和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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(なんで、あのまま死ねなかったんだろ………。)
セミが鳴く校庭をぼんやり眺めながら昨日の事を思い出す。
うちの家族は崩壊しきってる。
アル中の父親に、暴走族の兄貴。
母親は何年も前に蒸発している。
父親と兄貴は、気に入らないことがあれば加減を知らない暴力に走る。
だから、なるべく会わないように居ない時間とか、寝ている時間に家に寄ったりしていたのに。
昨日はたまたま兄貴と会ってしまった。
虫の居所が悪かった兄貴は、会うなり顔面を殴り、倒れた所を馬乗りで殴り続けた。
そのまま抵抗していなかったらきっと死んでいたのに。
ふとした瞬間携帯が鳴り、兄貴の関心が逸れた瞬間逃げ出していた。
それが毎回のこと。
慣れたと言うより、諦めていた。
まだ〖子供〗に分類される自分には、頼る人も逃げる場所もない。
歩き疲れて欄干に座り、そのまま目を閉じて落ちれば死ねると思ったのに。
「なぁ、お前何してんの?」
バイクが後ろに止まる音がしたと思ったら、急に真横に人が来た。
ぼんやりと視線を向けると、ガタイの良い男。
「………何もしてない。」
ポソりと。
口の中が切れて喋る気力も無くて。
それでも何も言わなくて絡まれるのは嫌だから、素っ気ない返事をして、また視線を戻す。
「お前、中学生か?
こんな時間にこんな所に居たら補導されるぞ?」
そのままぼんやりしてたら帰ってくれると思ったのに。
話を続けようとするから、返事もせずに川を見つめていると、その人も川を眺めてる。
しばらく黙って川を眺めてたけど。
飽きたのか、その人は欄干から手を放した。
「そんな所に座ってっと落ちるから気をつけろよ。」
ボソリと呟いて離れようとした瞬間。
橋を揺らしながら横切るトラックの風圧を背中に感じた。
「あっ……」
風に押される形で体勢が崩れて。
ぼんやりしてたせいで欄干を掴むこともできない。
(落ちるっっ……!)
目の前に広がる闇に落ちそうになった時。
「危ねぇっっ!!」
聞こえた声と共に脇腹に回された腕。
重力に反してアスファルトに引き戻される強さに、思わず目を開いたまま固まってしまう。
「お前、馬鹿か!?
あんな所で座ってたら落ちるって言っただろうが!!
何考えてっっ!?」
力強い腕に抱えられたまま怒鳴られてハッとする。
けして軽いとは言えないのに、その人は落ちそうになった私を軽々とアスファルトに戻した。
衝撃で被っていたフードが外れて肩にあたり、顔を上げれば、私以上に驚いた顔のその人は。
コメカミから側頭部にかけてドラゴンのタトゥーが入った厳つい人。
たぶん。
今の傷だらけの顔を見て驚いてるんだとすぐにわかった。
言葉を失うその人の腕から離れると、震える足を押さえて立ち上がった。
このままここに居ても、きっと色々聞かれる。
何か話始めたけど。
フードを被ってお礼を言うと、すぐに走り出した。
関わって欲しくない。
「お、おいっ!!」
後ろから呼び止める声は聞こえたけど。
逃げるのに追いかけてくる様子は無かった。
(………変な人。)
今思い出しても、よく分からなかった。
いきなり話しかけてきて、他人なのに危ないって怒って。
なにより。
(私のこと軽々と引っ張ったな……。)
信じられないくらいの怪力。
なんとなくまだ腕の感触が残っている。
まぁ、もう会うことも無いだろうけど。
(今日はどこで時間潰そうかな……)
バックに荷物を入れて立ち上がろうとした瞬間。
勢いよく開いた教室のドアから元気な男の子の声がした。
「タケミッチー!!遊ぼーぜ!」
ザワつく生徒達を余所に、声の主ともう1人が入ってくる気配で振り返れば。
(………昨日の人!?)
後ろから入ってきた人は、明らかに昨日私を助けてくれた人。
「ま、マイキー君!ドラケン君!!」
タケミッチと呼ばれた同級生は、慌てた様子でその2人に近づいて行った。
下手に絡まれても困る。
私はそっとフードを被り、バックを背負うと、その人達とは逆のドアから帰ることにした。
廊下を曲がる時、教室のドアが勢い良く開いた気がしたけど。
(あの人、ドラケンって言うのか………。)
気にせず学校を後にした。
助けてくれたのはありがたいけど。
あの時死んでいたら楽になれたかもしれない。
あのまま川に落ちていたら。
貴方は飛び込んででも助けてくれたの………?
