和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
死にたがりの君に捧ぐ華
君の名前は?
お前、名は?
夢主は刀剣女士となります。
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それから何日経っても、何週間たっても、紅蓮丸は目覚めなかった。
体は手入れにより傷は全て治った。
でも、壊れてしまった心は手入れでは治せない。
紅蓮丸自身が目覚める意思を持たないかぎり、目覚めることはないと言われた。
いつまでも手入れ部屋に置いておく訳にもいかず、それでも目覚めたとき紅蓮丸がまた暴れるかもしれないから元の部屋には戻せない。
紅蓮丸をどうするか。
部隊長で話し合ったが、その時点で俺の意思は決まっていた。
目覚めたときどうなっても良いように、自分の部屋に置いておく。
それはたてまえで。
結局は目覚めたときに自分がそばに居たかった。
紅蓮丸が自ら発狂することを選び、最後に崖が崩れるとき。
また、笑っていた。
戦っていた時とは違う。
五虎退を助けたときと同じ笑顔で。
全て諦めた笑顔をさせたことが悔しくて。
守れなかった自分の弱さが悔しくて。
紅蓮丸を部屋に置くようになっても、出陣や手合わせをした。
次に目を覚ました時には俺が紅蓮丸を守れるくらい強くなりたくて。
そうしていくうちに、季節はすでに春になっていた。
時折、短刀達や、三日月、陸奥守や和泉守が様子を見に来たが、何一つ変わることなく。
規則正しい寝息をたてているだけ。
あの戦いで素肌を晒し、多くの刀剣達には紅蓮丸が女であることがバレていた。
でも、誰一人紅蓮丸を蔑んだりする者は居なかった。
だから、紅蓮丸には悪いが、胸のサラシも外し、髪もおろし、今眠っている姿はまさしく女そのものであった。
今日も、出陣から戻り、報告や食事を終えていつものように自分の部屋に戻る。
「相変わらず眠ったままか………。」
返事のない眠ったままの姿をぼんやり眺めなから窓を開けると、今夜は月が明るく、咲き始めた桜が照らし出されていた。
「桜、咲いちまうな………」
紅蓮丸とであってから、秋の月も、冬の雪も、一緒に眺めながら酒を呑んでいた。
でも、桜はだめだったかと………。
ぼんやり眺めながら呑んでいると、不意に廊下に気配を感じた。
「日本号、入っていいですか?」
主の声に驚き、障子を開けると、そこには主が立っていた。
「こんな夜更けにどうした?部屋に来るなんて珍しいじゃねぇか。」
たとえ主とて女。
夜更けに男の部屋に入るなんてとは思ったが、すぐそばに三日月の気配を感じて安心した。
「紅蓮丸に会いたくなってしまって。」
理由を聞いて安心して、部屋に通した。
「まだ何も変わってねぇよ。
ただただ眠っているだけだ。」
紅蓮丸のそばに座り、髪を撫でる主を眺めながら、なるべく離れた窓際に寄りかかり、二人を眺めた。
「そうね。
でも………今の紅蓮丸はまるで眠り姫みたい。」
「眠り姫……?」
主は髪を撫でて、ゆっくりと手を繋ぐと、じっと紅蓮丸を眺めながら話始めた。
「私が居た世界であったおとぎ話。
昔、魔女に呪いで眠らされたお姫様がいたの。
誰も目覚めさせられなかった。
なのに、お姫様を心から愛した運命の人の口付けで、その呪いは解けてお姫様は目を覚ました。
紅蓮丸を心から愛した運命の人は、まだ現れないかしらね。」
おとぎ話だけど。
と、話ながらも、主は慈しむように握った紅蓮丸の手を額に当てて目を閉じる。
「たとえ、地獄の閻魔だろうが、他の男だろうが、現れたところで紅蓮丸は譲らねぇよ。」
ぽそりと吐き出すと、主は俺に視線を向けた。
「………紅蓮丸は俺が出陣した先で見つけた俺の物だ。
誰にも渡さねぇ。」
言い捨ててまた酒を呑むと、主のクスクス笑う声が聞こえた。
「カッコいいこと言うのね。それじゃあ、紅蓮丸はずっと眠ったままかしら?
