和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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12years later
あれから12年。
東卍のメンバーはそれぞれカタギに戻り、バラバラになった。
「おぃ、浅葱~。」
ネクタイを締めながら浅葱を呼ぶ。
あの頃当たり前だった、ローションの匂いも、ピンクのタオルも、今ここにはない。
あるのは
汚れた工具と
オイルの匂いのする
この店。
「浅葱、俺の携帯とタイピン知らねぇ??」
でかい声で浅葱を呼びながら階段を降りる。
風呂場にも、キッチンにも、浅葱の姿は無くて。
「……ったく、アイツどこ行った。
浅葱~!!」
カフスを止めながら階段を降りれば。
「事務所~。」
事務所の方から浅葱の声がする。
ここは、小さなバイク屋。
ずっと夢だった、バイク屋。
それが
今の俺の家……。
「浅葱、俺の携帯とタイピン知らねぇ?」
事務所を覗き込めば、バイク屋の事務所には不釣り合いなスリップドレスを着て机に寄りかかりパソコンを弄る浅葱の姿。
「タイピンは無くすからって私のバックに昨日入れてたよ~。
携帯、事務所に置きっぱなしだったでしょ?
さっきイヌピー君から電話来てたよ~。」
俺の携帯をヒラヒラと見せながら、片手はキーボードを叩いていて。
「イヌピーなんだって?
浅葱、こんな日に何やってんだよ?」
椅子に腰掛けながら机に置かれた浅葱のコーヒーを飲めば。
当たり前のように膝の上に座る浅葱。
「マイキーさん迎えに行ったからこっち向かいますって。
もぉ、こんな日だからやってるんでしょ?
堅のことだから、帰ってくる頃には使い物にならなくなってそうだもん。」
こんな日。
机に置かれたカレンダーには。
今日の日付に〇が付いていて。
【タケミッチの結婚式】のメモ。
浅葱はパソコンで部品の発注をしていて。
「あ、そのオイルも注文して。」
パソコンの画面を見ながら指示する。
「しかし………。」
結婚式に呼ばれたからとはいえ。
浅葱のスリップドレスは肩から胸まで大きく開いていて。
あの時の傷跡が目立つ。
「露出、高すぎねぇか?」
寄りかかる浅葱の肩に軽く噛み付いて見せると、擽ったそうにする。
「よし、終わり~。
堅の横に居るならこれくらいしなきゃって三ツ谷さんが選んでくれたんだもん、しかたないよ(笑)」
パソコンを閉じながら、こちらに体を向けて。
飲みかけのコーヒーを受け取る。
「三ツ谷のとこのやつか。
ったく、それにしたって………。」
首から鎖骨まで残ったあの日の傷跡をなぞると。
「目立つだろ。」
普段、店ではツナギとかTシャツとかラフな格好をしてるせいで、あまり傷跡は見えないけど。
こうしてちゃんと露出のある服では目立ちすぎる。
でも。
傷跡に触れる手は浅葱の手で止められて。
「私、この傷跡、結構気に入ってるんだよ?」
少しだけ恥ずかしそうに笑う。
女の体に傷跡とか。
浅葱は俺の首に手を回して。
「これは、大好きな人を守れた証だから。カッコイイでしょ。」
嬉しそうにするから。
ため息をつく。
「………そーだな。」
ポケットを探り、手に取ったものを握りしめ、浅葱の顔を見上げる。
「なぁ、浅葱?」
名前を呼べば。
「なぁに?」
膝の上に居るせいで、俺を見下ろすと形になってる浅葱はキョトンとしていて。
面と向かって言うのは恥ずかしいけど。
「俺らも、そろそろ結婚するか?」
見上げる顔はまたクスリと笑って。
「どうしたの?
タケミチ君に先越されたのが悔しい?」
クスクス笑いながら、前髪がかかりそうな程近づく。
「そうじゃねぇけどよ。」
そっと、左手を引き寄せて、握りしめたリングを薬指にはめれば。
笑いから驚きに変わる顔。
「そろそろ落ち着いても良いんじゃねぇかってな………。」
そう言って、浅葱の首筋にキスを落とす。
今日の格好は一段とエロくて。
このままここでそれ以上をしたくなる。
「ちょ、ちょっと、堅!
