和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
風に舞う
君の名前は?
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「じゃあ………舐めて。」
ニヤリと笑うドラケンさんの顔が頭から離れない。
体は傷だらけで痛かったけど、ドラケンさんが与えてくれた場所は私には今までで一番安心できる場所。
「お前は俺が守ってやる。」
強い言葉が、私を救ってくれた。
なのに。
時々、ドラケンさんの仕草や行動にドキドキさせられる。
あの時、キスしても良いと思ってしまった自分に少し戸惑うけど。
ドラケンさんが好きなのか、私はまだわからない……。
「浅葱、髪縛って。」
シャワーを浴びたドラケンさんは水を飲みながら上半身裸で目の前に座る。
ボディーソープのいい匂いと、まだ背中に光る汗が、少しだけ卑猥で。
落ち着いたフリをしてドラケンさんの暖かい髪を纏めていく。
髪を上げたことで耳の横に見えるタトゥー。
思わずそっと触ると、少しだけ驚いていた。
「綺麗なドラゴン……。」
初めて見た時から印象的だったタトゥー。
ドラケンさんはタトゥーに触れる私の手を掴むと、振り返って笑った。
「かっけぇだろ?これが俺の目印だからな。」
このタトゥーを見ても喧嘩を売ってくるのはドラケンだって知らないバカだって、自信たっぷりな表情。
「本当に、強いんだね……。」
そっと手を放し、後ろの髪を三つ編みにして。
「はい、できた。」
櫛を片付けるのに立ち上がると、鏡を見て確認したドラケンさんは笑う。
「完璧。サンキュ。」
ドラケンさんも立ち上がり、上着を羽織る。
荷物を持つと、部屋を出てバイクを置いている駐車場まで行く。
その間も、ドラケンさんは鼻歌混じりで楽しそう。
「浅葱はこれ被る。」
そう言ってヘルメットを被らせると、
ゼファーのエンジンをかけてまたがる。
ほら、乗れよ。
そう言われ、後ろに乗ったけど。
バイクなんて初めてだから。
どこに掴まれば良いかすらわからない。
シートに手を置いてると、振り返ったドラケンさんは怪訝な顔をする。
「そんな所掴まってると、吹っ飛ばされるぞ?腰掴め。」
そう言われてそっと服を掴むと。
腕を掴んで腰に回される。
「ちゃんと掴んどけ。落ちるなよ?」
笑いながら言うと、ゼファーのマフラー音を響かせて一気に走り出した。
(うわっ………)
今までに感じたことの無い疾走感と肌に当る風。
ジェットコースターのように一気にスピードが乗り、しがみついていないと本当に飛ばされそう。
「は………速い………。」
あまりのスピードに必死に抱きついてると。
「良い風だろ?怖いか?」
前を見てるドラケンさんは声だけかけてくれる。
とても嬉しそうな声。
「怖くはない………かな……。」
本当は少し怖いけど。
少しずつ楽しくなってくる。
「そりゃ良かった。もうちっと飛ばすぞ。」
さらにアクセルが開き、スピードが増す。
風が気持ちよくて。
今まで嫌だと思ってたことをすっかり忘れてしまいそう。
しばらく夜の街を走ってから。
何台もバイクが止まる駐車場に到着した。
「やっとケンチン来た~。」
ドラケンさんの体が大きくて、見えないけど、どうやら友達が沢山居るみたいで、バイクのエンジン音や、騒ぐ声が聞こえる。
「なんだ、結局1人かよ。」
「あれ、浅葱さんやっぱり来なかったんですか?」
中には聞き覚えのある声も聞こえて、ドラケンさんの後ろから顔を出すと。
「「「あー!!」」」
私を見つけた人達が声を上げてびっくりする。
「うっせぇな。連れてきたぞ。」
降りていいと言われてバイクから降りてヘルメットを取ると、目の座った金髪の人が近づいてきた。
「浅葱ちゃんだー。ケンチンの友達なら俺も友達だな!」
ニカッと笑って抱きついてくる。
いきなりの行為に驚いて、フリーズしたままドラケンさんを見上げると。
「マイキー、浅葱が固まってるからやめてやれ。」
そう言ってマイキーさんを剥がしてくれる。
近づいてきたマイキーさんの他にも、沢山の人が興味深々でこちらを見てることが怖くて。
思わずドラケンさんに近寄ってしまう。
「大丈夫だ。みんな良い奴だから。」
笑って腰に手を回された。
「浅葱さん、怪我はもう大丈夫?
制服、もう少しで出来るから、そしたらドラケンに渡すね。」
短髪で大きなピアスを付けた人は、驚かさないように声をかけてくれて。
この人が言ってた三ツ谷さんなのだと気づく。
「あ、はい………。ありがとうございます………。」
思わずぎこちない挨拶をしてしまう。
横には、見覚えのあるクラスメイトが、青ざめた表情でこちらを見ている。
「浅葱さん、本当にドラケン君の所にいるんだね。びっくりした。」
名前は、確か花垣君………だったっけ……。
何か話そうとすると、ドラケンさんは背中から腰に回した腕に力を入れて私を腕の中に引き込む。
「なんだ、タケミッチ羨ましいか?」
まるで自分の物のように、離そうとしないから、マイキーさん達が呆れる。
「見せびらかしに来たのかよ(笑)」
皆、笑いながら各々自由にしているのが、楽しそうで。
こんな中にドラケンさんは居るんだなと思ったら、少しだけ羨ましくも思えた。
「浅葱ちゃん、おれも抱っこしたい~。」
時々、マイキーさんに抱えられては、やっぱり慣れなくてフリーズしてしまう私に、ちゃんと見ててくれるドラケンさん。
(最高の景色って、バイクに乗った風景もだけど、こうやって皆と騒いでるのも、ドラケンさんにとっては最高の景色なんだな………。)
今まで知らなかったドラケンさんの事を少しずつ知れることが嬉しくて。
それでも、誰よりも近くに居たいと思えるのはやっぱりドラケンさんで。
「ドラケンさん……。」
名前を呼べば、騒がしくて話が聞こえないらしく何だ?と顔を近付けてくる。
「最高の景色を見せてくれてありがとう………。」
耳元で囁くと、驚いたように私の顔を見る。
そして、今まで以上に笑ってくれる。
「浅葱、お前、やっぱり笑ってた方が可愛いな。」
そう言って頭を撫でられる。
どうやら、知らないうちに私は笑えていたみたい。
可愛いなんて言われたことないから。
恥ずかしくなる。
思わず俯いてると。
「よし、そろそろ行くぞー!」
マイキーさんの声で今度は集団で流す事になる。
ドラケンさんの後ろに乗り腰にしがみつけば。
「眠かったら寝ていいけど落ちるなよ(笑)?」
そう言って笑うと、ゼファーのアクセルを吹かし、マイキーさんの後に続いていった。
ドラケンさんはいつも以上に笑っていて。
皆楽しそうで。
こんな日が、ずっと続いていくれたら良いのにって、思ってしまった……………。