和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Strong Fate
君の名前は?
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【点と点が線に……】
「………ふぅ。」
休憩を終えても、思うように指が動かず、良いフレーズができない。
「ここを、こうゆう流れにするとかは?」
ゆう子も気にして提案してくれるけど。
自分の不調とかで妥協したくない。
「いや、それだとその後がつまらなくなるから。」
そっか………。
と、少し困ったように返事をしてまた考え始める。
自分なりに考えるけど良い案なんて出てこない。
どんどん焦りと苛立ちが募ってくる………。
コーヒーを飲みながら、今日も制作は進まないのかと考えてると………。
「はい、今日はもう終わり~!」
黒流が、パチンッと手を叩き、亜沙たちがお疲れ~!
と、片付けを始める。
自分はまだやっていたかったから。
片付けをせずデスクに向かっていた。
「まっちお先~♪」
「お疲れ~。」
それぞれ帰っていくのを手を上げて答える。
「………まっち、ちょっと。」
声に振り返れば。
そこには疲れた顔の黒流が立っていた。
「………何?」
呼ばれて立ち上がると、別の会議室になってる部屋に行こうと言われた。
今はあまり黒流と二人で話したくはないのに………。
そんなことは気にせず、黒流は会議室のドアを開けると入室を促した。
「何か用?
俺、まだやりたいことあるんだけど。」
会議室の椅子に座ろうとした瞬間。
無表情の黒流は俺の襟を掴み、力任せに壁にぶつけられた。
「………カハッ!!」
今の体力じゃ急な衝撃に耐えられるはずもなく。
痛みと苦しみと共に、壁に押さえ込まれた。
「めんどくせぇ………
まっちさ。
お前、いつまで自分がこの世で一番不幸背負ってますってツラしてるつもり?」
黒流の怒りに満ちた顔。
「ちよっと、黒さん!!何やってんの!?」
音に驚いたゆう子が慌てて入ってきた。
「ゆう子は手出さないで。
俺も怪我させるようなことはしないから。」
怒りながらも、冷静な黒流の声に、こちらの苛立ちが募る。
(不幸?お前が言うか?
この不幸を与えたのは誰だよ。)
「………離せよ。」
苛立ちで今にも手を出しそうになる気持ちを押さえてそれだけ言葉にして放つ。
「………離さねぇよ。」
今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に、ゆう子はどうしたらいいかわからない顔をしている。
「何が、不幸なツラだよ。
黒流、お前が言うか?
人の女盗っといて、なに善人面してんの?」
手を振りほどき、その場に座り込む。
押さえつけられたせいで酸素が足りず、深呼吸代わりにタバコを取り出し火をつける。
睨み付ける視線の先には、哀れんだ顔の黒流。
「お前は、浅葱ちゃんが俺の所に来たと思ってるみたいだから、間違いを正してやるよ。
浅葱ちゃんは、俺の所には居ないし、一度だって、あの子の意思で俺の所に来たことはないよ。」
耳を疑った。
あんなに匂いを付けるほど一緒に居たのに、黒流の所に居ないのか………?
「お前がどんどん仕事が忙しくなって、浅葱ちゃんが一人になることも多くなって。危ないから仕事帰りに何度か送った。それも、俺が勝手に。それだけだ。」
タバコを吸う手が震える。
聞いてることに、色々な疑問がありすぎて。
それでも、黒流は話を止めなかった。
「なぁ、お前は、浅葱ちゃんがガラス浴びたことも、ギターの弦が変えたばかりで切れたことも、大さんや、スタッフが怪我したことも、全部事故だと思ってんの?」
「………どうゆうことだよ………。」
黒流が、何を知ってるのか。
俺が知らない真実は何なのか。
顔を上げると、しゃがみこんだ黒流は目の前に封筒の束を置いた。
「何これ………?」
「お前が知らなかった真実だよ。全部、浅葱ちゃんに当てられた手紙だ。」
読め、と言われ、タバコを消してそれを手に取る。
宛名のない手紙。
開けて1枚ずつ読んでいくうちに、背中にはかいたことのない冷たい汗が流れていく。
手紙と、血塗れの押し花………。
「………いつから?なんで、浅葱は俺に言わなかった…………。」
きっと、この手紙を見たとき、浅葱は怖かっただろう。
次々と起こることに、どんどん恐怖に怯えただろう………。
なんで…………
「手紙には、まっち、お前に知れたらお前が血を見るって書いてあっただろ?
浅葱ちゃんは、必死にお前を守ろうとしてたんだよ!
お前が仕事に集中できるようにって、笑って隠してたんだよ!