ここでするの……?」
鎖骨からなぞるように舌を這わすと、焦る浅葱の声。
「なんだよ、ベッドが良いとか言うのか?」
イタズラに笑いながら顔を上げて浅葱を見つめると。
浅葱が見てるのは俺じゃなくて。
俺の後ろにある、事務所の入り口………。
「その………イヌピー君、来てる………。」
恥ずかしそうに。
「あぁ!?」
慌てて振り返れば。
真っ赤な顔をしたイヌピーが立ち尽くしてる。
「あ………なんか、邪魔した……?」
バツが悪そうなイヌピーは目を逸らしていて。
浅葱は俺の上から降りると、
俺も立ち上がる。
「はぁ………タイミング悪………。」
ため息をつきながら立ち上がると。
「オレ、先車乗ってるから。」
イヌピーは慌てて外に出てく。
グラスをキッチンに置いてクラッチバックを手にした浅葱が戻ってくるのを待って。
上着を羽織れば。
「ネクタイ曲がってる。」
ネクタイを直しながらタイピンを付けてくれる。
「さっきの話………。」
これでよし、と胸元をポンと叩いて浅葱が顔を上げる。
「あぁ?」
さっきの話?
視線を落とせば近づいてくる浅葱。
首に手を回して、触れるだけのキスをくれる。
「三ツ谷くんのドレス着せてくれるなら、良いよ。」
笑って離れると、玄関に向かって歩き出した。
「………ったく。」
ため息をついて鍵を持つと、裏からついて行く。
「また、仕事増やすようだな………。」
苦笑いで。
辛いことも、大変なこともあって今がある。
でも、この先。
浅葱の笑顔が守れて、この小さな店があって。
それでいいか………。
「今日はとことん飲むぞー!!」
笑いながら、太陽の元で騒ぐマイキー達の所へ歩き出した。
皆が笑ってられる未来へ………。
ーおわりー
あれから12年。
東卍のメンバーはそれぞれカタギに戻り、バラバラになった。
「おぃ、浅葱~。」
ネクタイを締めながら浅葱を呼ぶ。
あの頃当たり前だった、ローションの匂いも、ピンクのタオルも、今ここにはない。
あるのは
汚れた工具と
オイルの匂いのする
この店。
「浅葱、俺の携帯とタイピン知らねぇ??」
でかい声で浅葱を呼びながら階段を降りる。
風呂場にも、キッチンにも、浅葱の姿は無くて。
「……ったく、アイツどこ行った。
浅葱~!!」
カフスを止めながら階段を降りれば。
「事務所~。」
事務所の方から浅葱の声がする。
ここは、小さなバイク屋。
ずっと夢だった、バイク屋。
それが
今の俺の家……。
「浅葱、俺の携帯とタイピン知らねぇ?」
事務所を覗き込めば、バイク屋の事務所には不釣り合いなスリップドレスを着て机に寄りかかりパソコンを弄る浅葱の姿。
「タイピンは無くすからって私のバックに昨日入れてたよ~。
携帯、事務所に置きっぱなしだったでしょ?
さっきイヌピー君から電話来てたよ~。」
俺の携帯をヒラヒラと見せながら、片手はキーボードを叩いていて。
「イヌピーなんだって?
浅葱、こんな日に何やってんだよ?」
椅子に腰掛けながら机に置かれた浅葱のコーヒーを飲めば。
当たり前のように膝の上に座る浅葱。
「マイキーさん迎えに行ったからこっち向かいますって。
もぉ、こんな日だからやってるんでしょ?
