和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Strong Fate
君の名前は?
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【子猫の行方】
スタジオを飛び出してから。
途中まで走ってみたけど。
食事も取らない、睡眠もほぼ取ってない。
こんな状態で全力疾走した結果。
途中で息が上がりすぎて。
(………ちょっと休憩………。)
真っ白な頭で楓さんの所に行って、何から話せば良いかわからない。
一度立ち止まり、コーヒーを買うと、タバコを吸いながら、公園のベンチに座る。
夕方になったばかりの公園には、まだ、歩き始めたような子や、元気に走り回る幼稚園くらいの子。
タバコの煙が行かないように、隅のベンチに移り、タバコを吸い終わると、コーヒーを飲んだ。
カラカラに乾いた喉に、冷たいコーヒーが気持ちいい。
(よし、迎えに行かなきゃ………)
ゴミ箱に缶を捨て、また立ち上がった。
まだ、
君はあのベランダで泣いてるの………?
すぐにでも、抱き締めたい………。
そんなに離れた場所じゃないのに。
いつもより何倍も遠く感じた。
階段を上り、お店のドアを乱暴に開けると。
そこには、開店準備をしている楓さんの姿。
「まっち?まだ開店前よ?」
息を切らしながら、カウンターに歩み寄る。
「楓さん…………浅葱は………?」
何のこと?
そんな表情で水を出してくれる。
「浅葱が居なくなったんだ………。」
何から話せば良いかわからなくて、カウンターの椅子に腰かける。
「知ってるわよ。」
楓さんは、呆れた顔でグラスを拭いてる。
「俺が、何も知らなくて………。
よく考えれば、あれが事故じゃないことくらいわかったのに………。
浅葱は俺のこと守ろうとしてたのに。
俺は、勝手に勘違いして、浅葱に話させないほどキレて………。」
グラスを拭き終えると、楓さんはコーヒーを飲みながらタバコに火をつける。
返事は返ってこないけど、聞いてはくれている。
「俺が………守るって言ったのに………。
守りたかったのに………。
もう、手を離さないって約束したのに………。
離した………。」
俺も、ポケットからタバコを出す。
このままじゃ、泣きそうだったから………。
「浅葱に………会いたい………。」
ポソリと、うつむき呟くと。
「………はぁ………。」
楓さんは盛大なため息とともに、煙を吐き出した。
「…………だ、そうよ?
どうなの?子猫ちゃん………?」
その言葉に驚き、顔を上げた。
楓さんは呆れた顔で俺を見たまま。
すると。
楓さんの後ろにある奥の部屋に続くカーテンが少し揺れ、楓さんの後ろから、ゆっくりと、「子猫」が姿を表した。
「浅葱………。」
浅葱は、目に溢れんばかりの涙を溜めて、両手をぐっと握っている。
「何も………説明しないで居なくなって………
ごめんなさい………。」
浅葱はゆっくりと、カウンターを通ってこちらに近付いてくる。
俺は椅子から立ち上がると、迷わず浅葱の元に近づく。
でも、どうしたらいいかわからなくて。
手だけが、震える………。
「浅葱………。」
頬に触れれば。
目に溜まった涙がポロポロと溢れていく。
「浅葱………。いっぱい、怖い思いさせてごめん………。俺のこと、仕事も………。
守ってくれて、ありがとう………。」
溢れる涙を両手で拭うと。
浅葱は、
何も言わずに俺の服を掴んで、胸に顔を埋めた。
暖かい………。
あの日、ブランケットを掛けてくれたのが浅葱だったのも、やっとわかった。
あのブランケットの匂いは、やっぱり浅葱だったんだ………。
やっと見つけた子猫が愛しくて。
痩せてしまった浅葱を力いっぱい抱き締めた。
あぁ、心臓が痛い………。
こんなに一人の女性を抱き締めて心臓が苦しいと思ったのは初めてかもしれない。
「………そろそろ、開店時間なんだけど?」
コホン、と咳払いをすると、状況を見ていた楓さんが睨んだ。
「今すぐ泣き止んで店の客になるか、客にならないならとっとと帰ってくれるか、どっちかにしてくれない?」
終止、楓さんは呆れてたけど。
タバコを咥えたまま、そっとコーヒーとカフェラテを出してくれた。
「楓さん、浅葱のこと、守ってくれてありがとう。」
お礼を言うと、やっと泣き止んだ浅葱に冷えたおしぼりを渡して。
「守ったんじゃないわよ。
子猫が、勝手に迷い込んできただけ。
あんた達、スープできてるから食べていきなさい。浅葱はとくによ!