紅蓮丸、とても強力な兵に守られてるのね。
安心したわ。
そろそろ戻らないと、私も強力な兵に怒られてしまいそうね。」
またね。と紅蓮丸を撫でて部屋を後にすると、それに伴い三日月の気配も去っていった。
「眠り姫ねぇ………。」
差し込む月明かりに照らされて、紅蓮丸の寝顔が見える。
窓枠に酒瓶を置くと、そっと紅蓮丸に近づき、布団を退かして抱えあげた。
「いつまでも眠ってるまんまじゃ、疲れるだろ。
たまには外の風でも浴びろよ。」
そっとさっき座っていた窓際に戻り、腕の中に抱いたまま座ってまた酒を呑む。
「綺麗な夜桜だな。まだ3分咲だからこれからだが。早く目覚めねぇと、桜も散っちまうぞ。」
腕の中でも眠ってる紅蓮丸は、以前にもまして華奢で。
強く抱き締めたら折れてしまいそうで。
腕に頭が支えられているから顔はこっちを向いていて、そっと頬を撫でてみる。
布団の中にいたおかげで温かく。
「なぁ………、眠り姫よぉ。
いい加減、帰ってこいよ………。お前の声、忘れちまいそうだ…………。
運命の相手なら、俺がなるから………帰ってこい………。」
そっと頬に手を添え、ゆっくりと口付ける。
あの日も眠ってる紅蓮丸に口付けたが、何も変わらない感触に思わずホッとする。
愛しい。こんな気持ちになったことなかった。
こんなに一人の女を手放したくないって思ったのは初めてだった。
ゆっくりと離れて目を開けると、そこにはやはり眠ってる紅蓮丸の姿があって。
「なんてな………。」
自傷ぎみに笑いが込み上げてきた。
子供じみたおとぎ話。
そんなに簡単に目覚めるわけないと笑いながら、しばらく紅蓮丸を抱き締めたまま月見酒を楽しんでいた……。
その時、俺は微かに紅蓮丸の指が動いたことを気付かずに…………。
体は手入れにより傷は全て治った。
でも、壊れてしまった心は手入れでは治せない。
紅蓮丸自身が目覚める意思を持たないかぎり、目覚めることはないと言われた。
いつまでも手入れ部屋に置いておく訳にもいかず、それでも目覚めたとき紅蓮丸がまた暴れるかもしれないから元の部屋には戻せない。
紅蓮丸をどうするか。
部隊長で話し合ったが、その時点で俺の意思は決まっていた。
目覚めたときどうなっても良いように、自分の部屋に置いておく。
それはたてまえで。
結局は目覚めたときに自分がそばに居たかった。
紅蓮丸が自ら発狂することを選び、最後に崖が崩れるとき。
また、笑っていた。
戦っていた時とは違う。
五虎退を助けたときと同じ笑顔で。
全て諦めた笑顔をさせたことが悔しくて。
守れなかった自分の弱さが悔しくて。
紅蓮丸を部屋に置くようになっても、出陣や手合わせをした。
次に目を覚ました時には俺が紅蓮丸を守れるくらい強くなりたくて。
そうしていくうちに、季節はすでに春になっていた。
時折、短刀達や、三日月、陸奥守や和泉守が様子を見に来たが、何一つ変わることなく。
規則正しい寝息をたてているだけ。
あの戦いで素肌を晒し、多くの刀剣達には紅蓮丸が女であることがバレていた。
でも、誰一人紅蓮丸を蔑んだりする者は居なかった。
だから、紅蓮丸には悪いが、胸のサラシも外し、髪もおろし、今眠っている姿はまさしく女そのものであった。
今日も、出陣から戻り、報告や食事を終えていつものように自分の部屋に戻る。
「相変わらず眠ったままか………。」
返事のない眠ったままの姿をぼんやり眺めなから窓を開けると、今夜は月が明るく、咲き始めた桜が照らし出されていた。
「桜、咲いちまうな………」
