「ハァッ…………ハァッ………」


苦しい。
体の全体が
酸素を求めてる………


それに。
脳が追い付いてない………



幸い叩きつけられたところは草むらで、怪我することはなかったけど。



浅葱も俺と同じく肩で息をして苦しそうだった。



「なんでっ………ハァッ………ハァッ……」


聞きたいこと、いっぱいあるのに………


苦しすぎて言葉にならない。


浅葱を抱き締めたまま呼吸が落ち着くのを待った………



しばらくして呼吸が落ち着くと


まずは顔が見たくて。


組紐をほどくと前を向いていいる浅葱の顔からは自然と面が落ちていった。


でも、後ろから抱き締めている形なので、浅葱の顔は見えない。


肩を引っ張り、浅葱を仰向けにして顔の両側に手を置き逃げれないようにした。

でも。
仰向けになると共に浅葱は両手で顔を被い見えないようにした。



「浅葱………顔、見せて………？」

落ち着いて手をどけようとしたけど。


浅葱はフルフルと首を振るだけで。


「今は………むりぃ………」
力なく答えてくれた。


明らかに泣いてる声で。


「何が無理なの？」


一気にいとおしくなり、リングのついた手を撫でながら聞くと



「…………心の準備。」


まぁ、確かに。
急に再会しての追いかけっこだったからね………



「大丈夫だよ。今は………顔が見たいんだ……」


お願いだから。

しばらくすると………


浅葱はの手はゆっくりと俺に手を退かされて

その手は俺の手で地面に縫い付けられる形になった……………