「ふぅ、やっと終いか。」
日本号率いる部隊が遡行軍をなぎ倒すと、そこに少し刃こぼれした刀剣が現れた。

「新たな刀剣を発見しました。」


「コイツ………」
新たな刀剣を見つけた日本号は明らかに嫌気を見せて顔をしかめた。

「また、大変なやつが出てきちまったなぁ……」

事情を知るであろう、和泉も躊躇はしていたが、刀剣である以上、本丸に連れて帰らなきゃいけない。

「なぁに、今は傷つき意識もない。
暴れることはないきに。
連れて帰って話を聞いてやらにゃ。」

陸奥がそう言うと、意識を失った刀剣を抱え歩き出した。

「刀だったころとは違うきぃに、話をすればわかるじゃろ。」
得意の笑いで歩き出したが、日本号も和泉も良い顔はしなかった。


それもそのはず。
その刀剣は
『槍殺し』の名を持つ妖刀。持てば殺戮に狂う刀として有名な刀
『紅蓮丸』だったのだから………。