和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
死にたがりの君に捧ぐ華
君の名前は?
「んっ…………」
穏やかな日差しに目が覚めた。
ゆっくりと目を開くと、目の前には花が沢山あった。
(…………ここは……どこ?)
起き上がり辺りを見渡すと、周りはまるで春のような日差しと、一面花畑。
少し先には川もあるような。
水の流れる音がする。
「暖かい………。」
今まで、破壊や刀解で自分を終わりにしたときは、いつも真っ暗な闇の中にいた。
寒くて怖いとすら思う空間。
なのに、ここは暖かくて、日差しは優しくて、怖くない。
手や足を見ても、怪我などなく、痛みも辛さもない。
どうしたんだろう………。
なんとなく。
立ち上がり歩き始める。
ここは嫌な気がしない。
何か目的があるわけじゃなかったけど、自分が居る場所を知りたくて、なんとなく歩いてみた。
花は一面色とりどりに咲き誇り、川には魚が泳いでる。
不思議な空間。
「ここは、どこなんだろ…………」
(紅蓮丸、おいで………)
ぼんやりと見て回ると、どこからともなく自分を呼ぶ声がした。
キョロキョロと見渡しても誰もいない。
でも、懐かしい声な気がした。
(紅蓮丸、こっちにおいで………。)
また、声がした。
今度はなんとなく方向がわかって、ゆっくりと歩き始める。
呼ばれている。
懐かしい、あの人に。
どれくらい歩いただろう?
川沿いを歩くと、少し小高くなった丘の上に大きな桜がある。
満開に咲き誇っている。
そこに……声の主は座っていた。
自分を見つけて柔らかい笑顔を向けて、手を振っていた。
「紅蓮丸、久しいのう。」
「…………主様………。」
そこに座っていたのは………
紛れもなく、自分の一番はじめの主で。
妖刀と呼ばれた自分を使い、強さを求め、自害した主…………。
「主様……どうして………」
居るはずない。
主様は死んでいる。
そう考えたとき、ふと、自分も死んだのかと、納得した。
「まぁ、こちらに来て座りなさい。」
自害したときの壊れてしまった主ではない、初めて出会ったときのような穏やかな顔に安堵を覚え、そっと横に座る。
「主様、お久しゅうございます。」
ぺこりと、三つ指を付き礼をすると、嬉しそうに笑っていた。
「あぁ。紅蓮丸も、大変な戦いだったのう。お疲れ様。」
全て見透かしたような、それを慈しむように、労いの言葉をかける主様は穏やかだった。
「主様が居ると言うことは、自分も死んだのですね………。」
やっと終わったと。
ぼんやりと考えながら流れる川を眺める。
主はそれについて答えなかった。
「私はな、ずっと紅蓮丸に謝りたくてここで待ってたんだよ。」
(謝る?)
何の事だかわからず、じっと主様を見ると、優しく笑いかけてくれた。
「お前を手に入れ、私は強くなった。
でも、それは紛い物で。
お前ほどの刀身であれば、対等に戦えるのは槍くらい。
だから、妖刀と、槍殺しと名付けられ、今までお前を苦しめてきた。
申し訳なかった………。」
心底申し訳ないと、顔を曇らせ謝る主様にはっとした。
「主様!!謝らないでください。
自分は嫌な想いなんてしてないです。
自分は誰かを守りたかった。でも、いつも力足りなくて………。
今回だって…………」
ぐっと、膝の上の拳に力が入る。
「今回だって………誰も守れなかった………」
うつむいたまま、吐き出すと、主様は手元にあるお茶を一口飲んだ。
「そうか………。でも。それはお前が見ていた時間までじゃろ?
お前が居なくなった後、守られた者も居たかもしれぬ。」
「でも………!!発狂するたび、全て壊してきた。だから、誰も守れなかった………。」
守りたかった。
仲間の笑顔を。
主様を。
何もできなかった自分が情けなくて、主様を見れない。
主様は、手に持ったお茶を置くと、そっと、暖かい手でうつむいたままの自分の頭を撫でてくれた。
「!?」
驚いて顔を上げると、ニコニコと、笑う主様かいた。
「今まで頑張ってきたんだな。
お疲れ様………。」
その言葉を聞いた瞬間、抑えていた心が崩れた。
溢れる涙で主様が見えなくなる。
「主様………すみませんでした………。」
ホントに悔しくて。
主様だけじゃない、今まで出会ってきた全ての仲間を守れなかった。
そのことが悔しくて、ポロポロと涙が溢れた。
主様はそっと自分を抱き締めてくれて。
「もう、苦しむな……。」
そう言ってくれた。
しばらく、まるでなだめるように撫でられていたが、主様が、ふと、自分から離れて顔を覗き込んだ。
「紅蓮丸、お前の望みは何だ?」
(自分の……望み………?)
