和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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あれから1週間。
毎日はなんとなく過ぎていた。
顔のアザは消え、傷も殆ど目立たなくなってた。
時々マイキーさん達が気を使って来てくれたり、私は夏休みの宿題をしていたり。
ただ、この部屋に居るだけ。
たまに出かけても、堅と歩いた風景が蘇って。
いつも思い出すのは、笑う堅の顔。
なんとなく目を伏せてしまう………。
ニュースでは、もうあの抗争の事なんて誰も触れてない。
暴走族同士の争いなんてそんなもんなのだろう。
「………ふぅ。」
今朝は、寝起きのキャミとショートパンツの姿のまま、起きてすぐ部屋を片付けた。
部屋の掃除が終わり、立ったままジュースを飲んで部屋を見渡す。
壁には楽しそうに皆で撮った写真が飾ってあり、バイクの雑誌が並ぶ中、部屋で一際目立つ黒い服。
写真でもいつも堅が自信満々で笑ってる時はこの特攻服を着ている。
(いつ見ても、凄いな………。)
ペットボトルを置いて、綺麗に仕立てられ、壁に飾られた特攻服に触れてみる。
腕には『初代副総長』の文字の刺繍。
堅は、いつも自信満々にしていて。
総長のマイキーさんを支えて、皆をまとめている。
ハンガーから外して、袖を通してみる。
長すぎて手が出ない袖、引きずってしまいそうな裾。
「………おっきぃ………(笑)」
鏡に映る私は、まるで子供みたい。
ダボダボの特攻服が今にも肩から落ちそう。
でも。
特攻服からは、微かに堅の匂いがしてくるから。
いつも、目が覚めると鼻をくすぐっていた堅の匂いに、心が痛くなる。
ポスンッと。
特攻服を着たままベッドに横になれば、窓から見える空は青くて。
堅の匂いに包まれたままぼんやりしてしまう。
堅は、ボロボロの私を守ってくれるって言った。
でも、抱きしめて眠る事も、触れられる事も、嫌だと思わなかった。
むしろ、今は堅に触れられないのに。
堅に、触れて欲しい……。
『さすがケンチンの彼女。肝が座ってる。』
笑いながら話すマイキーさんの言葉を思い出す。
(彼女かぁ………。)
考えれば考えるほど。
堅を異性として好きじゃない理由がない。
むしろ、私を好きになって欲しいとすら思う。
「そっかぁ………。
私、堅の事好きだったんだ………。」
堅の匂いが心地よくて。
顔を腕で隠し、目に入る太陽を遮り。
ウトウトとしながら自分の気持ちに気付く。
気付いた気持ちに少しだけ笑えてくる。
(早く………帰ってきて………。)
瞼に写る堅の笑顔に話しかけて。
押し寄せてくる眠気に身を任せる。
同時刻、ビルの真下にて。
「三ツ谷、サンキュな。」
無事、退院をして。
迎えに来てくれた三ツ谷に家まで送ってもらった。
「うっす。本当に浅葱ちゃんに知らせなくて良かったのか?」
退院することは数日前から決まっていて、マイキー達も浅葱に教えてくるって張り切ってたけど。
黙っててくれと口止めしといた。
病院で意識が戻った時、初めに思い出したのは浅葱の事で。
マイキー達が浅葱の所に行ってくれて説明してくれた事を知った。
その時。
弱った姿を自分に見せたくないだろうから自分は病院に行かない。
部屋で待ってると。
浅葱は強く笑って言ってたらしい。
確かに。
ボロボロの姿なんか見られたくない。
(知らないうちに理解されてるもんなんだな。)
「驚かしてやりてぇから良いんだ。
後でマイキーのとこ行くわ。」
含み笑いを噛み殺し、荷物を背負うと。
そっか。
そう言って笑う三ツ谷はアクセルを吹かした。
「んじゃ、また。」
手を挙げて走り出す三ツ谷を見送り、部屋のある窓を見上げる。
(やっと、帰ってきた……。)
抗争があったあの日からもう1週間以上。
まだ傷は塞がってねぇけど。
オレは………ここに帰りたかったんだ………。
エレベーターが指定の階に到着してドアが開けば。
受付のおっさんが一瞬こちらに目を向ける。
「よぉ、ケン坊。やっと退院か(笑)」
相変わらず飄々と。
パソコンを見ながらこっちに話しかける。
「おぅ。浅葱は部屋にいんの?」
ずっと帰ってなかったけど、きっと浅葱は部屋に居る。
分かってるけど聞いてみれば。
「あん?ずっと居るぞ。
ほとんど出かけなくて、たまに死んでるのかヒヤヒヤしたわ(笑)」
そういって笑う。
俺も笑いながら部屋に向かう。
どんな顔すんだろう?
喜ぶのか?
