和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Strong Fate
君の名前は?
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【希望、一縷】
夕日が差し込むベランダに膝を抱えて椅子に座る女の子が一人。
ぼんやりと夕日に染まるビルを見ている。
「………誰……にも……会いたく……ない……日……も……あれば……淋し……くて……仕方……ない……日も……あって………」
涙声で途切れ途切れな歌は、誰に聞かせるわけでもなく。
「また、あんたはこんなところで泣いてるの?
体冷えるわよ?」
出勤してきた楓さんが携帯を弄りながら暖かいカフェラテを持ってきて、横の椅子に腰かける。
「………ありがとうございます………。
夕日……綺麗すぎて………。」
大好きな、あの人の歌を口ずさんでしまう。
「またご飯食べなかったの?
体調、良くならないの?」
ここに来てから、朝ごはんはいつも楓さんが帰る前に作っておいてくれる。
でも、ここ最近、色々あったせいか、体調が悪く食べられない時もあって……。
「いつも作ってもらってありがたいんですけど、今日は気持ち悪くて………。晩御飯に食べますね………。」
夕日が綺麗だったり、少しの幸せでも、心がザワザワして、勝手に涙がでてしまう。
そんな私を、楓さんは呆れながらも心配してくれる。
「また泣いてる。そんなに泣いたら目が腫れて不細工になるわよ(笑)」
ヨシヨシ、と優しく抱き締められてまた涙が出る。
「明日も晴れそうね………。」
夕日を見つめる楓さんからは、優しい香りがした………。
「お店が始まるまでには泣き止みます……」
そうしてちょうだい、と、楓さんが煙を吐き出しながら撫でてくれた。
空を仰ぐ貴方の手は
掴むことができますか………?
同じく、都内の夕日が差し込むスタジオの喫煙所。
一人の男が、タバコを吸いながらビルを眺めていた。
(………海の夕日が見たいな………。)
以前作った曲のMVを撮った時にみた夕焼けの海は綺麗で。
いつか浅葱と見たいなんて考えてたっけ……。
空を仰ぐ君の手を
また、掴みたい…………。
今日はスタジオに籠り、アルバムの制作と、他のメンバーの取材が入っていたり。
スタッフも慌ただしく動く中、思うように制作がうまくいかない自分は度々喫煙所に来ている。
メンバーにも、それは気付かれてるから。
早く、頭をリセットしなきゃならないのに。
「え?じゃあ、昨日の出来事なの?だから、今日黒流さんのメイク違う人来てるんだ。」
相変わらず隣の給湯室からは人の話し声が聞こえる。
「そーらしいよ?歩道橋の階段から落ちたらしいけど、骨折と打撲っていってた。
でも、変な話、何かに怖がってもう辞めるとか話してるらしくて。」
「へぇ~。酔っ払って転んだんじゃないの(笑)あの人酒癖悪いじゃん(笑)」
何人かの人が笑いながら去っていく。
そういえば、昨日飲んだスタッフの女性、今日来てなかったな………。
どうでも良い事だったから、居ないことにすら気付いてなかったけど。
俺と別れた後に、何かあったのか………。
不思議に思ったけど。
それ以上に、今は自分がやらなくちゃいけない事が多すぎて、深く考える余裕なんて無かった………。
スタジオの中には、他のメンバーがそれぞれ機材の調整をしたり、話をしたり。
「まっちは、また一服?」
黒流は携帯を弄りながら、ゆう子の横に腰かけると水を飲んでため息をついた。
「浅葱ちゃんが居なくなってから、全然ダメだね。
本当に浅葱ちゃん、どこ行っちゃったんだろ………。」
ノートに歌詞を書きながら、ゆう子もため息をつく。
まっちは話に出さなかったけど、黒流に送ったメールで浅葱が居なくなったことはわかっていた。
携帯を操作していた黒流が止まった。
黒流の携帯からは誰かが涙声で歌っている。
「黒さん!?」
声に驚いたゆう子が顔を上げた。
「楓さんから。まっちには言うなって伝言。迷子の子猫を預かってるってさ。」
黒流にだけ、楓さんからメールが来ていた。
まだ浅葱の心の整理がついてなく、体調も悪いから、まっちも他のメンバーにもお店には来ないように。
「楓さんの所に居るなら安心だね♪」
動画を見るゆう子は笑って。
少しだけ雰囲気が明るくなった。
(さて、あとは、まっちだけか…………)
夕日が差し込むベランダに膝を抱えて椅子に座る女の子が一人。
ぼんやりと夕日に染まるビルを見ている。
「………誰……にも……会いたく……ない……日……も……あれば……淋し……くて……仕方……ない……日も……あって………」
涙声で途切れ途切れな歌は、誰に聞かせるわけでもなく。
「また、あんたはこんなところで泣いてるの?
