和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
短編(ドラケンのみ)
君の名前は?
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ザワザワと。
ネオンの明るい街に溢れる人、人、人。
こんな街に、なんで囚われてるの…………?
「マイキー、浅葱、時間だ。」
稀咲の言葉にマイキーと共に立ち上がる。
稀咲の運転する車の後部座席に乗せられる。
あの日から、私はずっと、
利用されるだけ…………。
「ドラケンを、解放したいんだろ?」
ずっと、そう言われ続けてる。
でも。
堅はまだ死刑囚のまま。
稀咲に騙された、あの日のまま。
マイキーは、堅が居なくなってから変わった。
稀咲のやることを止めなくなったし。
もう、善も悪もわかってない。
もしかしたら、どうでも良いのかも………。
今ですら。
流れる街並みをただぼんやりと眺めるだけ。
首には。
まるで戒めのように。
堅がつけていたドラゴンのタトゥー。
「ほら、浅葱。」
稀咲に呼ばれて顔を上げれば。
投げるように渡された物が手の中に収まる。
女の私の手にすら収まる、小さなピストル。
「簡単な仕事だ。歯向かうやつを消すだけ。」
ニヤリと笑う稀咲は、相変わらず。
マイキーの名前を使い、東卍を大きくして。
自分の世界を作ってる。
(殺してやりたい………)
カチャリとスライドを引き、ゆっくりと稀咲の後頭部に銃口を当てる。
目に入るのは。
自分の腕に入ったドラゴンのタトゥー………。
「俺を殺したらドラケンはあそこから出られないの知ってるよな?」
私の行動になんて全く臆しない稀咲の言葉。
「出す気なんて、無いくせに………。」
今すぐにでも、トリガーを引いてやりたい。
少しだけ震える手でトリガーを引こうとすれば。
冷たい手が添えられて、銃口を下ろされる。
「事故るから、やめとけ。」
何も見てないと思っても。
ちゃんと見てるマイキーが、時々嫌いになる。
それでも。
「浅葱、お前がマイキーのそばに居てやってくれ。」
あの日、笑って言った堅の言葉。
堅の代わりなんて嫌だった。
何も出来ない自分すら………。
「…………下ろして。」
ピストルをポケットに戻し、静かに呟く。
潰さなきゃいけない組織に奇襲かけるまで、時間があるから。
「時間になったら、直接行くから。」
少しだけ1人にさせて。
そう呟けば、端により止まった車。
無言で降りて歩き出す。
闇雲に。
(帰りたい………。)
堅が笑ってたあの頃に。
人の通りが少なくなった河川沿いを、ぼんやり歩いていると。
「…………浅葱さん………だよね?」
不意に背後から掛けられた言葉に心臓は跳ねて。
ポケットに入れた手は、ピストルを握る。
私が稀咲に利用され始めてから。
狙われる事も少なくない。
「………。」
ゆっくりと振り返れば。
冴えないボサボサの頭に、弱そうな男。
「タケミチ君………。」
東卍から離れてだいぶ経つのに。
顔はあの日のまま、冴えない。
「ごめん。ちょっと、今話せないかな………?」
オドオドと、腫れ物に触れるような対応に少しだけイラついたけど。
堅はタケミチ君を大切にしてた。
「少しならいい………。」
ポケットのピストルを放し、河に面した土手に座る。
タケミチ君が、コーヒーを渡してくれるから。
受け取り、一口飲む。
「あの、聞きたい事があって………。」
同い年なのに。オドオドするタケミチ君を見てると、稀咲と変わらない怒りが生まれる。
何も知らない平和なまま大人になったくせに………。
「なに?
タケミチ君が知りたいようなこと、みんなニュースでやったと思うけど。」
冷たく言い放ち、ポケットからタバコを取り出せば、驚く。
「驚くことでもないでしょ?もう、大人なんだし。」
ふぅ、と紫煙を吐き出し、ぼんやり腕のタトゥーを眺める。
1時間後には、下手したら私は誰かを殺してるのに。
「浅葱さんは、なんで、ドラケン君が居ないのに東卍に居るの?