紅蓮丸とであってから、秋の月も、冬の雪も、一緒に眺めながら酒を呑んでいた。
でも、桜はだめだったかと………。
ぼんやり眺めながら呑んでいると、不意に廊下に気配を感じた。
「日本号、入っていいですか?」
主の声に驚き、障子を開けると、そこには主が立っていた。
「こんな夜更けにどうした?部屋に来るなんて珍しいじゃねぇか。」
たとえ主とて女。
夜更けに男の部屋に入るなんてとは思ったが、すぐそばに三日月の気配を感じて安心した。
「紅蓮丸に会いたくなってしまって。」
理由を聞いて安心して、部屋に通した。
「まだ何も変わってねぇよ。
ただただ眠っているだけだ。」
紅蓮丸のそばに座り、髪を撫でる主を眺めながら、なるべく離れた窓際に寄りかかり、二人を眺めた。
「そうね。
でも………今の紅蓮丸はまるで眠り姫みたい。」
「眠り姫……?」
主は髪を撫でて、ゆっくりと手を繋ぐと、じっと紅蓮丸を眺めながら話始めた。
「私が居た世界であったおとぎ話。
昔、魔女に呪いで眠らされたお姫様がいたの。
誰も目覚めさせられなかった。
なのに、お姫様を心から愛した運命の人の口付けで、その呪いは解けてお姫様は目を覚ました。
紅蓮丸を心から愛した運命の人は、まだ現れないかしらね。」
おとぎ話だけど。
と、話ながらも、主は慈しむように握った紅蓮丸の手を額に当てて目を閉じる。
「たとえ、地獄の閻魔だろうが、他の男だろうが、現れたところで紅蓮丸は譲らねぇよ。」
ぽそりと吐き出すと、主は俺に視線を向けた。
「………紅蓮丸は俺が出陣した先で見つけた俺の物だ。
誰にも渡さねぇ。」
言い捨ててまた酒を呑むと、主のクスクス笑う声が聞こえた。
「カッコいいこと言うのね。それじゃあ、紅蓮丸はずっと眠ったままかしら?
紅蓮丸、とても強力な兵に守られてるのね。
安心したわ。
そろそろ戻らないと、私も強力な兵に怒られてしまいそうね。」
またね。と紅蓮丸を撫でて部屋を後にすると、それに伴い三日月の気配も去っていった。
「眠り姫ねぇ………。」
差し込む月明かりに照らされて、紅蓮丸の寝顔が見える。
窓枠に酒瓶を置くと、そっと紅蓮丸に近づき、布団を退かして抱えあげた。
「いつまでも眠ってるまんまじゃ、疲れるだろ。
たまには外の風でも浴びろよ。」
そっとさっき座っていた窓際に戻り、腕の中に抱いたまま座ってまた酒を呑む。
「綺麗な夜桜だな。まだ3分咲だからこれからだが。早く目覚めねぇと、桜も散っちまうぞ。」
腕の中でも眠ってる紅蓮丸は、以前にもまして華奢で。
強く抱き締めたら折れてしまいそうで。
腕に頭が支えられているから顔はこっちを向いていて、そっと頬を撫でてみる。
布団の中にいたおかげで温かく。
「なぁ………、眠り姫よぉ。
いい加減、帰ってこいよ………。お前の声、忘れちまいそうだ…………。
運命の相手なら、俺がなるから………帰ってこい………。」
そっと頬に手を添え、ゆっくりと口付ける。
あの日も眠ってる紅蓮丸に口付けたが、何も変わらない感触に思わずホッとする。
愛しい。こんな気持ちになったことなかった。
こんなに一人の女を手放したくないって思ったのは初めてだった。
ゆっくりと離れて目を開けると、そこにはやはり眠ってる紅蓮丸の姿があって。
「なんてな………。」
自傷ぎみに笑いが込み上げてきた。
子供じみたおとぎ話。
そんなに簡単に目覚めるわけないと笑いながら、しばらく紅蓮丸を抱き締めたまま月見酒を楽しんでいた……。
その時、俺は微かに紅蓮丸の指が動いたことを気付かずに…………。