体冷えるわよ?」
出勤してきた楓さんが携帯を弄りながら暖かいカフェラテを持ってきて、横の椅子に腰かける。
「………ありがとうございます………。
夕日……綺麗すぎて………。」
大好きな、あの人の歌を口ずさんでしまう。
「またご飯食べなかったの?
体調、良くならないの?」
ここに来てから、朝ごはんはいつも楓さんが帰る前に作っておいてくれる。
でも、ここ最近、色々あったせいか、体調が悪く食べられない時もあって……。
「いつも作ってもらってありがたいんですけど、今日は気持ち悪くて………。晩御飯に食べますね………。」
夕日が綺麗だったり、少しの幸せでも、心がザワザワして、勝手に涙がでてしまう。
そんな私を、楓さんは呆れながらも心配してくれる。
「また泣いてる。そんなに泣いたら目が腫れて不細工になるわよ(笑)」
ヨシヨシ、と優しく抱き締められてまた涙が出る。
「明日も晴れそうね………。」
夕日を見つめる楓さんからは、優しい香りがした………。
「お店が始まるまでには泣き止みます……」
そうしてちょうだい、と、楓さんが煙を吐き出しながら撫でてくれた。
空を仰ぐ貴方の手は
掴むことができますか………?
同じく、都内の夕日が差し込むスタジオの喫煙所。
一人の男が、タバコを吸いながらビルを眺めていた。
(………海の夕日が見たいな………。)
以前作った曲のMVを撮った時にみた夕焼けの海は綺麗で。
いつか浅葱と見たいなんて考えてたっけ……。
空を仰ぐ君の手を
また、掴みたい…………。
今日はスタジオに籠り、アルバムの制作と、他のメンバーの取材が入っていたり。
スタッフも慌ただしく動く中、思うように制作がうまくいかない自分は度々喫煙所に来ている。
メンバーにも、それは気付かれてるから。
早く、頭をリセットしなきゃならないのに。
「え?じゃあ、昨日の出来事なの?だから、今日黒流さんのメイク違う人来てるんだ。」
相変わらず隣の給湯室からは人の話し声が聞こえる。
「そーらしいよ?歩道橋の階段から落ちたらしいけど、骨折と打撲っていってた。
でも、変な話、何かに怖がってもう辞めるとか話してるらしくて。」
「へぇ~。酔っ払って転んだんじゃないの(笑)あの人酒癖悪いじゃん(笑)」
何人かの人が笑いながら去っていく。
そういえば、昨日飲んだスタッフの女性、今日来てなかったな………。
どうでも良い事だったから、居ないことにすら気付いてなかったけど。
俺と別れた後に、何かあったのか………。
不思議に思ったけど。
それ以上に、今は自分がやらなくちゃいけない事が多すぎて、深く考える余裕なんて無かった………。
スタジオの中には、他のメンバーがそれぞれ機材の調整をしたり、話をしたり。
「まっちは、また一服?」
黒流は携帯を弄りながら、ゆう子の横に腰かけると水を飲んでため息をついた。
「浅葱ちゃんが居なくなってから、全然ダメだね。
本当に浅葱ちゃん、どこ行っちゃったんだろ………。」
ノートに歌詞を書きながら、ゆう子もため息をつく。
まっちは話に出さなかったけど、黒流に送ったメールで浅葱が居なくなったことはわかっていた。
携帯を操作していた黒流が止まった。
黒流の携帯からは誰かが涙声で歌っている。
「黒さん!?」
声に驚いたゆう子が顔を上げた。
「楓さんから。まっちには言うなって伝言。迷子の子猫を預かってるってさ。」
黒流にだけ、楓さんからメールが来ていた。
まだ浅葱の心の整理がついてなく、体調も悪いから、まっちも他のメンバーにもお店には来ないように。
「楓さんの所に居るなら安心だね♪」
動画を見るゆう子は笑って。
少しだけ雰囲気が明るくなった。
(さて、あとは、まっちだけか…………)