今、自分が一番叶えたいことを考えた。
沢山苦しんだ。
悲しいことも沢山あった。
でも、今、自分の中にあるのは
あの本丸で皆と過ごした時間。
笑って過ごした日々……。
「自分は…………
私は………帰りたいです……。」
私の言葉に主様は驚いていた。
でも。
あの笑顔の中に帰りたい……。
「色んなことがありました。
でも、今はあの本丸に帰りたい………」
(日本号に………会いたいよ………)
記憶の中の日本号は困ったように笑っていた。
大粒の涙を流して望みを言うと、主様は呆れたように笑った。
「そうか………。残念じゃの……。」
(やっぱり、死んでいるのに戻れるわけない……)
「紅蓮丸の今の主は、いけずだ(笑)」
次に紡いだ主様の言葉に、意味がわからず顔をあげる。
「私はな、もし、お前がここで終わりを願うなら、ここに引き止めて一緒に時を過ごそうと思ってた………。
でも、今、お前は帰りたいと願ってしまった。
お前は最後の戦いで気付いて無かっただろうが、あの時、お前の懐には破壊防止のお守りがあったんだよ。主がお前に戻って欲しかったんだろうな……」
(私は、死んでないの……?)
主様から聞かされたことに驚き、言葉がでない。
でも、主様は悔しそうに話を続けた。
「お前は、いつも誰も守れなかったと嘆いていたが、お前が破壊された後には、どの時代にも必ず守られた者がいる。
お前を知っている者がいるのだから、妖刀と呼ばれ続ける。
でも、今回は道がいつもと違うから、今後狂気に狂うことはない。
ただ、これから先も、生きていれば辛いことも苦しいこともある。
それでも、お主は帰りたいと願うのか………?」
主様は真剣だった。
真剣に、私のことを心配してくれていた。
だから、私も真剣に答える。
「………はい。
辛いことも、苦しいことも、例え心が折れることがあってもいい。
私はもっと強くなります。
強くなって、皆を守ります。」
そうか………
と、主様は納得して、一度私を強く抱き締めた。
「では………戻りなさい。
お主が求めた世界に。
心のままに進めば帰れる。」
そう言って、立ち上がると手を引き、立ち上がらせてくれた。
「私も、これでやっとあの川を渡れる。
行っておいで………。」
「……はい。
行って参ります。
主様も、お達者で。」
ぺこりと、頭を下げて歩き出す。
主様はまだ木の下で手を振っていた。
(帰ろう。あの本丸へ………)
想いを固めて歩き出すと、頭の中に声がした。
(いいかげん、帰ってこいよ……)
間違いなく、日本号の声。
頷き、走り出す。
私は帰る。
皆とまた本丸で笑いたい。
日本号に、会いたい……。
そう思うと、どんどん真っ白な世界にに取り込まれていった…………。
穏やかな日差しに目が覚めた。
ゆっくりと目を開くと、目の前には花が沢山あった。
(…………ここは……どこ?)
起き上がり辺りを見渡すと、周りはまるで春のような日差しと、一面花畑。
少し先には川もあるような。
水の流れる音がする。
「暖かい………。」
今まで、破壊や刀解で自分を終わりにしたときは、いつも真っ暗な闇の中にいた。
寒くて怖いとすら思う空間。
なのに、ここは暖かくて、日差しは優しくて、怖くない。
手や足を見ても、怪我などなく、痛みも辛さもない。
どうしたんだろう………。
なんとなく。
立ち上がり歩き始める。
ここは嫌な気がしない。
何か目的があるわけじゃなかったけど、自分が居る場所を知りたくて、なんとなく歩いてみた。
花は一面色とりどりに咲き誇り、川には魚が泳いでる。
不思議な空間。
「ここは、どこなんだろ…………」
(紅蓮丸、おいで………)
ぼんやりと見て回ると、どこからともなく自分を呼ぶ声がした。
キョロキョロと見渡しても誰もいない。
でも、懐かしい声な気がした。
(紅蓮丸、こっちにおいで………。)
また、声がした。
今度はなんとなく方向がわかって、ゆっくりと歩き始める。
呼ばれている。
懐かしい、あの人に。
どれくらい歩いただろう?
川沿いを歩くと、少し小高くなった丘の上に大きな桜がある。
満開に咲き誇っている。
そこに……声の主は座っていた。
自分を見つけて柔らかい笑顔を向けて、手を振っていた。
「紅蓮丸、久しいのう。」
「…………主様………。」
そこに座っていたのは………
紛れもなく、自分の一番はじめの主で。
妖刀と呼ばれた自分を使い、強さを求め、自害した主…………。
「主様……どうして………」
居るはずない。
主様は死んでいる。
そう考えたとき、ふと、自分も死んだのかと、納得した。
「まぁ、こちらに来て座りなさい。」
自害したときの壊れてしまった主ではない、初めて出会ったときのような穏やかな顔に安堵を覚え、そっと横に座る。
「主様、お久しゅうございます。」
ぺこりと、三つ指を付き礼をすると、嬉しそうに笑っていた。
「あぁ。紅蓮丸も、大変な戦いだったのう。お疲れ様。」
全て見透かしたような、それを慈しむように、労いの言葉をかける主様は穏やかだった。
「主様が居ると言うことは、自分も死んだのですね………。」
やっと終わったと。
ぼんやりと考えながら流れる川を眺める。
主はそれについて答えなかった。
「私はな、ずっと紅蓮丸に謝りたくてここで待ってたんだよ。」
(謝る?)
