和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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少し肌寒くなった闇夜に
ゼファーのマフラー音だけが響く。
(ったく、どこ行きやがった………。)
浅葱は笑って出かけてくるとは言ったけど。
帰ってこないかもしれない…………。
俺が放った言葉で浅葱を傷付けた。
分かってる。
今は
後悔しかねぇ……。
あんなに俺を想って、傷付いて。
守ろうと必死で。
なのに。
手放すことで、俺は浅葱が守れると思ってた。
なのに。
手放す事を考えたら。
自分がムカついてきて………。
「………あー!!クソっ!!」
思い当たるところに居ないことが更にムカつく。
河川敷にゼファーを止めて、座り込む。
今、浅葱を見つけて、なんて声かけんだよ?
帰ってこい?
俺が悪かった?
(…………そうじゃねぇだろ………。)
言わなきゃならねぇ言葉は自分で分かってんのに。
言わなきゃなんねぇ奴が居ねぇ………。
(そういえば………。)
思い出したのは。
初めて出会った橋。
確か、この先だけど。
(まさか、あそこに………。)
1番いて欲しくねぇ所。
あの日、アイツはあそこから飛び降りようとしてた。
大した距離じゃねぇから、ゼファーのエンジンは止めたまま、近くまで押していけば。
橋に見える人影。
息を飲んだ。
「………浅葱……」
車のヘッドライトに照らされる浅葱は、ぼんやりと。
川を眺めてる。
あの日と違うのは、欄干に座ってないだけ。
「…………浅葱!!」
まさか、飛び降りる気なのか?
ゼファーを止めて走り寄ると。
顔を上げた浅葱と目が合う。
「………堅………。」
泣いてるわけでもなく。
ほんとに、ただぼんやりと。
川を見てただけ。
「お前、何やってんだよ………。」
心臓が早鐘を打つのを抑えながら近寄れば。
浅葱はまた川に視線を戻す。
「ねぇ………。
場地さんは、後悔しなかったかな………。」
そう言う浅葱は、少し悲しそうにしてる。
「後悔はあるだろ………。やりてぇ事だって、沢山あっただろ………。」
不意に出た場地の事で、言わなきゃいけねぇ事が言えない。
浅葱は、河から満点の星空を見上げて。
ため息をつく。
「私も、あの日堅が助けてくれなかったら、きっと後悔してたかもね………。
生きてく事が辛かったのに。
今は死にたいと思わなくなったよ。」
そう言って、笑う。
「俺も………死ぬ時は後悔したくねぇ………。」
そっと、横に並ぶと。
浅葱は俺を見上げる。
「ずっとカッコつけてるつもりだったけど。
言わねぇ方がかっこ悪い事もあるからな………。」
そっと浅葱の腕を引くと、簡単に腕の中に収まる浅葱。
浅葱の顔が見えないように、浅葱の顔を胸に埋めると。
「………お前が好きなんだよ。
俺のモンになれよ………。」
吐き捨てるように。
思ってた事を口にする。
どんなに強い相手と喧嘩する時より早まる心音が、浅葱に聞こえてるのが少し恥ずかしくなるけど。
「………良いの?
守るの、大変じゃないの……?」
腕の中で顔を上げる浅葱は不安そうな顔をしていて。
「それでも、お前を誰にも渡したくねぇんだよ………。」
顔を上げた浅葱の額に口付けると。
驚いた顔をする。
「勝手にどっか行くんじゃねぇ………。」
優しい言葉なんか出てこねぇけど。
「………ごめんね。」
浅葱は、笑って頷く。
やっぱり、コイツを離したくねぇ………。
「あ、ドラケン君じゃないっすか!」
聞きなれた声に驚いて、思わず浅葱を離して振り返れば。
「タケミッチ………。」
通りかかったタケミッチは、俺の体に隠れて見えなかった浅葱を見て驚く。
「あ、なんかすみません!!
浅葱さんと、一緒だったんすね!!」
さっきの光景を見られてたと思うと、少し恥ずかしくなる。
「おまっっ、なんでこんなとこにっ!?」
慌てながらも、なるべく浅葱を隠して。
何処にも行かないように、手を繋ぐ。
何事も無かったようにすれば。
タケミッチも普通に接してくれる。
「さっきまで、三ツ谷さんたちと居て。
聞いてくださいよっ!」
平然と、ありきたりな話をしてる。
(さっさと帰るか………。)
適当にあしらって帰ろうかと思ってた矢先。
「わりぃけど、さみぃからそろそろ……」
後ろにいる浅葱の手を引こうと思った時………。
「ドラケン君!!」
背後を見たタケミッチが叫んで。
振り返った瞬間。
「堅、危ないっ!!」
浅葱に押されて体がぐらついて。
浅葱を見れば………。
浅葱の前に立ちはだかる男と
風に舞う
真っ赤な鮮血…………。
「浅葱!!」
倒れ込む浅葱を抱きとめて顔を上げれば。
手にサバイバルナイフを持った男。
荒い息を吐きながら。
「っクソ!邪魔しやがって!!」
聞き覚えのある声。
「お前………」
それは、浅葱の兄貴。
俺と目が合ったそいつは。
「浅葱が邪魔するから………!!」
そう言って走り出す。
「待て!!」
追いかけようとした時、
「ドラケン君、ダメだ!!」
タケミッチが服を掴んで引き止める。
「ダメじゃねぇだろ!!
