった。
それでも、何の取り柄もない私は、その店でもまともな扱いを受けれるわけもなく。
町屋さんのシャンプーに入れた時に辞めようと思っていることを話した。
「せっかく慣れたのに、もったいないな。
行く場所がなければ、うちに来れば?」
丁度、バンドの方で専属のヘアメイクを探していたらしい。
嬉しかった。
誘ってもらえたことが。
町屋さんの近くに居られるなら何でも良かった。
ある日。
町屋さんの胸には、蓮(はす)の花のタトゥーが入ったと話題になっていた。
スタッフに囲まれて、楽しそうに話している所に行くと
「蓮の花のタトゥー入れたんですね。」
髪をセットしながら、タトゥーの話をする。
町屋さんは嬉しそうに。
「そだよ。キレイでしょ?
あ、蓮の名前と同じ花たな。」
そう言ってくれた。
嫌いだった私の名前を体に刻んでくれた。
すごく、嬉しかった。
ずっと、あなたと一緒に居られるなんて。
この上ない幸せ。
でも。
町屋さんはとてもカッコ良いから。
常に周りには女の子がいた。
それは、悔しかった。
みんな、美人だし、可愛い。
町屋さんに相手にしてもらわなくても、他にいくらでも相手は居るのに…………。
悔しいから、悪戯をした。
初めは、手紙。
その後に軽い怪我をさせたり。
大概の女は、それで町屋さんからは離れていった。
そんな、ある日。
町屋さんは失踪した。
なんの前触れもなく。
そして、しばらくして帰ってきた。
メンバーに連れ戻されたらしい。
久しぶりに見た町屋さんは
その場に心が無いみたいに。
でも、だんだんと。
元気を取り戻していった。
髪の毛のセット中、たまに大切そうに見るしおり。
メイクのスタッフと楽しそうに話してる。
「それを町屋さんにあげた人は本当に町屋さんのこと好きなんですね♪」
愛しそうにそれを見る町屋さんを見て、それを送った相手には憎悪しかなかった。
その後。
スタッフの間で町屋さんに彼女ができたと話になった。
信じられなかったけど。
しばらくして、町屋さんはちょくちょく現場にも連れてくるようになった。
ゆう子さんや、メンバーにちやほやされて、嬉しそうに。
あの日、湖の桟橋で寄り添うように手を重ね笑い合う二人を見たとき。
許さないと思った………。
「面会だ。出なさい。」
看守が、鍵を開けて覗き込む。
返事もせず、立ち上がり看守について歩いていく。
案内されたのは、テレビで見るようなガラス張りの部屋の向こう側には、スーツを着た男性と、町屋さんが真剣な表情で座ってた。
何も言わずに目の前に座る。
ただの沈黙。
「初めまして。私は和楽器バンド側の弁護士をさせていただいてます。」
挨拶を聞き、ぼんやりと手錠を見る。
返事なんて、する気ない。
「浅葱さん、神永さん、及びスタッフの事故につきまして、全て認められたそうですね。今後、訴訟になりますので、ご挨拶にきました。」
そうか、私は犯罪者として、認められたんだと。
ぼんやり考えていた。
「そうですか………。」
小さな声で返事をすると。
そっと町屋さんを見る。
とても冷たい目。
何も言わないんだと。
ぼんやり考えていると。
-トントン-
向こう側のドアがノックされた。
ドアが開き、町屋さんたちは振り向き
私も、そちらを見て
固まった。
「浅葱!なんでここに!?」
ドアから入ってきたのは。
ゆう子さんに車椅子を押されて入ってきた、あの女。
町屋さんは立ち上がり、近寄ったけど。
落ち着いた様子で
「大丈夫だから。」
と、肩に置かれた手を取り、町屋さんに向かって笑った。
顔も、体も、傷だらけ。
私の姿を笑いに来たのか………。
睨みつけながら、見ていると。
ゆっくりと車椅子で目の前まで来た。
「今さら何ですか?
笑いに来たんですか?」
訴えられ、犯罪者になるなら、わざわざこちらに来なくてもいいハズなのに。
なのに。女は笑うことなく。
私の目をしっかりと見て、話はじめた。
「あなたが、どれだけ町屋を大切にしていたかを楓さんから聞きました。
ずっと、町屋の為に動いてきたんですね。」
楓さんには、時々話していた。
でも、それを聞いたところでなんだと言うのか。
「あなたが町屋を守る為に自分なりのやり方で守っていたのはわかりました。
でも、やり方が間違ってた。」
「………そんなの、知ってる。」
痛いほど、今になってわかってる。
だから、言われる事が嫌だった。
「好きな人を大切に思うなら、自分のやりたいようにやるんじゃない。
好きな人に悲しい顔をさせないやり方を選びなさいよ!」
今まで見たこと無いくらい、怒りに満ちた顔だった。
町屋さんも、突然の大声にびっくりしている。
「あなたが、どれだけ私を嫌っても憎んでも構わない。
だけど、私以外を攻撃するなら、今後もあなたを許さない。
どんな手を使っても、止めてみせるから。」
あまりにハッキリした怒りに、声が出ない。
ふぅ、とため息をついて背もたれに背を着けると、大きな声を出してごめんなさいと、周りに謝っていた。
「私が伝えたかったことはそれだけです。
帰ります。」
そう言ってゆう子さんに車椅子を引いてもらって出ていこうとしたとき。
「あっ、」
何かを思い出したかのように車椅子を止めて振り返った。
「弁護士さん、私が怪我したのは事故であって、蓮さんは関係ありません。
私が勝手に転んだだけですか。」
その女の発言に、町屋さんも弁護士も固まっていた。
「な、何を言ってるんですか!?あれは、立派な事件ですよ!」
「そうだよ!」
慌てる二人をよそに、その女は笑った。
「私、ドジですから。じゃあ、先に帰ります。」
失礼しました。
そう言って、ペコリと挨拶をして出ていった。
再び訪れた静寂。
「そうゆうことです。
でも、他にもありますから。
今後、またご連絡させていただきます。」
そう言うと、弁護士も町屋さんも立ち上がった。
出ていく様を見ていると、町屋さんが振り返った。
「悪いけど。
俺は………お前に一度も恋愛感情を抱いたことはない。
それから。浅葱に何かするなら、俺が許さないから。」
それだけ言うと、部屋から出ていき、ドアか閉まった。
あぁ………やっと終わった……。
嫌われても、貴方の中に残れるなら、それでいい………。
ポタポタと、涙が溢れて止まらなかった。
あぁ、神様。
これからの町屋さんの未来に、幸多からんことを…………。
心から祈ります………。
私は、貴方が好きでした…………。