何の事だかわからず、じっと主様を見ると、優しく笑いかけてくれた。
「お前を手に入れ、私は強くなった。
でも、それは紛い物で。
お前ほどの刀身であれば、対等に戦えるのは槍くらい。
だから、妖刀と、槍殺しと名付けられ、今までお前を苦しめてきた。
申し訳なかった………。」
心底申し訳ないと、顔を曇らせ謝る主様にはっとした。
「主様!!謝らないでください。
自分は嫌な想いなんてしてないです。
自分は誰かを守りたかった。でも、いつも力足りなくて………。
今回だって…………」
ぐっと、膝の上の拳に力が入る。
「今回だって………誰も守れなかった………」
うつむいたまま、吐き出すと、主様は手元にあるお茶を一口飲んだ。
「そうか………。でも。それはお前が見ていた時間までじゃろ?
お前が居なくなった後、守られた者も居たかもしれぬ。」
「でも………!!発狂するたび、全て壊してきた。だから、誰も守れなかった………。」
守りたかった。
仲間の笑顔を。
主様を。
何もできなかった自分が情けなくて、主様を見れない。
主様は、手に持ったお茶を置くと、そっと、暖かい手でうつむいたままの自分の頭を撫でてくれた。
「!?」
驚いて顔を上げると、ニコニコと、笑う主様かいた。
「今まで頑張ってきたんだな。
お疲れ様………。」
その言葉を聞いた瞬間、抑えていた心が崩れた。
溢れる涙で主様が見えなくなる。
「主様………すみませんでした………。」
ホントに悔しくて。
主様だけじゃない、今まで出会ってきた全ての仲間を守れなかった。
そのことが悔しくて、ポロポロと涙が溢れた。
主様はそっと自分を抱き締めてくれて。
「もう、苦しむな……。」
そう言ってくれた。
しばらく、まるでなだめるように撫でられていたが、主様が、ふと、自分から離れて顔を覗き込んだ。
「紅蓮丸、お前の望みは何だ?」
(自分の……望み………?)
今、自分が一番叶えたいことを考えた。
沢山苦しんだ。
悲しいことも沢山あった。
でも、今、自分の中にあるのは
あの本丸で皆と過ごした時間。
笑って過ごした日々……。
「自分は…………
私は………帰りたいです……。」
私の言葉に主様は驚いていた。
でも。
あの笑顔の中に帰りたい……。
「色んなことがありました。
でも、今はあの本丸に帰りたい………」
(日本号に………会いたいよ………)
記憶の中の日本号は困ったように笑っていた。
大粒の涙を流して望みを言うと、主様は呆れたように笑った。
「そうか………。残念じゃの……。」
(やっぱり、死んでいるのに戻れるわけない……)
「紅蓮丸の今の主は、いけずだ(笑)」
次に紡いだ主様の言葉に、意味がわからず顔をあげる。
「私はな、もし、お前がここで終わりを願うなら、ここに引き止めて一緒に時を過ごそうと思ってた………。
でも、今、お前は帰りたいと願ってしまった。
お前は最後の戦いで気付いて無かっただろうが、あの時、お前の懐には破壊防止のお守りがあったんだよ。主がお前に戻って欲しかったんだろうな……」
(私は、死んでないの……?)
主様から聞かされたことに驚き、言葉がでない。
でも、主様は悔しそうに話を続けた。
「お前は、いつも誰も守れなかったと嘆いていたが、お前が破壊された後には、どの時代にも必ず守られた者がいる。
お前を知っている者がいるのだから、妖刀と呼ばれ続ける。
でも、今回は道がいつもと違うから、今後狂気に狂うことはない。
ただ、これから先も、生きていれば辛いことも苦しいこともある。
それでも、お主は帰りたいと願うのか………?」
主様は真剣だった。
真剣に、私のことを心配してくれていた。
だから、私も真剣に答える。
「………はい。
辛いことも、苦しいことも、例え心が折れることがあってもいい。
私はもっと強くなります。
強くなって、皆を守ります。」
そうか………
と、主様は納得して、一度私を強く抱き締めた。
「では………戻りなさい。
お主が求めた世界に。
心のままに進めば帰れる。」
そう言って、立ち上がると手を引き、立ち上がらせてくれた。
「私も、これでやっとあの川を渡れる。
行っておいで………。」
「……はい。
行って参ります。
主様も、お達者で。」
ぺこりと、頭を下げて歩き出す。
主様はまだ木の下で手を振っていた。
(帰ろう。あの本丸へ………)
想いを固めて歩き出すと、頭の中に声がした。
(いいかげん、帰ってこいよ……)
間違いなく、日本号の声。
頷き、走り出す。
私は帰る。
皆とまた本丸で笑いたい。
日本号に、会いたい……。
そう思うと、どんどん真っ白な世界にに取り込まれていった…………。