和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
死にたがりの君に捧ぐ華
君の名前は?
お前、名は?
夢主は刀剣女士となります。
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広間から逃げるように出てため息をつく。
小狐丸。
初めてあったのに何か感づかれているような、全て見透かすような視線がとても怖かった。
部屋に戻ろうかと少し考えたが、誰かが迎えにきてまた広間に戻されるのは嫌だった。
ふと、庭に視線を巡らすと、庭の端に屋根に登れるように梯子がかけてある。
誰かが屋根を掃除して片付け忘れたのか……。
そっと登ってみると、広間の喧騒は聞こえるものの、誰も居ないことで少し安心した。
屋根の上に腰をかけ、秋の夜空に浮かんだ大きな満月を眺める。
「ここは結界で作られた世界なのに、月はまるで本物みたいだな……」
誰に問うでもなく、一人つぶやく。
聞こえるのは広間の喧騒と時折揺れる手枷から放たれる金属音のみ。
(また、日本号に礼を言うの、忘れた……)
ふと、思い出したが、また広間には戻りたくない。
ぼんやりと月を眺めていると、不意に梯子を登る音が聞こえ、身構える。
(誰………??)
じっと暗闇で軋む梯子を見ていると、ひょこっと顔を出したのは日本号だった。
「おぅ、こんなとこに逃げてたか。」
よっこいしょ、と、片手に酒瓶をぶら下げて梯子を登り終えると、自分の横に腰掛けてきた。
「あ………あぁ。なんでここに……?」
「なんでって……そろそろ煩いやつらの相手も飽きたから一人で月見酒といこうとおもったんだがなぁ、俺のいつもの場所に気配がしたから来てみたらお前がいたんだよ。」
そうゆうことか。
誰かが屋根を掃除するわけではなく、日本号が酒を飲むためにかけてあった梯子だったと気付いた。
「それは、邪魔してすまなかった。
自分は部屋に戻ろう。」
そういって立ち上がろうとすると、腕を掴まれた。
「!?」
「まぁまぁ、別にお前が居ることを咎めたわけじゃねぇ。どうせだからお前も付き合え。」
そう言うと、日本号は懐からぐい飲みを取り出し、自分に手渡してきた。
どうしたものかとは思ったが、もう手の中にはぐい飲みが持たされている。
そっと元居た所に座り直すと、酒瓶を開け豪快に注いでくれた。
「いただきます。」
ぐい飲みに浮かんだ秋の月を見ながら口をつける。
先程広間で飲んでいた物と同じはずなのに、心なしか美味しく感じた。
日本号はぐい飲みを使わず酒瓶から直接飲み始めた。
お互い何を言うのでもなく、ただ酒を飲んでいる。
「………あ。そうだ………
さっきは本当に助かった。
礼も伝えず去ってしまい、申し訳なかった。」
小狐丸に絡まれて困っていたことを礼すると、日本号はあぁ、と少し呆れたように頷いた。
「ここには色んな奴がいる。中でも小狐丸とか、変に鼻や感が効くやつもいるからな。
お前が隠したい事があるなら、少しは警戒しろ。」
そう言うと、また一口酒を煽る。
「すまない………」
今まで本丸に居ても誰かと接することは極力控えていたからわからなかった。
でも、たしかにそうだなと思い、反省していると、手の中のぐい飲みにまた酒を注がれる。
「お前が悪いんじゃねぇよ。」
そう言うと、日本号はまた懐を探り、自分の目の前に何かを出した。
「ほらよ。」
キョトンとして見ると、それは鯛焼きで。
「鯛焼き……?」
「お前、ほとんど食事に手つけないで逃げたろ?せめてこれくらい食っとけ。」
手渡されてみると、それは心なしか温かく。
「日本号が食べるために持ってきたんじゃないのか?」
「それも考えたけどな。お前が食ってないなら食っとけ。」
そう言うとまたそっぽを向いて酒を煽る。
少し考えて、真ん中から半分に分けると、日本号に半分を差し出した。
「半分………」
もう半分は自分がかじりながら渡すと少し驚いた顔をしていたが、苦笑いしながら受け取ってくれた。
「………やっぱり甘いな。」
鯛焼きをかじりながら日本号がぼそっと言ったので、
「……美味しい。ありがとう………。」
ぽそっとお礼を言いながら食べると日本号はまた酒をあおっていた。
酒に甘い物は合わないって、前に饅頭をくれたけど、それはきっと口実で、こうして自分のために持ってきてくれたのだろうと、
少しだけ心が温かくなった気がした。
小狐丸。
初めてあったのに何か感づかれているような、全て見透かすような視線がとても怖かった。
部屋に戻ろうかと少し考えたが、誰かが迎えにきてまた広間に戻されるのは嫌だった。
ふと、庭に視線を巡らすと、庭の端に屋根に登れるように梯子がかけてある。
誰かが屋根を掃除して片付け忘れたのか……。
そっと登ってみると、広間の喧騒は聞こえるものの、誰も居ないことで少し安心した。
屋根の上に腰をかけ、秋の夜空に浮かんだ大きな満月を眺める。
「ここは結界で作られた世界なのに、月はまるで本物みたいだな……」
誰に問うでもなく、一人つぶやく。
聞こえるのは広間の喧騒と時折揺れる手枷から放たれる金属音のみ。
(また、日本号に礼を言うの、忘れた……)
ふと、思い出したが、また広間には戻りたくない。
ぼんやりと月を眺めていると、不意に梯子を登る音が聞こえ、身構える。
(誰………??)