セミが鳴く校庭をぼんやり眺めながら昨日の事を思い出す。
うちの家族は崩壊しきってる。
アル中の父親に、暴走族の兄貴。
母親は何年も前に蒸発している。
父親と兄貴は、気に入らないことがあれば加減を知らない暴力に走る。
だから、なるべく会わないように居ない時間とか、寝ている時間に家に寄ったりしていたのに。
昨日はたまたま兄貴と会ってしまった。
虫の居所が悪かった兄貴は、会うなり顔面を殴り、倒れた所を馬乗りで殴り続けた。
そのまま抵抗していなかったらきっと死んでいたのに。
ふとした瞬間携帯が鳴り、兄貴の関心が逸れた瞬間逃げ出していた。
それが毎回のこと。
慣れたと言うより、諦めていた。
まだ〖子供〗に分類される自分には、頼る人も逃げる場所もない。
歩き疲れて欄干に座り、そのまま目を閉じて落ちれば死ねると思ったのに。
「なぁ、お前何してんの?」
バイクが後ろに止まる音がしたと思ったら、急に真横に人が来た。
ぼんやりと視線を向けると、ガタイの良い男。
「………何もしてない。」
ポソりと。
口の中が切れて喋る気力も無くて。
それでも何も言わなくて絡まれるのは嫌だから、素っ気ない返事をして、また視線を戻す。
「お前、中学生か?
こんな時間にこんな所に居たら補導されるぞ?」
そのままぼんやりしてたら帰ってくれると思ったのに。
話を続けようとするから、返事もせずに川を見つめていると、その人も川を眺めてる。
しばらく黙って川を眺めてたけど。
飽きたのか、その人は欄干から手を放した。
「そんな所に座ってっと落ちるから気をつけろよ。」
ボソリと呟いて離れようとした瞬間。
橋を揺らしながら横切るトラックの風圧を背中に感じた。
「あっ……」
風に押される形で体勢が崩れて。
ぼんやりしてたせいで欄干を掴むこともできない。
(落ちるっっ……!)
目の前に広がる闇に落ちそうになった時。
「危ねぇっっ!!」
聞こえた声と共に脇腹に回された腕。
重力に反してアスファルトに引き戻される強さに、思わず目を開いたまま固まってしまう。
「お前、馬鹿か!?
あんな所で座ってたら落ちるって言っただろうが!!
何考えてっっ!?」
力強い腕に抱えられたまま怒鳴られてハッとする。
けして軽いとは言えないのに、その人は落ちそうになった私を軽々とアスファルトに戻した。
衝撃で被っていたフードが外れて肩にあたり、顔を上げれば、私以上に驚いた顔のその人は。
コメカミから側頭部にかけてドラゴンのタトゥーが入った厳つい人。
たぶん。
今の傷だらけの顔を見て驚いてるんだとすぐにわかった。
言葉を失うその人の腕から離れると、震える足を押さえて立ち上がった。
このままここに居ても、きっと色々聞かれる。
何か話始めたけど。
フードを被ってお礼を言うと、すぐに走り出した。
関わって欲しくない。
「お、おいっ!!」
後ろから呼び止める声は聞こえたけど。
逃げるのに追いかけてくる様子は無かった。
(………変な人。)
今思い出しても、よく分からなかった。
いきなり話しかけてきて、他人なのに危ないって怒って。
なにより。
(私のこと軽々と引っ張ったな……。)
信じられないくらいの怪力。
なんとなくまだ腕の感触が残っている。
まぁ、もう会うことも無いだろうけど。
(今日はどこで時間潰そうかな……)
バックに荷物を入れて立ち上がろうとした瞬間。
勢いよく開いた教室のドアから元気な男の子の声がした。
「タケミッチー!!遊ぼーぜ!」
ザワつく生徒達を余所に、声の主ともう1人が入ってくる気配で振り返れば。
(………昨日の人!?)
後ろから入ってきた人は、明らかに昨日私を助けてくれた人。
「ま、マイキー君!ドラケン君!!」
タケミッチと呼ばれた同級生は、慌てた様子でその2人に近づいて行った。
下手に絡まれても困る。
私はそっとフードを被り、バックを背負うと、その人達とは逆のドアから帰ることにした。
廊下を曲がる時、教室のドアが勢い良く開いた気がしたけど。
(あの人、ドラケンって言うのか………。)
気にせず学校を後にした。
助けてくれたのはありがたいけど。
あの時死んでいたら楽になれたかもしれない。
あのまま川に落ちていたら。
貴方は飛び込んででも助けてくれたの………?