自分が離れればまっちに被害無くなるからって、お前に勘違いさせても離れたんだよ。
お前と仕事を守ったのに、どうしてお前は浅葱ちゃんが守った物をダメにしようとするんだよ!」
本当に黒流は怒っていた。
苦しそうに。
「だって………誰も知らせてくれなかった………。」
手紙を床に落として頭を抱える。
いつ帰ってもご飯を作って待っててくれる。
体調を気にして、少しの変化だって気づいてくれる………。
自分の作る唄を
俺が作るからって理由で好きだと言ってくれる………。
そんな浅葱が、浮気なんてするはずないのに………。
(………浅葱………ごめん………)
悔しくて、涙が出てくる。
「黒さん………。ごめん………。
浅葱のこと守ってくれてたのに………。」
黒さんには、謝ることしかできない。
流れ続ける涙を拭いて顔を上げると、黒さんは安心したように笑ってた。
「でも………それなら、浅葱は、どこに………。」
すぐにでも話したい。
でも、前に一度だけ電話をしたときは、電源が落ちていて繋がらなかった。
「さぁね。俺の所に最後に連絡が来たのは、たぶんまっちの家から出た時だろうけどね。
しばらく離れるから、まっちを守ってくれって。」
そう言ってカチャカチャと携帯を弄ると、目の前に動画の停止画面を見せた。
スタートを押せと。
意味もわからずスタートを押す。
夕日で照らされたベランダに誰かが座ってる。
逆光のせいで、誰かはわからない。
(………何?)
膝を抱えた姿には見覚えがあった。
「………誰……にも……会いたく……ない……日……も……あれば……淋し……くて……仕方……ない……日も……あって………」
泣きながら、途切れ途切れに。
俺の唄を口ずさむ声………。
「黒さん!これ!」
動画を見終わり顔を上げると、携帯を取り上げられた。
「何処に居るかは教えない。
自分のせいで迷子になった子猫くらい、自分で探せ。」
そう言うと、ゆう子を連れて出ていった。
「…………迷子の………子猫………」
聞き覚えのあるフレーズ。
(迷子の子猫を拾ったのよ………。
今のまっちには、見せてあげないけどね(笑))
あの日の楓さんのセリフが蘇る。
頭の中が、急に晴れたみたいに。
スッキリした。
こんなに近くに居たのに。
何度もすれ違ってた。
さっきまで仕事をしていたブースに行くと、まだ二人が居た。
「悪いんだけど、俺、少し出掛けてくる。」
必要な携帯とタバコと財布だけをポケットに入れると二人に言い放った。
「はいはい。」
「今日はもう帰ってこなくて良いから、必ず子猫、見つけてきてね♪」
ゆう子が笑顔で手を振る。
もう二度と離さないって誓った手を離してしまった罪を償う為に、俺ができること。
必ず…………君を見つけてみせるから………。
「………ふぅ。」
休憩を終えても、思うように指が動かず、良いフレーズができない。
「ここを、こうゆう流れにするとかは?」
ゆう子も気にして提案してくれるけど。
自分の不調とかで妥協したくない。
「いや、それだとその後がつまらなくなるから。」
そっか………。
と、少し困ったように返事をしてまた考え始める。
自分なりに考えるけど良い案なんて出てこない。
どんどん焦りと苛立ちが募ってくる………。
コーヒーを飲みながら、今日も制作は進まないのかと考えてると………。
「はい、今日はもう終わり~!」
黒流が、パチンッと手を叩き、亜沙たちがお疲れ~!
と、片付けを始める。
自分はまだやっていたかったから。
片付けをせずデスクに向かっていた。
「まっちお先~♪」
「お疲れ~。」
それぞれ帰っていくのを手を上げて答える。
「………まっち、ちょっと。」
声に振り返れば。
そこには疲れた顔の黒流が立っていた。
「………何?」
呼ばれて立ち上がると、別の会議室になってる部屋に行こうと言われた。
今はあまり黒流と二人で話したくはないのに………。
そんなことは気にせず、黒流は会議室のドアを開けると入室を促した。
「何か用?
俺、まだやりたいことあるんだけど。」
会議室の椅子に座ろうとした瞬間。
無表情の黒流は俺の襟を掴み、力任せに壁にぶつけられた。
「………カハッ!!」
今の体力じゃ急な衝撃に耐えられるはずもなく。
痛みと苦しみと共に、壁に押さえ込まれた。
「めんどくせぇ………
まっちさ。
お前、いつまで自分がこの世で一番不幸背負ってますってツラしてるつもり?」
黒流の怒りに満ちた顔。
「ちよっと、黒さん!!何やってんの!?」
音に驚いたゆう子が慌てて入ってきた。
「ゆう子は手出さないで。
俺も怪我させるようなことはしないから。」
怒りながらも、冷静な黒流の声に、こちらの苛立ちが募る。
(不幸?お前が言うか?
この不幸を与えたのは誰だよ。)
「………離せよ。」
苛立ちで今にも手を出しそうになる気持ちを押さえてそれだけ言葉にして放つ。
「………離さねぇよ。」
今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に、ゆう子はどうしたらいいかわからない顔をしている。
「何が、不幸なツラだよ。
黒流、お前が言うか?
