和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Strong Fate
君の名前は?
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【矛盾の矛先】
それからしばらく、バンドの移籍発表やアルバムの制作が忙しくなり、浅葱も仕事が忙しくて、お互いにすれ違うことが多くなった。
俺が帰る頃には浅葱は寝ていたし、俺が起きるより早くに仕事に行ってしまう。
それでも、メールとか電話でこまめに連絡は取れてたから良かった。
疲れて帰っても、眠ってる浅葱を見てると安心する。
今日もスタジオで制作の合間に雑誌の取材とか、慌ただしくしていた。
「タバコ、吸ってくる。」
取材が切れたタイミングを見計らって、タバコを持ち、喫煙所に行く。
コーヒーの缶を開けてタバコに火を付けると一気に脱力する。
(はぁ~………、浅葱に会いたい………。)
もう、何日まともに会ってないんだろ………。
携帯を取り出せば、メールの受信表示。
【お仕事お疲れ様♪今日も遅くなりそう?】
メールが来たのはだいぶ前だからきっと仕事中に入れてくれたんだろう。
【ごめん。
今日もアルバムの方やってるから帰れなさそう。
ご飯は作らなくていいから。】
会いたい………。
そう文字にしてしまうと、もっと会いたくなりそうだからやめた。
ため息と一緒に煙を吐き出し、窓から見える夕日を見つめる。
「…………でも、それって本当なの?」
不意に、となりの給湯室からスタッフの声が聞こえた。
聞くからに噂話。
女子って、本当にそうゆうの好きだな………。
コーヒーを飲みながらなんとなく聞いてしまう。
「本当だよ!
黒流さん、腰に手まわしてたし。」
(黒さんの話か………。)
「でも、それってまずくない?最近町屋さんあんまり帰れてないじゃん?」
「だからじゃないの~?」
不意に自分の名前が出てきて不思議に思った。
俺と黒さんの何があるのか、ついつい聞き入ってしまう。
「浅葱さんも女子ってことだよ。町屋さん
だって、黒流さんだってイケメンだもん。」
やだー!
と、笑いながら過ぎてく声を聞きながら頭は真っ白になっていた。
(浅葱が、なんで黒さんと居るんだ………?)
最近、確かに帰れてなかったけど。
帰れば浅葱はちゃんと家に居たし、起きてる時も何も変わりなかった。
それなのに、なんで………。
コーヒーが冷たくなっても、俺は動くことができずにいた。
明け方、どうにか区切りを見つけて、一旦帰ることにした。
昼間聞いた話が頭から離れず、黒さんにも聞けないまま家に着いてしまった。
静かに部屋に入ると、ベッドには浅葱が気持ち良さそうに眠っていて。
服をハンガーにかけようとしたとき、ふと、浅葱のスプリングコートが目についた。
横に服をかけようとしたとき。
嗅いだことのある匂いがコートからした。
(これって………。)
以前、黒さんの車に乗せてもらったとき。
「黒さんの車、甘ったるい匂いする!」
ゆう子が車の匂いに文句を言ってたことがある。
確かにバニラみたいな甘い匂い。
一瞬にして思い出した。
(黒さんの車の匂い………。)
寒気がした。
知らない所で浅葱は黒流と会ってた……?
