東京に戻り、感傷に浸る暇もなく居た。


自宅からはしばらく離れ、ホテルに部屋を取ってもらい、マネージャーに付き添われた。


もう逃げないとは言ったものの、信じてもらえるはずもなく。
寝る時間以外は誰かが必ず近くにいる生活が始まった。


浅葱の家にあった荷物はマネージャーにより回収され、戻ってきた。
ギターと着替え、それからパソコン。

1ヶ月も居たのにずっと携帯の電源を切っていたせいで浅葱とも連絡先を交換せず、もう本当に連絡することすらできない。

パソコンを使って仕事はするけど、ギターは思い出がありすぎてケースすら開けることができないでいた。


過ぎていく毎日を過ごすだけ。
逃げ出す前と何も変わらなかった。
ただ、戻ってきても居づらいということはなかった。


それは、フォローにまわってくれたメンバーやマネージャーのおかげで。


1週間。
レコーディングの仕事があり久々にギターを使わなくてはいけなくて。

久々にケースを開けると、何一つ変わらない、キレイなままのギターと…………


封筒に入った手紙が



入っていた………。