昔はドラケン君が東卍に巻き込まないって言ってたのに!」
平和な脳みその少年は、本当に何も知らないで生きてる。
それがムカつくけど。
「…………堅が………。堅が捕まったから、私は東卍に入ったの。
マイキーを守らなきゃいけないから。」
堅が捕まったあの日から。
コーヒーを飲んで空を見上げる。
「ドラケン君は、人生をやり直せるなら、稀咲を殺したいって言いました。」
タケミチ君の言葉に、ピクリと体が反応する。
この男は、拘置所の中の堅にまで会いに行ったの………?
「やっぱり、稀咲なんですか………?」
確信をつくタケミチ君の言葉に、歯を食いしばる。
「私は………私の意志であそこにいるの。
でも。堅と同じようにやり直せるなら、私はあの日、稀咲に騙される堅を止めたかった………。
行かないでって。言えたら変わってたのかな………。」
怒りと共に、あの日堅を止められなかった自分に悲しくなる。
「…………話しすぎた。もう、行くから。」
コーヒーを飲み終えて、ご馳走様。
と伝えると。
タバコを消して歩き出す。
「タケミチ君だけは、道を間違えないでね………。」
立ち上がり、背を向ける。
何か言ってたけど。
私はそのまま、闇に消えた。
ー翌日ー
高く聳え立つ壁を見上げる。
ここは東京の拘置所。
そんなに頻繁には会えないけど。
時々、会いに来る。
私の大切な人に。
「二四八番!入れ!」
刑務官の声に顔を上げれば。
手錠をかけた坊主姿の堅が入ってくる。
冷たい表情のまま。
「浅葱、いい加減もう来るなって言っただろ。」
身長差のある私を、見下ろして。
少しだけ口元が笑う。
「ごめん………。
タケミチ君が堅に会ったって聞いたら、ズルいなって思っちゃって。」
ガラス越しに手を伸ばせば。
堅はドラゴンのタトゥーに視線を落としながら、まるで重ねるように手錠の付いた手を伸ばす。
「そぉいや、来たな………。」
ガラスを隔てて重なる手を眺めながら。
思い出話のように。
「過去が変えられるなら、あの日の堅を止めたいって。
馬鹿な話しちゃったよ………。」
苦笑いをしながら。
きっと真剣な表情をしてる堅の事を、私は見れない。
ずっと張り詰めてる線が切れそうになるから………。
「そぉだな………。浅葱が泣いて嫌がったらやめてたかもな………。」
きっと、あの時はそんなことしなかったはずなのに。
私の心を軽くするための嘘をつく。
こんな人だから。
いつまでも嫌いになれない………。
「今は、マイキーの彼女か?」
まるで少しだけバカにするように。
軽口を叩くから。
目の前にいたら、引っぱたいてあげたくなる。
「………。私、ずっと心に決めてる人いるからさ。その人以外心に入んないんだわ。
その人、まだ生きてるんだもん(笑)」
俯いたまま。
私も軽口を叩いて笑う。
あと、何回こんな会話が出来るかなんてわかんないのに。
「時間だ!!」
終了を告げる刑務官の声に顔を上げれば。
堅は昔のまま、自信たっぷりな笑顔を向けてる。
「お前、タトゥー似合うな。
俺も、心に決めてる奴が居るから。」
そう言って、立ち上がる。
「じゃあな。」
昔と変わらない笑顔。
ドアが閉まるまで見送って。
拘置所を出た。
冷たくされれば諦められるかもしれないのに。
まだ、心が期待してる。
どこかで未来が変わるんじゃないかって。
だから、私はまだ死なない。
堅に頼まれた、マイキーを守る為に。
ドラゴンを撫でて歩き出す。
いつか、未来が変わる日まで…………。
ネオンの明るい街に溢れる人、人、人。
こんな街に、なんで囚われてるの…………?