アイツ、殺す!!」
追いかけて殺してやると思ったのに。
「ダメだって!!ドラケン君落ち着いて!
浅葱さんが先!!今救急車呼んだから!!」
ハッとして、腕の中の浅葱を見れば。
首から鎖骨までざっくり切られて溢れ出す鮮血。
「おい!浅葱!!」
名前を呼べば。
眉間にシワを寄せてゆっくりと開く瞳。
「しっかりしろ!今、救急車来るから!!」
溢れ出す血は止まることなく、どんどん俺の服に染みてくる。
浅葱は肩で息をしながら、笑う。
「………堅………無事………?良かった………。」
俺の無事を安心するように震える手が俺の顔に触れて。
「俺は大丈夫だよ。
お前………何やってんだよ!」
首の血を止めようと手で押さえても、指の隙間からどんどんと流れ出て。
手に力が入らねぇ………。
「ドラケン君、これで強く押さえて。」
タケミッチが差し出したタオルを受け取って押さえるけど。
手の中で浅葱の首が脈打つように出血してるのがわかる。
「しっかりしろよ?まだ救急車来ねぇのか!?」
焦りながらも、浅葱に声を掛ければ、弱々しく笑う。
「堅………そんなに………焦らないで……。
私は………大……丈夫………だから……。」
喋るほど、どんどんタオルが血液で染まっていく。
それを見てるだけで、震えが出る。
「大丈夫じゃねぇだろ!もう、喋るな!!」
せめて、出血だけでも抑えられたら。
そう思うのに。
「………いつも……守ってもらった………から………。
守れて………良かった………。」
浅葱は苦しそうに肩で息をしながら、笑ってる。
「守ってくれなんて言ってねぇだろ!!
もう、喋るなよ!!」
浅葱の顔から血の気が引いてくのが分かるから。
喋らせたくないのに。
遠くで救急車のサイレンが聞こえて。
やっと到着する。
そう、思ったのに………。
「堅…………大好き………。」
笑った浅葱は目をゆっくり閉じて、
頬を撫でる手が
落ちた………。
「おぃ、浅葱?
おい!しっかりしろよ!!
目ぇ、開けろよ!!」
揺さぶっても、浅葱は目を開けなかった…………。
「浅葱!!!」
暗い河川敷に、俺の声だけが
響いていた…………。
ゼファーのマフラー音だけが響く。
(ったく、どこ行きやがった………。)
浅葱は笑って出かけてくるとは言ったけど。
帰ってこないかもしれない…………。
俺が放った言葉で浅葱を傷付けた。
分かってる。
今は
後悔しかねぇ……。
あんなに俺を想って、傷付いて。
守ろうと必死で。
なのに。
手放すことで、俺は浅葱が守れると思ってた。
なのに。
手放す事を考えたら。
自分がムカついてきて………。
「………あー!!クソっ!!」
思い当たるところに居ないことが更にムカつく。
河川敷にゼファーを止めて、座り込む。
今、浅葱を見つけて、なんて声かけんだよ?
帰ってこい?
俺が悪かった?
(…………そうじゃねぇだろ………。)
言わなきゃならねぇ言葉は自分で分かってんのに。
言わなきゃなんねぇ奴が居ねぇ………。
(そういえば………。)
思い出したのは。
初めて出会った橋。
確か、この先だけど。
(まさか、あそこに………。)
1番いて欲しくねぇ所。
あの日、アイツはあそこから飛び降りようとしてた。
大した距離じゃねぇから、ゼファーのエンジンは止めたまま、近くまで押していけば。
橋に見える人影。
息を飲んだ。
「………浅葱……」
車のヘッドライトに照らされる浅葱は、ぼんやりと。
川を眺めてる。
あの日と違うのは、欄干に座ってないだけ。
「…………浅葱!!」
まさか、飛び降りる気なのか?
ゼファーを止めて走り寄ると。
顔を上げた浅葱と目が合う。
「………堅………。」
泣いてるわけでもなく。
ほんとに、ただぼんやりと。
川を見てただけ。
「お前、何やってんだよ………。」
心臓が早鐘を打つのを抑えながら近寄れば。
浅葱はまた川に視線を戻す。
「ねぇ………。
場地さんは、後悔しなかったかな………。」
そう言う浅葱は、少し悲しそうにしてる。
「後悔はあるだろ………。やりてぇ事だって、沢山あっただろ………。」
不意に出た場地の事で、言わなきゃいけねぇ事が言えない。
浅葱は、河から満点の星空を見上げて。
ため息をつく。
「私も、あの日堅が助けてくれなかったら、きっと後悔してたかもね………。
生きてく事が辛かったのに。
今は死にたいと思わなくなったよ。」
そう言って、笑う。
「俺も………死ぬ時は後悔したくねぇ………。」
そっと、横に並ぶと。
浅葱は俺を見上げる。
「ずっとカッコつけてるつもりだったけど。
言わねぇ方がかっこ悪い事もあるからな………。」
そっと浅葱の腕を引くと、簡単に腕の中に収まる浅葱。
浅葱の顔が見えないように、浅葱の顔を胸に埋めると。
「………お前が好きなんだよ。
俺のモンになれよ………。」
吐き捨てるように。
思ってた事を口にする。
どんなに強い相手と喧嘩する時より早まる心音が、浅葱に聞こえてるのが少し恥ずかしくなるけど。
「………良いの?
