和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
短編集(細雪続編)
君の名前は?
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会場のざわめき、ファン、一人一人の歓声。
音楽をやってきて良かったって、いつも思う瞬間。
「国内ツアー最終日、お疲れ様でしたー!!」
レーベルを移籍して、初めての全国ツアーが終わりを告げた。
レーベル移籍にアルバムの発表、ツアーファイナルまで怒濤の忙しさで、毎日があっという間だった。
打ち上げ会場では、スタッフを含むメンバーが集まり、尋常じゃない人数に自分が今居る場所の大きさがよくわかる。
「国内が終わったから今度は海外ツアーもいいね♪」
「その前に一旦休養期間取ろうよ!
私、最近旅行行けてない!!」
次の構想を楽しそうに考えるゆう子に、休みが取りたいべに。
わいわいと楽しそうにしている。
「まっちは??」
のんびりしてるところに急に話を振られてキョトンとする。
話は聞いてたけど。
「オレは~、特にないかな?皆がやりたいことに後ろから合わせてくし、休みでも、他に仕事あるしね。
でも………うん。
休みは、少し欲しいかな……?」
和楽器バンドがなくても他の仕事は沢山ある。
基本的に和楽器バンドでツアーの時は、来れる所以外浅葱は留守番だから、ゆっくり話す時間も無かった。
だから、ゆっくり浅葱と居たいのは本音。
「わぁ、珍しくまっちが休み希望した!」
「春なのに雪降るな(笑)」
ざわざわと、普段休みが欲しいなんて言わないオレに皆が驚いていた。
「まっちは、浅葱ちゃんとゆっくりしたいんだろ?」
大して酔ってない黒流が本心を見抜いていた。
「まぁ………そんなとこ。」
気恥ずかしかったけど、浅葱と付き合うようになってからはなるべく休みは一緒に居たかったから。
「浅葱ちゃんと再会してから、良い曲書くようになったもんね♪」
「失踪することもなくなった(笑)」
次々突っ込まれることに、少し恥ずかしくなり、またビールを流し込む。
「でも、とりあえず1ヵ月は仕事をセーブして極力入れてませんから、皆さんは休養に当ててください。」
マネージャーは、見計らったようにスケジュールを開けてくれて、それも助かる。
盛り上がった打ち上げが終わり、二次会に行く者、帰る者、別れた。
オレは、早く浅葱に会いたかったから、帰るを選択。
メンバーを送ってくれるスタッフの車に乗る。
【今から帰る!】
帰るメールを送ると、シートに沈み込む。
気分は凄く良いのに、体が、すごく重くてダルい。
タバコに火をつけて、窓を少し開けると東京の夜空を見ながらぼーっとした。
………疲れたな……。
タバコを吸い終わり、家に着くまで目を閉じることにした。
疲れたから酔いが回ったのかもしれない。
「………町屋さーん?
到着しましたよ??」
ゆっくりと目を覚ますと、そこはもう自分の家の前で。
「あ………ありがと。」
ぼんやりとしたまま、車から降りると、荷物とギターを受け取り、皆を見送った。
こんなにギターって重かったっけ………?
ダルさに耐えながら、エレベーターは自分の部屋の階に着いた。
インターフォンを押すと、明るい浅葱の声。
それから、パタパタと廊下を歩く気配に、玄関の鍵が開いた。
「眞、おかえりなさい!!」
まるで、子犬のように嬉しそうにドアを開けてくれる。
「浅葱、ただいま~。」
荷物を玄関に置くと、ぎゅっと浅葱を抱き締める。
たった1週間くらいなのに、久しぶりな感じがして、嬉しくなる。
「うん。お帰りなさい。」
浅葱も、嬉しそうに抱き締めてくれる。
やっぱり、この空間が心地良い。
ずっとこうしていたいけど、とりあえずゆっくりしたい。
「お風呂、入りたい。」
ぽそっと、言うと、浅葱はクスクス笑った。
「もう、用意してあるよ?荷物は私がやるから、お風呂入ってきて♪」
一緒に入らないの?
そう目で訴えてみたけど。
恥ずかしそうに「もう、入っちゃったよ。」
と。
諦めて一人で入ることにした。
お風呂から上がり、髪を乾かしても、ダルさと体の重さは変わらず。
風邪でも引いたかな?
