カーテンの隙間から漏れる光に顔をしかめる。

まぶしい………
喉が乾いた………

飲み物を求めて体を起こそうとすると、何か暖かいものに抱き締められていることに気づいた。


(そういえば、昨日って酔っぱらって公園で寝ちゃって女の子に拾われたんだっけ………)


我ながらあっけらかんとした展開に少し笑いつつ、抱き締めてる相手の顔を覗きこむ。
自分より身長は低かったはずなのに俺の頭を胸に抱えて、寒いのに背中を出して眠っている。
シングルの布団に二人だ。
そりゃどちらかは出るだろう。
ぐっすり眠っている彼女を布団に引きずり込み、顔を自分と同じ高さまで持ってくる。
少し幼いけど、顔立ちの整った可愛い子。
なんでそんな子が夜中にあんなところを歩いていたのか？
水商売？


やっと暖かくなってきた背中をさすりながら、昨日介抱されていた自分がおかしくなる。
死のうとしていたことは事実。
でも、死ぬ前に誘拐されたな、と。


「んっ………」
人に触られた感触で彼女が起きかけた。

眩しさに目を凝らしながらゆっくりと開いた瞳。
薄いブラウンの瞳と視線が絡む。

「…………おはよう？」