「マイキー、浅葱、時間だ。」
稀咲の言葉にマイキーと共に立ち上がる。
稀咲の運転する車の後部座席に乗せられる。
あの日から、私はずっと、
利用されるだけ…………。
「ドラケンを、解放したいんだろ?」
ずっと、そう言われ続けてる。
でも。
堅はまだ死刑囚のまま。
稀咲に騙された、あの日のまま。
マイキーは、堅が居なくなってから変わった。
稀咲のやることを止めなくなったし。
もう、善も悪もわかってない。
もしかしたら、どうでも良いのかも………。
今ですら。
流れる街並みをただぼんやりと眺めるだけ。
首には。
まるで戒めのように。
堅がつけていたドラゴンのタトゥー。
「ほら、浅葱。」
稀咲に呼ばれて顔を上げれば。
投げるように渡された物が手の中に収まる。
女の私の手にすら収まる、小さなピストル。
「簡単な仕事だ。歯向かうやつを消すだけ。」
ニヤリと笑う稀咲は、相変わらず。
マイキーの名前を使い、東卍を大きくして。
自分の世界を作ってる。
(殺してやりたい………)
カチャリとスライドを引き、ゆっくりと稀咲の後頭部に銃口を当てる。
目に入るのは。
自分の腕に入ったドラゴンのタトゥー………。
「俺を殺したらドラケンはあそこから出られないの知ってるよな?」
私の行動になんて全く臆しない稀咲の言葉。
「出す気なんて、無いくせに………。」
今すぐにでも、トリガーを引いてやりたい。
少しだけ震える手でトリガーを引こうとすれば。
冷たい手が添えられて、銃口を下ろされる。
「事故るから、やめとけ。」
何も見てないと思っても。
ちゃんと見てるマイキーが、時々嫌いになる。
それでも。
「浅葱、お前がマイキーのそばに居てやってくれ。」
あの日、笑って言った堅の言葉。
堅の代わりなんて嫌だった。
何も出来ない自分すら………。
「…………下ろして。」
ピストルをポケットに戻し、静かに呟く。
潰さなきゃいけない組織に奇襲かけるまで、時間があるから。
「時間になったら、直接行くから。」
少しだけ1人にさせて。
そう呟けば、端により止まった車。
無言で降りて歩き出す。
闇雲に。
(帰りたい………。)
堅が笑ってたあの頃に。
人の通りが少なくなった河川沿いを、ぼんやり歩いていると。
「…………浅葱さん………だよね?」
不意に背後から掛けられた言葉に心臓は跳ねて。
ポケットに入れた手は、ピストルを握る。
私が稀咲に利用され始めてから。
狙われる事も少なくない。
「………。」
ゆっくりと振り返れば。
冴えないボサボサの頭に、弱そうな男。
「タケミチ君………。」
東卍から離れてだいぶ経つのに。
顔はあの日のまま、冴えない。
「ごめん。ちょっと、今話せないかな………?」
オドオドと、腫れ物に触れるような対応に少しだけイラついたけど。
堅はタケミチ君を大切にしてた。
「少しならいい………。」
ポケットのピストルを放し、河に面した土手に座る。
タケミチ君が、コーヒーを渡してくれるから。
受け取り、一口飲む。
「あの、聞きたい事があって………。」
同い年なのに。オドオドするタケミチ君を見てると、稀咲と変わらない怒りが生まれる。
何も知らない平和なまま大人になったくせに………。
「なに?
タケミチ君が知りたいようなこと、みんなニュースでやったと思うけど。」
冷たく言い放ち、ポケットからタバコを取り出せば、驚く。
「驚くことでもないでしょ?もう、大人なんだし。」
ふぅ、と紫煙を吐き出し、ぼんやり腕のタトゥーを眺める。
1時間後には、下手したら私は誰かを殺してるのに。
「浅葱さんは、なんで、ドラケン君が居ないのに東卍に居るの?
