和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
死にたがりの君に捧ぐ華
君の名前は?
お前、名は?
夢主は刀剣女士となります。
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目覚めてしばらく経つ。
目覚めを報告した時は主に抱き締められ、泣きながら抱きついてくる五虎退を癒して、皆に驚かれた。
私は女の刀剣であることも皆に知られていて、もう隠せなかったけど、誰も文句を言う者はいなかった。
むしろ、岩融は女に一撃くらったことを悔しがり、毎日稽古に励むようになったそうで。
いつの間にか、皆に受け入れられていた。
それが嬉しかった。
もう、サラシを巻くこともなくなり、女として本丸に居させてもらえることになった。
それでも、出陣したり、手合わせをしたり、以前と何も変わらなかった。
自分はありのままでいい。
そう認めてもらえた。
それだけでいい。
「日本号?準備はできた?入るよ??」
桜も散りはじめた頃。
日本号が極になる為、修行に出ることになった。
本人曰く、私を守れるくらい強くなりたいんだって。
準備をしに行った日本号を迎えに部屋を訪れ、障子を軽く叩くと、返事がない。
そっと開けて覗こうとした瞬間、腕を引っ張られ部屋に引きずり込まれた。
「!?」
驚いて身を固くすると、すっぽりと日本号の腕に収まった。
「やっと来たか………。」
もうすでに準備を終えた日本号は呆れた様子で私を抱き締めていた。
「日本号!用意できたならなんででてこないの?」
驚きながらも顔をあげると、日本号は抱き締めたまま座り込んだ。
「これからしばらく離れるってのに、何もしないで出掛けろって方が野暮だろ。」
まったく、と、呆れながらも、私の頬を押さえるとゆっくりと唇を重ねてくる。
「んっ…………」
まるで慈しむように、味わうようにゆっくりと。
日本号の口付けはいつも心臓が壊れそうになる。
「もう………みんな外で待ってるのに……。」
こんなときまで口付けを優先させる日本号に少しだけ呆れると、日本号は苦笑いをしていた。
「帰ってくるまで、誰にもこの唇触られるんじゃねぇぞ?」
まるで子供の嫉妬みたい。
私と心が結ばれてからというもの。
日本号は子供みたいに他の男子に嫉妬する。
女だとわかった小狐丸に抱き締められた時はホントに暴れるんじゃないかってくらい怒ってた。
それも、少しだけ嬉しかったり。
「わかった。ほら、遅れたら帰ってくるのも遅くなるから。
私も日本号の代わりに部隊長になっちゃったんだから、見送ったら出陣しなきゃなんだから!」
そう。
修行に出ると決まった時に、日本号の部隊に部隊長が居なくなることで揉めて、何故か私がその間部隊長をやることになってしまった。
まだ物足りなそうな日本号を宥めつつ、立ち上がり日本号の腕を引いたとき。
「あ………。」
捲れた自分の腕を見て声を上げると、日本号はキョトンとした。
「腕がどうした?」
手を繋いだまま腕を見つめる私につられて、日本号も腕を見つめる。
「そういえば。腕につけてもらった痕、無くなっちゃった。」
目覚めてから手枷をしてなかったから腕を気にすることが無くなって忘れていたけど、あの日日本号が腕につけてくれた痕は消えていた。
「痕?…………あぁ、あれか。」
「うん。花びらみたいで綺麗だったのに。」
残念。
そう思いながら袖を直そうとした時。
不意に日本号がまた腕に口付けをした。
「あ………。」
しばらくの後。
腕にはまたあの日と同じ花びらか散っていた。
「紅蓮丸が望むなら、いくらでも付けてやるよ。
お前がもう死にたくならないように、死にたがりに捧ぐ華をな。」
そう言って腰を引き寄せると、また口付けを落としてくれる。
私はもう死ねない。
守るもの。