信じたくなかった……。
頭を振って、風呂場に行った。
シャワーを頭から浴びて目を閉じる。
何かの間違いかもしれない。
たまたま会っただけかもしれない。
疑いたくない。
長めのシャワーを浴び終えて、髪を拭きながらリビングに行くと、キッチンからコーヒーの良い匂いがした。
「あ、眞おはよ~♪」
コーヒーを入れながら朝食を作る浅葱は、やはりいつもと変わらず。
「おはよ。ただいま。」
そっと後ろから抱き締めると、くすぐったそうに首を竦めた。
「久しぶりの感触~」
やはり、浅葱からはいつもどうり、優しい匂いがして安心する。
きっと、何かの間違いだ……。
「お仕事遅れちゃうよ~。ご飯たべよ?」
浅葱はいつもと変わらない。
それだけで安心できた。
二人で朝食を食べて、オレが片付けをしながら浅葱は仕事の準備をする。
「浅葱、最近メンバーと会った?」
不意に後ろ姿に声をかけると、一瞬浅葱が止まった気がした。
「………会ってないよ?なんで?」
腕時計をつけながら答えたけど、こちらは見なかった。
「いや、何でもない。」
片付けを終えて浅葱を見送る。
いつもどうり、抱き締めてキスをすると、笑ってくれた。
玄関が閉まり、足音が遠ざかって。
俺はソファーに崩れ落ちた。
一瞬の事だったけど、わかってしまった。
嘘をつく、浅葱の表情。
取り繕ってたけど。
なんで………。
眠るために強めのお酒を飲んでみたけど、疲れてるはずの体は全く眠気が起きず、ただただ、テレビに写し出される映像を眺めるだけ。
何も頭に入ってこない。
なぜ、嘘をついてまで黒流に会わなきゃいけないのか………。
もしかしてしか頭になくて。
ぼんやりするうちに、いつの間にか夕方になってしまっていた。
酔いの回った頭で、もうすぐ帰ってくるであろう浅葱をベランダでタバコを吸って待っている。
どんな顔で浅葱と会ったらいい?
何を話せばいい………?
何もわからない。
少しでも遅く帰ってきてほしいと、初めて思った。
通りには手を繋ぎ楽しそうに歌いながら帰る親子。
自転車で音楽を聞きながら帰る高校生。
みんな幸せそうだった………。
マンションの下に車が止まるのが目に入った。
見覚えある車。
そこから降りてきたのは………
浅葱だった………。
車は、黒流の車。
浅葱はドアを閉めるとペコリとして、黒流は手を振って走り去ってく。
核心を見てしまった気がした。
ソファーに座り、また酒を飲む。
ガチャリ、と
玄関が開き、浅葱が帰ってきた。
「ただいま~♪」
真っ暗な部屋に、テレビだけが付き、返事が出来ない俺を浅葱が覗き込んだ。
「お酒飲んでるの?珍しいね。」
返事をしない俺を不思議に思いながらも、
「ご飯作るね♪」
とキッチンに買い物袋を置いて、エプロンを出していた。
「…………何してきたの?」
ぼんやりと、テレビを見ながら問い掛けると、手を洗って浅葱が来た。
「仕事だよ?」
「ふぅん。仕事ね………」
明らかにおかしい様子に、浅葱の顔が曇る。
「誰と会ってたの……?」
「誰って、会社の人としか会ってないけど………」
また、嘘………。
「なんで嘘つくの。今、黒流と帰ってきたよね………?なんで?」
「え……」
浅葱の不安な顔がどんどん俺の苛立ちを加速させていく。
「なんで嘘ついてまで会う必要がある?
今日だけじゃないでしょ?
コートに車の匂いまで付けて、何してるの?」
絶句する浅葱に、言葉が止まらなくなる。
「俺が居なくて寂しいから?
他のメンバーに気移りした?」
「ち、違う………!」
-ガシャンッ!-
気づけば、浅葱の横に向かってグラスを投げていた。
壁に当たったグラスは粉々になりフローリングに散らばる。
怯える浅葱は言葉を失った。
「何が違うんだよ!!