堅のことだから、帰ってくる頃には使い物にならなくなってそうだもん。」
こんな日。
机に置かれたカレンダーには。
今日の日付に〇が付いていて。
【タケミッチの結婚式】のメモ。
浅葱はパソコンで部品の発注をしていて。
「あ、そのオイルも注文して。」
パソコンの画面を見ながら指示する。
「しかし………。」
結婚式に呼ばれたからとはいえ。
浅葱のスリップドレスは肩から胸まで大きく開いていて。
あの時の傷跡が目立つ。
「露出、高すぎねぇか?」
寄りかかる浅葱の肩に軽く噛み付いて見せると、擽ったそうにする。
「よし、終わり~。
堅の横に居るならこれくらいしなきゃって三ツ谷さんが選んでくれたんだもん、しかたないよ(笑)」
パソコンを閉じながら、こちらに体を向けて。
飲みかけのコーヒーを受け取る。
「三ツ谷のとこのやつか。
ったく、それにしたって………。」
首から鎖骨まで残ったあの日の傷跡をなぞると。
「目立つだろ。」
普段、店ではツナギとかTシャツとかラフな格好をしてるせいで、あまり傷跡は見えないけど。
こうしてちゃんと露出のある服では目立ちすぎる。
でも。
傷跡に触れる手は浅葱の手で止められて。
「私、この傷跡、結構気に入ってるんだよ?」
少しだけ恥ずかしそうに笑う。
女の体に傷跡とか。
浅葱は俺の首に手を回して。
「これは、大好きな人を守れた証だから。カッコイイでしょ。」
嬉しそうにするから。
ため息をつく。
「………そーだな。」
ポケットを探り、手に取ったものを握りしめ、浅葱の顔を見上げる。
「なぁ、浅葱?」
名前を呼べば。
「なぁに?」
膝の上に居るせいで、俺を見下ろすと形になってる浅葱はキョトンとしていて。
面と向かって言うのは恥ずかしいけど。
「俺らも、そろそろ結婚するか?」
見上げる顔はまたクスリと笑って。
「どうしたの?
タケミチ君に先越されたのが悔しい?」
クスクス笑いながら、前髪がかかりそうな程近づく。
「そうじゃねぇけどよ。」
そっと、左手を引き寄せて、握りしめたリングを薬指にはめれば。
笑いから驚きに変わる顔。
「そろそろ落ち着いても良いんじゃねぇかってな………。」
そう言って、浅葱の首筋にキスを落とす。
今日の格好は一段とエロくて。
このままここでそれ以上をしたくなる。
「ちょ、ちょっと、堅!
ここでするの……?」
鎖骨からなぞるように舌を這わすと、焦る浅葱の声。
「なんだよ、ベッドが良いとか言うのか?」
イタズラに笑いながら顔を上げて浅葱を見つめると。
浅葱が見てるのは俺じゃなくて。
俺の後ろにある、事務所の入り口………。
「その………イヌピー君、来てる………。」
恥ずかしそうに。
「あぁ!?」
慌てて振り返れば。
真っ赤な顔をしたイヌピーが立ち尽くしてる。
「あ………なんか、邪魔した……?」
バツが悪そうなイヌピーは目を逸らしていて。
浅葱は俺の上から降りると、
俺も立ち上がる。
「はぁ………タイミング悪………。」
ため息をつきながら立ち上がると。
「オレ、先車乗ってるから。」
イヌピーは慌てて外に出てく。
グラスをキッチンに置いてクラッチバックを手にした浅葱が戻ってくるのを待って。
上着を羽織れば。
「ネクタイ曲がってる。」
ネクタイを直しながらタイピンを付けてくれる。
「さっきの話………。」
これでよし、と胸元をポンと叩いて浅葱が顔を上げる。
「あぁ?」
さっきの話?
視線を落とせば近づいてくる浅葱。
首に手を回して、触れるだけのキスをくれる。
「三ツ谷くんのドレス着せてくれるなら、良いよ。」
笑って離れると、玄関に向かって歩き出した。
「………ったく。」
ため息をついて鍵を持つと、裏からついて行く。
「また、仕事増やすようだな………。」
苦笑いで。
辛いことも、大変なこともあって今がある。
でも、この先。
浅葱の笑顔が守れて、この小さな店があって。
それでいいか………。
「今日はとことん飲むぞー!!」
笑いながら、太陽の元で騒ぐマイキー達の所へ歩き出した。
皆が笑ってられる未来へ………。
ーおわりー
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