それも考えたけど、喉は痛くないし、寒くもないし。
疲れが出たかな~………
そんなこと考えながら、リビングに行くと、浅葱が、水のボトルを出してくれた。
「ありがと。」
クッションを抱いてソファーに座る浅葱の横に座ると、水を飲みながらもたれ掛かる。
今日の浅葱は、少し冷えてるのか、触れている部分が冷たくて気持ちいい。
「眞??」
ぼんやりテレビを見つめていると、不意に名前を呼ばれて。
何だろうと視線を向けると、両頬を冷えた手で包み込まれる。
「もしかして、眞、ダルい?」
頬や、首をペタペタと触られて、くすぐったいけど気持ちよくて。
「うん。ダルい………。ちょっと疲れが出たかなぁ………?」
ぼんやりする頭でされるがままになってると、浅葱は引き出しから体温計を持ってきて脇に挟んだ。
「熱はないでしょ~(笑)」
風邪でもないのに。
笑っていると、良いからおとなしくする!
と、言われて。
ピピピッと、機械音が鳴り、浅葱が脇から体温計を取り、じっと見つめた後。
「眞、アウト。お部屋行こ?」
体温計をテーブルに置くと、水を持ち、ダルい俺の体を支えてくれて、ベッドまで連れてってくれる。
「何度だったの………?」
アウトって言われる体温ってと思いながら聞くと。
「37.9℃。扁桃腺とか腫れてないからたぶん疲れが出ただけだとは思うけど。とりあえず今日は寝よう?」
柔らかいベッドに寝かせてくれると、毛布と布団をかけてくれる。
けっこう熱、あったんだ。
ぼんやりする頭で苦笑いすると、浅葱はアイスノンを後頭部に置いてくれて、冷えピタを貼ってくれて。
「まだ寝たくない。浅葱と、話したいこと沢山あるのに………」
ちょっとだけわがままを言いたくて。
少しの抵抗をすると、浅葱は笑いながら横に添い寝してくれて。
「話、明日熱が下がってたらいっぱいしようね♪
一緒に寝るから♪」
そう言うと、抱き締めてくれる。
いつもなら、オレが抱き締めて眠るのに。
「早く良くなって、いっぱい話、聞かせて?」
優しく口付けをくれる浅葱のおかげで、力が抜ける。
せっかく帰ってきて、話したいことも、お土産もあるのに、何にもできないけど、
ホテルでは一人であんまり眠れなかったから、今日は一緒に眠れるだけで幸せだ………。
そんな事を考えながら、君の体温が気持ちよくてウツウツと眠りに落ちていった………。
-続く-
音楽をやってきて良かったって、いつも思う瞬間。
「国内ツアー最終日、お疲れ様でしたー!!」
レーベルを移籍して、初めての全国ツアーが終わりを告げた。
レーベル移籍にアルバムの発表、ツアーファイナルまで怒濤の忙しさで、毎日があっという間だった。
打ち上げ会場では、スタッフを含むメンバーが集まり、尋常じゃない人数に自分が今居る場所の大きさがよくわかる。
「国内が終わったから今度は海外ツアーもいいね♪」
「その前に一旦休養期間取ろうよ!
私、最近旅行行けてない!!」
次の構想を楽しそうに考えるゆう子に、休みが取りたいべに。
わいわいと楽しそうにしている。
「まっちは??」
のんびりしてるところに急に話を振られてキョトンとする。
話は聞いてたけど。
「オレは~、特にないかな?皆がやりたいことに後ろから合わせてくし、休みでも、他に仕事あるしね。
でも………うん。
休みは、少し欲しいかな……?」
和楽器バンドがなくても他の仕事は沢山ある。
基本的に和楽器バンドでツアーの時は、来れる所以外浅葱は留守番だから、ゆっくり話す時間も無かった。
だから、ゆっくり浅葱と居たいのは本音。
「わぁ、珍しくまっちが休み希望した!」
「春なのに雪降るな(笑)」
ざわざわと、普段休みが欲しいなんて言わないオレに皆が驚いていた。
「まっちは、浅葱ちゃんとゆっくりしたいんだろ?」
大して酔ってない黒流が本心を見抜いていた。
「まぁ………そんなとこ。」
気恥ずかしかったけど、浅葱と付き合うようになってからはなるべく休みは一緒に居たかったから。
「浅葱ちゃんと再会してから、良い曲書くようになったもんね♪」
「失踪することもなくなった(笑)」
次々突っ込まれることに、少し恥ずかしくなり、またビールを流し込む。
「でも、とりあえず1ヵ月は仕事をセーブして極力入れてませんから、皆さんは休養に当ててください。」
マネージャーは、見計らったようにスケジュールを開けてくれて、それも助かる。
盛り上がった打ち上げが終わり、二次会に行く者、帰る者、別れた。
オレは、早く浅葱に会いたかったから、帰るを選択。
メンバーを送ってくれるスタッフの車に乗る。
【今から帰る!】
帰るメールを送ると、シートに沈み込む。
気分は凄く良いのに、体が、すごく重くてダルい。
タバコに火をつけて、窓を少し開けると東京の夜空を見ながらぼーっとした。
………疲れたな……。
タバコを吸い終わり、家に着くまで目を閉じることにした。
疲れたから酔いが回ったのかもしれない。
「………町屋さーん?