守るの、大変じゃないの……?」
腕の中で顔を上げる浅葱は不安そうな顔をしていて。
「それでも、お前を誰にも渡したくねぇんだよ………。」
顔を上げた浅葱の額に口付けると。
驚いた顔をする。
「勝手にどっか行くんじゃねぇ………。」
優しい言葉なんか出てこねぇけど。
「………ごめんね。」
浅葱は、笑って頷く。
やっぱり、コイツを離したくねぇ………。
「あ、ドラケン君じゃないっすか!」
聞きなれた声に驚いて、思わず浅葱を離して振り返れば。
「タケミッチ………。」
通りかかったタケミッチは、俺の体に隠れて見えなかった浅葱を見て驚く。
「あ、なんかすみません!!
浅葱さんと、一緒だったんすね!!」
さっきの光景を見られてたと思うと、少し恥ずかしくなる。
「おまっっ、なんでこんなとこにっ!?」
慌てながらも、なるべく浅葱を隠して。
何処にも行かないように、手を繋ぐ。
何事も無かったようにすれば。
タケミッチも普通に接してくれる。
「さっきまで、三ツ谷さんたちと居て。
聞いてくださいよっ!」
平然と、ありきたりな話をしてる。
(さっさと帰るか………。)
適当にあしらって帰ろうかと思ってた矢先。
「わりぃけど、さみぃからそろそろ……」
後ろにいる浅葱の手を引こうと思った時………。
「ドラケン君!!」
背後を見たタケミッチが叫んで。
振り返った瞬間。
「堅、危ないっ!!」
浅葱に押されて体がぐらついて。
浅葱を見れば………。
浅葱の前に立ちはだかる男と
風に舞う
真っ赤な鮮血…………。
「浅葱!!」
倒れ込む浅葱を抱きとめて顔を上げれば。
手にサバイバルナイフを持った男。
荒い息を吐きながら。
「っクソ!邪魔しやがって!!」
聞き覚えのある声。
「お前………」
それは、浅葱の兄貴。
俺と目が合ったそいつは。
「浅葱が邪魔するから………!!」
そう言って走り出す。
「待て!!」
追いかけようとした時、
「ドラケン君、ダメだ!!」
タケミッチが服を掴んで引き止める。
「ダメじゃねぇだろ!!
アイツ、殺す!!」
追いかけて殺してやると思ったのに。
「ダメだって!!ドラケン君落ち着いて!
浅葱さんが先!!今救急車呼んだから!!」
ハッとして、腕の中の浅葱を見れば。
首から鎖骨までざっくり切られて溢れ出す鮮血。
「おい!浅葱!!」
名前を呼べば。
眉間にシワを寄せてゆっくりと開く瞳。
「しっかりしろ!今、救急車来るから!!」
溢れ出す血は止まることなく、どんどん俺の服に染みてくる。
浅葱は肩で息をしながら、笑う。
「………堅………無事………?良かった………。」
俺の無事を安心するように震える手が俺の顔に触れて。
「俺は大丈夫だよ。
お前………何やってんだよ!」
首の血を止めようと手で押さえても、指の隙間からどんどんと流れ出て。
手に力が入らねぇ………。
「ドラケン君、これで強く押さえて。」
タケミッチが差し出したタオルを受け取って押さえるけど。
手の中で浅葱の首が脈打つように出血してるのがわかる。
「しっかりしろよ?まだ救急車来ねぇのか!?」
焦りながらも、浅葱に声を掛ければ、弱々しく笑う。
「堅………そんなに………焦らないで……。
私は………大……丈夫………だから……。」
喋るほど、どんどんタオルが血液で染まっていく。
それを見てるだけで、震えが出る。
「大丈夫じゃねぇだろ!もう、喋るな!!」
せめて、出血だけでも抑えられたら。
そう思うのに。
「………いつも……守ってもらった………から………。
守れて………良かった………。」
浅葱は苦しそうに肩で息をしながら、笑ってる。
「守ってくれなんて言ってねぇだろ!!
もう、喋るなよ!!」
浅葱の顔から血の気が引いてくのが分かるから。
喋らせたくないのに。
遠くで救急車のサイレンが聞こえて。
やっと到着する。
そう、思ったのに………。
「堅…………大好き………。」
笑った浅葱は目をゆっくり閉じて、
頬を撫でる手が
落ちた………。
「おぃ、浅葱?
おい!しっかりしろよ!!
目ぇ、開けろよ!!」
揺さぶっても、浅葱は目を開けなかった…………。
「浅葱!!!」
暗い河川敷に、俺の声だけが
響いていた…………。