和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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「………チン、おーい!ケンチン!!」
マイキーの呼ぶ声にハッとする。
「………あ?」
タケミッチに会いに行くってマイキーが言い出して、この暑い中チャリを運転中。
ボーッとしていてマイキーに呼ばれるまで気づかなかった。
「珍しいじゃん!ケンチンがボーッとするなんて。」
熱中症?
そんなことを言いながら、後ろでマイキーが笑う。
「いや、そんなんじゃねぇけど………。」
ボーッとしていたと言うより、昨日見たアイツの事を考えていた。
欄干から下ろした時の少し驚いた顔と、無表情。
痛々しいアザつくる程のことって………。
「そこ右~。
今日ケンチン変じゃん!何かあった?」
後ろに乗るマイキーが揺さぶりながらナビをするから交差点を曲がる。
「あ~………昨日、幽霊みたいなヤツにあった(笑)」
強い日差しが照らす青空を眺めながら、昨日見た光景とソイツを思い出し、話す。
マイキーはふ~ん、と、話を聞いてくれる。
「でも、ケンチンが抱えられたってことは幽霊じゃないんだろ?
じゃあ、そのうち会えるだろ!」
覗き込みニカッと笑って、先に見える中学を指さした。
「とーちゃーく!!」
丁度帰る時間なのか、少しずつ生徒が出てくる所で校門にチャリを置き、学校に侵入していく。
マイキーと俺が歩いてることで、俺たちを知ってるやつは道を開けていく。
下駄箱に溜まってるタケミッチと同学年ぽいやつを見つけると、マイキーが話しかけに行く。
「なあ、タケミチってまだいる?」
急に話しかけられたことにより、下駄箱に居た男子は表情が引き攣る。
「あ、はい!!」
焦りながら返事する男子達にサンキュー!
と手を上げて、マイキーは気にせずタケミッチのクラスに歩いていく。
以前来た時騒ぎを起こしてヒナちゃんに怒られたから今回はなるべく騒がないように。
「タケミッチー!!遊ぼーぜ!」
クラスのドアを開けた途端、叫んだマイキーにクラス中が一斉にコチラに視線を向ける。
「ま、マイキー君!ドラケン君!!」
急に現れた俺たちに、相変わらず驚くタケミッチ。
気にせずクラスに入っていくと、ヒナちゃんも居る。
「こんにちは。ヒナちゃん。」
マイキーの後ろから挨拶すると、ヒナちゃんは笑顔で挨拶を返してくれる。
その間にも、マイキーはタケミッチを連れ出そうと話してる。
(そういや、昨日のヤツ。中学位かと思ったけど………。)
まさかここら辺に居ないだろう。
そんなことを考えながらなんとなくクラスを見渡すと………。
ちょうど教室から出ていくフードを被った姿が目に入った。
「あ、アイツ!!」
後ろ姿しか見えなかったけど。
慌てて廊下に出ると、丁度曲がる所で、フードの陰から昨日の切れた口元だけが見えた。
(やっぱりアイツだ!)
「ケンチン、どうした?」
急に動いた俺に驚いて、マイキーやタケミッチ達がついてくる。
「さっき話してたヤツ、多分居た。」
追いかけようと思ったけど、騒ぎを起こすのも悪いと思い、マイキーの方を見ると。
「浅葱ちゃんが、どうかしましたか?」
さっきの光景を見ていたヒナちゃんが後ろから声をかけた。
「アイツ、浅葱って言うの?」
名前も知らなかったから探しようが無かったけど。
タケミッチと同じクラスから出ていったんなら同じクラスだろう。
「はい。あの子、全く喋らなくて私も話したことはないですけど。」
それから、ヒナちゃんとタケミッチに浅葱の話を聞くことが出来た。
浅葱は毎日ちゃんと学校には来るけど、誰が話しかけても答えることなく、時々怪我して学校に来るから暴走族なんじゃないかとか噂があるらしく。
タケミッチを含めて、誰も浅葱の声すら聞いた事がないらしい。
「俺、昨日アイツと話した。」
浅葱が帰っていく校庭を眺めながら呟くと、ヒナちゃんが驚いてた。
「じゃあさ、追いかけて話しかけようぜ?」
マイキーが楽しそうに追いかけようとしたけど。
「いや、別にいいよ。
生きてるってことはわかったし。」
幽霊じゃないし、ちゃんと名前もわかった。
たぶん追いかけて話しかけてもまた返事はないんだろうし。
今はそれだけで充分だった……。