黒流と居るところだって、見られてるんだよ!」
「眞………、話を聞いて………」
「言い訳なんか聞きたくねぇよ!」
苛立ちでどうにかなりそうだった。
もう、いい………。
「そんなに黒流が好きなら、黒流の所に行けよ!!俺なんかより、はるかに頼りになるんだろ!」
俺よりはるかに考えも行動も黒流のほうが大人。
勝てるわけない。
怯えたままの浅葱を見ることなく、言葉を吐き出す。
「出てけよ…………。黒流のとこでもいけばいい……。」
言い放ち、水を持つと防音室に向かった。
ここには居たくない………。
すれ違う時、浅葱の頬に流れた涙が見えた。
防音室に入り、乱暴にドアを閉めると壁にもたれてしゃがみ込んだ。
何もかも、終わった………。
疑念は核心に変わり、浅葱は言い訳をしなかった。
しばらくたつと、玄関が閉まる音がした。
きっと、浅葱が出ていったんだろう。
もう、何もかも嫌になった………。
(こんな世界、無くなればいい………。)
酔いで揺らめく視界は、ぼんやり涙で薄れていった………。
それからしばらく、バンドの移籍発表やアルバムの制作が忙しくなり、浅葱も仕事が忙しくて、お互いにすれ違うことが多くなった。
俺が帰る頃には浅葱は寝ていたし、俺が起きるより早くに仕事に行ってしまう。
それでも、メールとか電話でこまめに連絡は取れてたから良かった。
疲れて帰っても、眠ってる浅葱を見てると安心する。
今日もスタジオで制作の合間に雑誌の取材とか、慌ただしくしていた。
「タバコ、吸ってくる。」
取材が切れたタイミングを見計らって、タバコを持ち、喫煙所に行く。
コーヒーの缶を開けてタバコに火を付けると一気に脱力する。
(はぁ~………、浅葱に会いたい………。)
もう、何日まともに会ってないんだろ………。
携帯を取り出せば、メールの受信表示。
【お仕事お疲れ様♪今日も遅くなりそう?】
メールが来たのはだいぶ前だからきっと仕事中に入れてくれたんだろう。
【ごめん。
今日もアルバムの方やってるから帰れなさそう。
ご飯は作らなくていいから。】
会いたい………。
そう文字にしてしまうと、もっと会いたくなりそうだからやめた。
ため息と一緒に煙を吐き出し、窓から見える夕日を見つめる。
「…………でも、それって本当なの?」
不意に、となりの給湯室からスタッフの声が聞こえた。
聞くからに噂話。
女子って、本当にそうゆうの好きだな………。
コーヒーを飲みながらなんとなく聞いてしまう。
「本当だよ!
黒流さん、腰に手まわしてたし。」
(黒さんの話か………。)
「でも、それってまずくない?最近町屋さんあんまり帰れてないじゃん?」
「だからじゃないの~?」
不意に自分の名前が出てきて不思議に思った。
俺と黒さんの何があるのか、ついつい聞き入ってしまう。
「浅葱さんも女子ってことだよ。町屋さん
だって、黒流さんだってイケメンだもん。」
やだー!
と、笑いながら過ぎてく声を聞きながら頭は真っ白になっていた。
(浅葱が、なんで黒さんと居るんだ………?)
最近、確かに帰れてなかったけど。
帰れば浅葱はちゃんと家に居たし、起きてる時も何も変わりなかった。
それなのに、なんで………。
コーヒーが冷たくなっても、俺は動くことができずにいた。
明け方、どうにか区切りを見つけて、一旦帰ることにした。
昼間聞いた話が頭から離れず、黒さんにも聞けないまま家に着いてしまった。
静かに部屋に入ると、ベッドには浅葱が気持ち良さそうに眠っていて。
服をハンガーにかけようとしたとき、ふと、浅葱のスプリングコートが目についた。
横に服をかけようとしたとき。
嗅いだことのある匂いがコートからした。
(これって………。)
以前、黒さんの車に乗せてもらったとき。
「黒さんの車、甘ったるい匂いする!」
ゆう子が車の匂いに文句を言ってたことがある。
確かにバニラみたいな甘い匂い。
一瞬にして思い出した。
(黒さんの車の匂い………。)
寒気がした。
知らない所で浅葱は黒流と会ってた……?