驚くのか。
今はただ、抱きしめてぇ………。
ノックもせずにそっとドアを開ければ。
「…………なんだ?」
ベッドの上に黒い塊が転がっている。
荷物を起きながら近づけば。
それは……………
(浅葱…………。)
キャミにショートパンツ姿で特服に身を包んだ、浅葱の姿………。
毎日はなんとなく過ぎていた。
顔のアザは消え、傷も殆ど目立たなくなってた。
時々マイキーさん達が気を使って来てくれたり、私は夏休みの宿題をしていたり。
ただ、この部屋に居るだけ。
たまに出かけても、堅と歩いた風景が蘇って。
いつも思い出すのは、笑う堅の顔。
なんとなく目を伏せてしまう………。
ニュースでは、もうあの抗争の事なんて誰も触れてない。
暴走族同士の争いなんてそんなもんなのだろう。
「………ふぅ。」
今朝は、寝起きのキャミとショートパンツの姿のまま、起きてすぐ部屋を片付けた。
部屋の掃除が終わり、立ったままジュースを飲んで部屋を見渡す。
壁には楽しそうに皆で撮った写真が飾ってあり、バイクの雑誌が並ぶ中、部屋で一際目立つ黒い服。
写真でもいつも堅が自信満々で笑ってる時はこの特攻服を着ている。
(いつ見ても、凄いな………。)
ペットボトルを置いて、綺麗に仕立てられ、壁に飾られた特攻服に触れてみる。
腕には『初代副総長』の文字の刺繍。
堅は、いつも自信満々にしていて。
総長のマイキーさんを支えて、皆をまとめている。
ハンガーから外して、袖を通してみる。
長すぎて手が出ない袖、引きずってしまいそうな裾。
「………おっきぃ………(笑)」
鏡に映る私は、まるで子供みたい。
ダボダボの特攻服が今にも肩から落ちそう。
でも。
特攻服からは、微かに堅の匂いがしてくるから。
いつも、目が覚めると鼻をくすぐっていた堅の匂いに、心が痛くなる。
ポスンッと。
特攻服を着たままベッドに横になれば、窓から見える空は青くて。
堅の匂いに包まれたままぼんやりしてしまう。
堅は、ボロボロの私を守ってくれるって言った。
でも、抱きしめて眠る事も、触れられる事も、嫌だと思わなかった。
むしろ、今は堅に触れられないのに。
堅に、触れて欲しい……。
『さすがケンチンの彼女。肝が座ってる。』
笑いながら話すマイキーさんの言葉を思い出す。
(彼女かぁ………。)
考えれば考えるほど。
堅を異性として好きじゃない理由がない。
むしろ、私を好きになって欲しいとすら思う。
「そっかぁ………。
私、堅の事好きだったんだ………。」
堅の匂いが心地よくて。
顔を腕で隠し、目に入る太陽を遮り。
ウトウトとしながら自分の気持ちに気付く。
気付いた気持ちに少しだけ笑えてくる。
(早く………帰ってきて………。)
瞼に写る堅の笑顔に話しかけて。
押し寄せてくる眠気に身を任せる。
同時刻、ビルの真下にて。
「三ツ谷、サンキュな。」
無事、退院をして。
迎えに来てくれた三ツ谷に家まで送ってもらった。
「うっす。本当に浅葱ちゃんに知らせなくて良かったのか?」
退院することは数日前から決まっていて、マイキー達も浅葱に教えてくるって張り切ってたけど。
黙っててくれと口止めしといた。
病院で意識が戻った時、初めに思い出したのは浅葱の事で。
マイキー達が浅葱の所に行ってくれて説明してくれた事を知った。
その時。
弱った姿を自分に見せたくないだろうから自分は病院に行かない。
部屋で待ってると。
浅葱は強く笑って言ってたらしい。
確かに。
ボロボロの姿なんか見られたくない。
(知らないうちに理解されてるもんなんだな。)
「驚かしてやりてぇから良いんだ。
後でマイキーのとこ行くわ。」
含み笑いを噛み殺し、荷物を背負うと。
そっか。
そう言って笑う三ツ谷はアクセルを吹かした。
「んじゃ、また。」
手を挙げて走り出す三ツ谷を見送り、部屋のある窓を見上げる。
(やっと、帰ってきた……。)
抗争があったあの日からもう1週間以上。
まだ傷は塞がってねぇけど。
オレは………ここに帰りたかったんだ………。
エレベーターが指定の階に到着してドアが開けば。
受付のおっさんが一瞬こちらに目を向ける。
「よぉ、ケン坊。やっと退院か(笑)」
相変わらず飄々と。
パソコンを見ながらこっちに話しかける。
「おぅ。浅葱は部屋にいんの?」
ずっと帰ってなかったけど、きっと浅葱は部屋に居る。
分かってるけど聞いてみれば。
「あん?ずっと居るぞ。
ほとんど出かけなくて、たまに死んでるのかヒヤヒヤしたわ(笑)」
そういって笑う。
俺も笑いながら部屋に向かう。
どんな顔すんだろう?
喜ぶのか?
驚くのか。
今はただ、抱きしめてぇ………。
ノックもせずにそっとドアを開ければ。
「…………なんだ?」
ベッドの上に黒い塊が転がっている。
荷物を起きながら近づけば。
それは……………
(浅葱…………。)
キャミにショートパンツ姿で特服に身を包んだ、浅葱の姿………。