じっと暗闇で軋む梯子を見ていると、ひょこっと顔を出したのは日本号だった。
「おぅ、こんなとこに逃げてたか。」
よっこいしょ、と、片手に酒瓶をぶら下げて梯子を登り終えると、自分の横に腰掛けてきた。
「あ………あぁ。なんでここに……?」
「なんでって……そろそろ煩いやつらの相手も飽きたから一人で月見酒といこうとおもったんだがなぁ、俺のいつもの場所に気配がしたから来てみたらお前がいたんだよ。」
そうゆうことか。
誰かが屋根を掃除するわけではなく、日本号が酒を飲むためにかけてあった梯子だったと気付いた。
「それは、邪魔してすまなかった。
自分は部屋に戻ろう。」
そういって立ち上がろうとすると、腕を掴まれた。
「!?」
「まぁまぁ、別にお前が居ることを咎めたわけじゃねぇ。どうせだからお前も付き合え。」
そう言うと、日本号は懐からぐい飲みを取り出し、自分に手渡してきた。
どうしたものかとは思ったが、もう手の中にはぐい飲みが持たされている。
そっと元居た所に座り直すと、酒瓶を開け豪快に注いでくれた。
「いただきます。」
ぐい飲みに浮かんだ秋の月を見ながら口をつける。
先程広間で飲んでいた物と同じはずなのに、心なしか美味しく感じた。
日本号はぐい飲みを使わず酒瓶から直接飲み始めた。
お互い何を言うのでもなく、ただ酒を飲んでいる。
「………あ。そうだ………
さっきは本当に助かった。
礼も伝えず去ってしまい、申し訳なかった。」
小狐丸に絡まれて困っていたことを礼すると、日本号はあぁ、と少し呆れたように頷いた。
「ここには色んな奴がいる。中でも小狐丸とか、変に鼻や感が効くやつもいるからな。
お前が隠したい事があるなら、少しは警戒しろ。」
そう言うと、また一口酒を煽る。
「すまない………」
今まで本丸に居ても誰かと接することは極力控えていたからわからなかった。
でも、たしかにそうだなと思い、反省していると、手の中のぐい飲みにまた酒を注がれる。
「お前が悪いんじゃねぇよ。」
そう言うと、日本号はまた懐を探り、自分の目の前に何かを出した。
「ほらよ。」
キョトンとして見ると、それは鯛焼きで。
「鯛焼き……?」
「お前、ほとんど食事に手つけないで逃げたろ?せめてこれくらい食っとけ。」
手渡されてみると、それは心なしか温かく。
「日本号が食べるために持ってきたんじゃないのか?」
「それも考えたけどな。お前が食ってないなら食っとけ。」
そう言うとまたそっぽを向いて酒を煽る。
少し考えて、真ん中から半分に分けると、日本号に半分を差し出した。
「半分………」
もう半分は自分がかじりながら渡すと少し驚いた顔をしていたが、苦笑いしながら受け取ってくれた。
「………やっぱり甘いな。」
鯛焼きをかじりながら日本号がぼそっと言ったので、
「……美味しい。ありがとう………。」
ぽそっとお礼を言いながら食べると日本号はまた酒をあおっていた。
酒に甘い物は合わないって、前に饅頭をくれたけど、それはきっと口実で、こうして自分のために持ってきてくれたのだろうと、
少しだけ心が温かくなった気がした。