最近食べてないんだから。」
お母さんのように、厳しくも優しい楓さんに、泣いていた浅葱も笑う。
俺も、久しぶりにお腹が空いたことに気付いて。
少しの間だけ、楓さんの説教を聞きながら、笑っていた。
今日は、ゆっくり眠ろう。
浅葱を抱き締めて。
この温もりだけは、離しちゃいけない。
だから、戻ってきてくれて
ありがとう………。
スタジオを飛び出してから。
途中まで走ってみたけど。
食事も取らない、睡眠もほぼ取ってない。
こんな状態で全力疾走した結果。
途中で息が上がりすぎて。
(………ちょっと休憩………。)
真っ白な頭で楓さんの所に行って、何から話せば良いかわからない。
一度立ち止まり、コーヒーを買うと、タバコを吸いながら、公園のベンチに座る。
夕方になったばかりの公園には、まだ、歩き始めたような子や、元気に走り回る幼稚園くらいの子。
タバコの煙が行かないように、隅のベンチに移り、タバコを吸い終わると、コーヒーを飲んだ。
カラカラに乾いた喉に、冷たいコーヒーが気持ちいい。
(よし、迎えに行かなきゃ………)
ゴミ箱に缶を捨て、また立ち上がった。
まだ、
君はあのベランダで泣いてるの………?
すぐにでも、抱き締めたい………。
そんなに離れた場所じゃないのに。
いつもより何倍も遠く感じた。
階段を上り、お店のドアを乱暴に開けると。
そこには、開店準備をしている楓さんの姿。
「まっち?まだ開店前よ?」
息を切らしながら、カウンターに歩み寄る。
「楓さん…………浅葱は………?」
何のこと?
そんな表情で水を出してくれる。
「浅葱が居なくなったんだ………。」
何から話せば良いかわからなくて、カウンターの椅子に腰かける。
「知ってるわよ。」
楓さんは、呆れた顔でグラスを拭いてる。
「俺が、何も知らなくて………。
よく考えれば、あれが事故じゃないことくらいわかったのに………。
浅葱は俺のこと守ろうとしてたのに。
俺は、勝手に勘違いして、浅葱に話させないほどキレて………。」
グラスを拭き終えると、楓さんはコーヒーを飲みながらタバコに火をつける。
返事は返ってこないけど、聞いてはくれている。
「俺が………守るって言ったのに………。
守りたかったのに………。
もう、手を離さないって約束したのに………。
離した………。」
俺も、ポケットからタバコを出す。
このままじゃ、泣きそうだったから………。
「浅葱に………会いたい………。」
ポソリと、うつむき呟くと。
「………はぁ………。」
楓さんは盛大なため息とともに、煙を吐き出した。
「…………だ、そうよ?
どうなの?子猫ちゃん………?」
その言葉に驚き、顔を上げた。
楓さんは呆れた顔で俺を見たまま。
すると。
楓さんの後ろにある奥の部屋に続くカーテンが少し揺れ、楓さんの後ろから、ゆっくりと、「子猫」が姿を表した。
「浅葱………。」
浅葱は、目に溢れんばかりの涙を溜めて、両手をぐっと握っている。
「何も………説明しないで居なくなって………
ごめんなさい………。」
浅葱はゆっくりと、カウンターを通ってこちらに近付いてくる。
俺は椅子から立ち上がると、迷わず浅葱の元に近づく。
でも、どうしたらいいかわからなくて。
手だけが、震える………。
「浅葱………。」
頬に触れれば。
目に溜まった涙がポロポロと溢れていく。
「浅葱………。いっぱい、怖い思いさせてごめん………。俺のこと、仕事も………。
守ってくれて、ありがとう………。」
溢れる涙を両手で拭うと。
浅葱は、
何も言わずに俺の服を掴んで、胸に顔を埋めた。
暖かい………。
あの日、ブランケットを掛けてくれたのが浅葱だったのも、やっとわかった。
あのブランケットの匂いは、やっぱり浅葱だったんだ………。
やっと見つけた子猫が愛しくて。
痩せてしまった浅葱を力いっぱい抱き締めた。
あぁ、心臓が痛い………。
こんなに一人の女性を抱き締めて心臓が苦しいと思ったのは初めてかもしれない。
「………そろそろ、開店時間なんだけど?」
コホン、と咳払いをすると、状況を見ていた楓さんが睨んだ。
「今すぐ泣き止んで店の客になるか、客にならないならとっとと帰ってくれるか、どっちかにしてくれない?」
終止、楓さんは呆れてたけど。
タバコを咥えたまま、そっとコーヒーとカフェラテを出してくれた。
「楓さん、浅葱のこと、守ってくれてありがとう。」
お礼を言うと、やっと泣き止んだ浅葱に冷えたおしぼりを渡して。
「守ったんじゃないわよ。
子猫が、勝手に迷い込んできただけ。
あんた達、スープできてるから食べていきなさい。浅葱はとくによ!
最近食べてないんだから。」
お母さんのように、厳しくも優しい楓さんに、泣いていた浅葱も笑う。
俺も、久しぶりにお腹が空いたことに気付いて。
少しの間だけ、楓さんの説教を聞きながら、笑っていた。
今日は、ゆっくり眠ろう。
浅葱を抱き締めて。
この温もりだけは、離しちゃいけない。
だから、戻ってきてくれて
ありがとう………。