昔はドラケン君が東卍に巻き込まないって言ってたのに!」
平和な脳みその少年は、本当に何も知らないで生きてる。
それがムカつくけど。
「…………堅が………。堅が捕まったから、私は東卍に入ったの。
マイキーを守らなきゃいけないから。」
堅が捕まったあの日から。
コーヒーを飲んで空を見上げる。
「ドラケン君は、人生をやり直せるなら、稀咲を殺したいって言いました。」
タケミチ君の言葉に、ピクリと体が反応する。
この男は、拘置所の中の堅にまで会いに行ったの………?
「やっぱり、稀咲なんですか………?」
確信をつくタケミチ君の言葉に、歯を食いしばる。
「私は………私の意志であそこにいるの。
でも。堅と同じようにやり直せるなら、私はあの日、稀咲に騙される堅を止めたかった………。
行かないでって。言えたら変わってたのかな………。」
怒りと共に、あの日堅を止められなかった自分に悲しくなる。
「…………話しすぎた。もう、行くから。」
コーヒーを飲み終えて、ご馳走様。
と伝えると。
タバコを消して歩き出す。
「タケミチ君だけは、道を間違えないでね………。」
立ち上がり、背を向ける。
何か言ってたけど。
私はそのまま、闇に消えた。
ー翌日ー
高く聳え立つ壁を見上げる。
ここは東京の拘置所。
そんなに頻繁には会えないけど。
時々、会いに来る。
私の大切な人に。
「二四八番!入れ!」
刑務官の声に顔を上げれば。
手錠をかけた坊主姿の堅が入ってくる。
冷たい表情のまま。
「浅葱、いい加減もう来るなって言っただろ。」
身長差のある私を、見下ろして。
少しだけ口元が笑う。
「ごめん………。
タケミチ君が堅に会ったって聞いたら、ズルいなって思っちゃって。」
ガラス越しに手を伸ばせば。
堅はドラゴンのタトゥーに視線を落としながら、まるで重ねるように手錠の付いた手を伸ばす。
「そぉいや、来たな………。」
ガラスを隔てて重なる手を眺めながら。
思い出話のように。
「過去が変えられるなら、あの日の堅を止めたいって。
馬鹿な話しちゃったよ………。」
苦笑いをしながら。
きっと真剣な表情をしてる堅の事を、私は見れない。
ずっと張り詰めてる線が切れそうになるから………。
「そぉだな………。浅葱が泣いて嫌がったらやめてたかもな………。」
きっと、あの時はそんなことしなかったはずなのに。
私の心を軽くするための嘘をつく。
こんな人だから。
いつまでも嫌いになれない………。
「今は、マイキーの彼女か?」
まるで少しだけバカにするように。
軽口を叩くから。
目の前にいたら、引っぱたいてあげたくなる。
「………。私、ずっと心に決めてる人いるからさ。その人以外心に入んないんだわ。
その人、まだ生きてるんだもん(笑)」
俯いたまま。
私も軽口を叩いて笑う。
あと、何回こんな会話が出来るかなんてわかんないのに。
「時間だ!!」
終了を告げる刑務官の声に顔を上げれば。
堅は昔のまま、自信たっぷりな笑顔を向けてる。
「お前、タトゥー似合うな。
俺も、心に決めてる奴が居るから。」
そう言って、立ち上がる。
「じゃあな。」
昔と変わらない笑顔。
ドアが閉まるまで見送って。
拘置所を出た。
冷たくされれば諦められるかもしれないのに。
まだ、心が期待してる。
どこかで未来が変わるんじゃないかって。
だから、私はまだ死なない。
堅に頼まれた、マイキーを守る為に。
ドラゴンを撫でて歩き出す。
いつか、未来が変わる日まで…………。
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