守りたいもの。
時を共有したいもの。
沢山できたから。
貴方からもらう華をお守りに、生きていく………。
-完-
目覚めを報告した時は主に抱き締められ、泣きながら抱きついてくる五虎退を癒して、皆に驚かれた。
私は女の刀剣であることも皆に知られていて、もう隠せなかったけど、誰も文句を言う者はいなかった。
むしろ、岩融は女に一撃くらったことを悔しがり、毎日稽古に励むようになったそうで。
いつの間にか、皆に受け入れられていた。
それが嬉しかった。
もう、サラシを巻くこともなくなり、女として本丸に居させてもらえることになった。
それでも、出陣したり、手合わせをしたり、以前と何も変わらなかった。
自分はありのままでいい。
そう認めてもらえた。
それだけでいい。
「日本号?準備はできた?入るよ??」
桜も散りはじめた頃。
日本号が極になる為、修行に出ることになった。
本人曰く、私を守れるくらい強くなりたいんだって。
準備をしに行った日本号を迎えに部屋を訪れ、障子を軽く叩くと、返事がない。
そっと開けて覗こうとした瞬間、腕を引っ張られ部屋に引きずり込まれた。
「!?」
驚いて身を固くすると、すっぽりと日本号の腕に収まった。
「やっと来たか………。」
もうすでに準備を終えた日本号は呆れた様子で私を抱き締めていた。
「日本号!用意できたならなんででてこないの?」
驚きながらも顔をあげると、日本号は抱き締めたまま座り込んだ。
「これからしばらく離れるってのに、何もしないで出掛けろって方が野暮だろ。」
まったく、と、呆れながらも、私の頬を押さえるとゆっくりと唇を重ねてくる。
「んっ…………」
まるで慈しむように、味わうようにゆっくりと。
日本号の口付けはいつも心臓が壊れそうになる。
「もう………みんな外で待ってるのに……。」
こんなときまで口付けを優先させる日本号に少しだけ呆れると、日本号は苦笑いをしていた。
「帰ってくるまで、誰にもこの唇触られるんじゃねぇぞ?」
まるで子供の嫉妬みたい。
私と心が結ばれてからというもの。
日本号は子供みたいに他の男子に嫉妬する。
女だとわかった小狐丸に抱き締められた時はホントに暴れるんじゃないかってくらい怒ってた。
それも、少しだけ嬉しかったり。
「わかった。ほら、遅れたら帰ってくるのも遅くなるから。
私も日本号の代わりに部隊長になっちゃったんだから、見送ったら出陣しなきゃなんだから!」
そう。
修行に出ると決まった時に、日本号の部隊に部隊長が居なくなることで揉めて、何故か私がその間部隊長をやることになってしまった。
まだ物足りなそうな日本号を宥めつつ、立ち上がり日本号の腕を引いたとき。
「あ………。」
捲れた自分の腕を見て声を上げると、日本号はキョトンとした。
「腕がどうした?」
手を繋いだまま腕を見つめる私につられて、日本号も腕を見つめる。
「そういえば。腕につけてもらった痕、無くなっちゃった。」
目覚めてから手枷をしてなかったから腕を気にすることが無くなって忘れていたけど、あの日日本号が腕につけてくれた痕は消えていた。
「痕?…………あぁ、あれか。」
「うん。花びらみたいで綺麗だったのに。」
残念。
そう思いながら袖を直そうとした時。
不意に日本号がまた腕に口付けをした。
「あ………。」
しばらくの後。
腕にはまたあの日と同じ花びらか散っていた。
「紅蓮丸が望むなら、いくらでも付けてやるよ。
お前がもう死にたくならないように、死にたがりに捧ぐ華をな。」
そう言って腰を引き寄せると、また口付けを落としてくれる。
私はもう死ねない。
守るもの。
守りたいもの。
時を共有したいもの。
沢山できたから。
貴方からもらう華をお守りに、生きていく………。
-完-
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