信じたくなかった……。
頭を振って、風呂場に行った。
シャワーを頭から浴びて目を閉じる。
何かの間違いかもしれない。
たまたま会っただけかもしれない。
疑いたくない。
長めのシャワーを浴び終えて、髪を拭きながらリビングに行くと、キッチンからコーヒーの良い匂いがした。
「あ、眞おはよ~♪」
コーヒーを入れながら朝食を作る浅葱は、やはりいつもと変わらず。
「おはよ。ただいま。」
そっと後ろから抱き締めると、くすぐったそうに首を竦めた。
「久しぶりの感触~」
やはり、浅葱からはいつもどうり、優しい匂いがして安心する。
きっと、何かの間違いだ……。
「お仕事遅れちゃうよ~。ご飯たべよ?」
浅葱はいつもと変わらない。
それだけで安心できた。
二人で朝食を食べて、オレが片付けをしながら浅葱は仕事の準備をする。
「浅葱、最近メンバーと会った?」
不意に後ろ姿に声をかけると、一瞬浅葱が止まった気がした。
「………会ってないよ?なんで?」
腕時計をつけながら答えたけど、こちらは見なかった。
「いや、何でもない。」
片付けを終えて浅葱を見送る。
いつもどうり、抱き締めてキスをすると、笑ってくれた。
玄関が閉まり、足音が遠ざかって。
俺はソファーに崩れ落ちた。
一瞬の事だったけど、わかってしまった。
嘘をつく、浅葱の表情。
取り繕ってたけど。
なんで………。
眠るために強めのお酒を飲んでみたけど、疲れてるはずの体は全く眠気が起きず、ただただ、テレビに写し出される映像を眺めるだけ。
何も頭に入ってこない。
なぜ、嘘をついてまで黒流に会わなきゃいけないのか………。
もしかしてしか頭になくて。
ぼんやりするうちに、いつの間にか夕方になってしまっていた。
酔いの回った頭で、もうすぐ帰ってくるであろう浅葱をベランダでタバコを吸って待っている。
どんな顔で浅葱と会ったらいい?
何を話せばいい………?
何もわからない。
少しでも遅く帰ってきてほしいと、初めて思った。
通りには手を繋ぎ楽しそうに歌いながら帰る親子。
自転車で音楽を聞きながら帰る高校生。
みんな幸せそうだった………。
マンションの下に車が止まるのが目に入った。
見覚えある車。
そこから降りてきたのは………
浅葱だった………。
車は、黒流の車。
浅葱はドアを閉めるとペコリとして、黒流は手を振って走り去ってく。
核心を見てしまった気がした。
ソファーに座り、また酒を飲む。
ガチャリ、と
玄関が開き、浅葱が帰ってきた。
「ただいま~♪」
真っ暗な部屋に、テレビだけが付き、返事が出来ない俺を浅葱が覗き込んだ。
「お酒飲んでるの?珍しいね。」
返事をしない俺を不思議に思いながらも、
「ご飯作るね♪」
とキッチンに買い物袋を置いて、エプロンを出していた。
「…………何してきたの?」
ぼんやりと、テレビを見ながら問い掛けると、手を洗って浅葱が来た。
「仕事だよ?」
「ふぅん。仕事ね………」
明らかにおかしい様子に、浅葱の顔が曇る。
「誰と会ってたの……?」
「誰って、会社の人としか会ってないけど………」
また、嘘………。
「なんで嘘つくの。今、黒流と帰ってきたよね………?なんで?」
「え……」
浅葱の不安な顔がどんどん俺の苛立ちを加速させていく。
「なんで嘘ついてまで会う必要がある?
今日だけじゃないでしょ?
コートに車の匂いまで付けて、何してるの?」
絶句する浅葱に、言葉が止まらなくなる。
「俺が居なくて寂しいから?
他のメンバーに気移りした?」
「ち、違う………!」
-ガシャンッ!-
気づけば、浅葱の横に向かってグラスを投げていた。
壁に当たったグラスは粉々になりフローリングに散らばる。
怯える浅葱は言葉を失った。
「何が違うんだよ!!
黒流と居るところだって、見られてるんだよ!」
「眞………、話を聞いて………」
「言い訳なんか聞きたくねぇよ!」
苛立ちでどうにかなりそうだった。
もう、いい………。
「そんなに黒流が好きなら、黒流の所に行けよ!!俺なんかより、はるかに頼りになるんだろ!」
俺よりはるかに考えも行動も黒流のほうが大人。
勝てるわけない。
怯えたままの浅葱を見ることなく、言葉を吐き出す。
「出てけよ…………。黒流のとこでもいけばいい……。」
言い放ち、水を持つと防音室に向かった。
ここには居たくない………。
すれ違う時、浅葱の頬に流れた涙が見えた。
防音室に入り、乱暴にドアを閉めると壁にもたれてしゃがみ込んだ。
何もかも、終わった………。
疑念は核心に変わり、浅葱は言い訳をしなかった。
しばらくたつと、玄関が閉まる音がした。
きっと、浅葱が出ていったんだろう。
もう、何もかも嫌になった………。
(こんな世界、無くなればいい………。)
酔いで揺らめく視界は、ぼんやり涙で薄れていった………。