人の女盗っといて、なに善人面してんの?」
手を振りほどき、その場に座り込む。
押さえつけられたせいで酸素が足りず、深呼吸代わりにタバコを取り出し火をつける。
睨み付ける視線の先には、哀れんだ顔の黒流。
「お前は、浅葱ちゃんが俺の所に来たと思ってるみたいだから、間違いを正してやるよ。
浅葱ちゃんは、俺の所には居ないし、一度だって、あの子の意思で俺の所に来たことはないよ。」
耳を疑った。
あんなに匂いを付けるほど一緒に居たのに、黒流の所に居ないのか………?
「お前がどんどん仕事が忙しくなって、浅葱ちゃんが一人になることも多くなって。危ないから仕事帰りに何度か送った。それも、俺が勝手に。それだけだ。」
タバコを吸う手が震える。
聞いてることに、色々な疑問がありすぎて。
それでも、黒流は話を止めなかった。
「なぁ、お前は、浅葱ちゃんがガラス浴びたことも、ギターの弦が変えたばかりで切れたことも、大さんや、スタッフが怪我したことも、全部事故だと思ってんの?」
「………どうゆうことだよ………。」
黒流が、何を知ってるのか。
俺が知らない真実は何なのか。
顔を上げると、しゃがみこんだ黒流は目の前に封筒の束を置いた。
「何これ………?」
「お前が知らなかった真実だよ。全部、浅葱ちゃんに当てられた手紙だ。」
読め、と言われ、タバコを消してそれを手に取る。
宛名のない手紙。
開けて1枚ずつ読んでいくうちに、背中にはかいたことのない冷たい汗が流れていく。
手紙と、血塗れの押し花………。
「………いつから?なんで、浅葱は俺に言わなかった…………。」
きっと、この手紙を見たとき、浅葱は怖かっただろう。
次々と起こることに、どんどん恐怖に怯えただろう………。
なんで…………
「手紙には、まっち、お前に知れたらお前が血を見るって書いてあっただろ?
浅葱ちゃんは、必死にお前を守ろうとしてたんだよ!
お前が仕事に集中できるようにって、笑って隠してたんだよ!
自分が離れればまっちに被害無くなるからって、お前に勘違いさせても離れたんだよ。
お前と仕事を守ったのに、どうしてお前は浅葱ちゃんが守った物をダメにしようとするんだよ!」
本当に黒流は怒っていた。
苦しそうに。
「だって………誰も知らせてくれなかった………。」
手紙を床に落として頭を抱える。
いつ帰ってもご飯を作って待っててくれる。
体調を気にして、少しの変化だって気づいてくれる………。
自分の作る唄を
俺が作るからって理由で好きだと言ってくれる………。
そんな浅葱が、浮気なんてするはずないのに………。
(………浅葱………ごめん………)
悔しくて、涙が出てくる。
「黒さん………。ごめん………。
浅葱のこと守ってくれてたのに………。」
黒さんには、謝ることしかできない。
流れ続ける涙を拭いて顔を上げると、黒さんは安心したように笑ってた。
「でも………それなら、浅葱は、どこに………。」
すぐにでも話したい。
でも、前に一度だけ電話をしたときは、電源が落ちていて繋がらなかった。
「さぁね。俺の所に最後に連絡が来たのは、たぶんまっちの家から出た時だろうけどね。
しばらく離れるから、まっちを守ってくれって。」
そう言ってカチャカチャと携帯を弄ると、目の前に動画の停止画面を見せた。
スタートを押せと。
意味もわからずスタートを押す。
夕日で照らされたベランダに誰かが座ってる。
逆光のせいで、誰かはわからない。
(………何?)
膝を抱えた姿には見覚えがあった。
「………誰……にも……会いたく……ない……日……も……あれば……淋し……くて……仕方……ない……日も……あって………」
泣きながら、途切れ途切れに。
俺の唄を口ずさむ声………。
「黒さん!これ!」
動画を見終わり顔を上げると、携帯を取り上げられた。
「何処に居るかは教えない。
自分のせいで迷子になった子猫くらい、自分で探せ。」
そう言うと、ゆう子を連れて出ていった。
「…………迷子の………子猫………」
聞き覚えのあるフレーズ。
(迷子の子猫を拾ったのよ………。
今のまっちには、見せてあげないけどね(笑))
あの日の楓さんのセリフが蘇る。
頭の中が、急に晴れたみたいに。
スッキリした。
こんなに近くに居たのに。
何度もすれ違ってた。
さっきまで仕事をしていたブースに行くと、まだ二人が居た。
「悪いんだけど、俺、少し出掛けてくる。」
必要な携帯とタバコと財布だけをポケットに入れると二人に言い放った。
「はいはい。」
「今日はもう帰ってこなくて良いから、必ず子猫、見つけてきてね♪」
ゆう子が笑顔で手を振る。
もう二度と離さないって誓った手を離してしまった罪を償う為に、俺ができること。
必ず…………君を見つけてみせるから………。