到着しましたよ??」
ゆっくりと目を覚ますと、そこはもう自分の家の前で。
「あ………ありがと。」
ぼんやりとしたまま、車から降りると、荷物とギターを受け取り、皆を見送った。
こんなにギターって重かったっけ………?
ダルさに耐えながら、エレベーターは自分の部屋の階に着いた。
インターフォンを押すと、明るい浅葱の声。
それから、パタパタと廊下を歩く気配に、玄関の鍵が開いた。
「眞、おかえりなさい!!」
まるで、子犬のように嬉しそうにドアを開けてくれる。
「浅葱、ただいま~。」
荷物を玄関に置くと、ぎゅっと浅葱を抱き締める。
たった1週間くらいなのに、久しぶりな感じがして、嬉しくなる。
「うん。お帰りなさい。」
浅葱も、嬉しそうに抱き締めてくれる。
やっぱり、この空間が心地良い。
ずっとこうしていたいけど、とりあえずゆっくりしたい。
「お風呂、入りたい。」
ぽそっと、言うと、浅葱はクスクス笑った。
「もう、用意してあるよ?荷物は私がやるから、お風呂入ってきて♪」
一緒に入らないの?
そう目で訴えてみたけど。
恥ずかしそうに「もう、入っちゃったよ。」
と。
諦めて一人で入ることにした。
お風呂から上がり、髪を乾かしても、ダルさと体の重さは変わらず。
風邪でも引いたかな?
それも考えたけど、喉は痛くないし、寒くもないし。
疲れが出たかな~………
そんなこと考えながら、リビングに行くと、浅葱が、水のボトルを出してくれた。
「ありがと。」
クッションを抱いてソファーに座る浅葱の横に座ると、水を飲みながらもたれ掛かる。
今日の浅葱は、少し冷えてるのか、触れている部分が冷たくて気持ちいい。
「眞??」
ぼんやりテレビを見つめていると、不意に名前を呼ばれて。
何だろうと視線を向けると、両頬を冷えた手で包み込まれる。
「もしかして、眞、ダルい?」
頬や、首をペタペタと触られて、くすぐったいけど気持ちよくて。
「うん。ダルい………。ちょっと疲れが出たかなぁ………?」
ぼんやりする頭でされるがままになってると、浅葱は引き出しから体温計を持ってきて脇に挟んだ。
「熱はないでしょ~(笑)」
風邪でもないのに。
笑っていると、良いからおとなしくする!
と、言われて。
ピピピッと、機械音が鳴り、浅葱が脇から体温計を取り、じっと見つめた後。
「眞、アウト。お部屋行こ?」
体温計をテーブルに置くと、水を持ち、ダルい俺の体を支えてくれて、ベッドまで連れてってくれる。
「何度だったの………?」
アウトって言われる体温ってと思いながら聞くと。
「37.9℃。扁桃腺とか腫れてないからたぶん疲れが出ただけだとは思うけど。とりあえず今日は寝よう?」
柔らかいベッドに寝かせてくれると、毛布と布団をかけてくれる。
けっこう熱、あったんだ。
ぼんやりする頭で苦笑いすると、浅葱はアイスノンを後頭部に置いてくれて、冷えピタを貼ってくれて。
「まだ寝たくない。浅葱と、話したいこと沢山あるのに………」
ちょっとだけわがままを言いたくて。
少しの抵抗をすると、浅葱は笑いながら横に添い寝してくれて。
「話、明日熱が下がってたらいっぱいしようね♪
一緒に寝るから♪」
そう言うと、抱き締めてくれる。
いつもなら、オレが抱き締めて眠るのに。
「早く良くなって、いっぱい話、聞かせて?」
優しく口付けをくれる浅葱のおかげで、力が抜ける。
せっかく帰ってきて、話したいことも、お土産もあるのに、何にもできないけど、
ホテルでは一人であんまり眠れなかったから、今日は一緒に眠れるだけで幸せだ………。
そんな事を考えながら、君の体温が気持ちよくてウツウツと眠りに落ちていった………。
-続く-