それは、ある日のことだった。


次の日は浅葱は休み。
何をするかを話したりしていると、浅葱がいきなり

「キレイな空気が吸いたい♪」

と、言い出した。
平日だし、人もそんなに多くないだろうと、
東京から少し離れた山の中の社殿に行くことにした。


行くことになると浅葱は嬉しそうで仮眠も取らないでいくことにした。
朝日が見たいらしい。


俺も、そんなのを社殿で見るなんてしたことないから、心なしかワクワクしてしまった。



車は浅葱のスポーツカー。
メタリックブルーのボディーがかっこいいでしょ♪
と、自信満々だったけど、まさかの運転に不慣れ(笑)
苦笑いで鍵を受けとると浅葱は大人しく助手席に収まった。

もともとあまり耳が聞こえないとなると運転は不安だったから、自分が運転するつもりだったから問題はないのだが。


東京からそこまでは約2時間。
夜だから道は空いてて走りやすい。
ワクワクしてた浅葱も、東京を出るくらいになるといつの間にかウツウツと眠そうにしていて。

「寝てて良いよ。」
信号待ちのタイミングでシートを倒して目を手で覆うと、初めはワタワタしながら手を外そうとしてたけど、しだいに大人しく、俺の手をもったまま眠ってしまった。


しばらく走って休憩の為サービスエリアに立ち寄った。
持ってきた浅葱のコートを浅葱にかけると、はじめての夜以来まともに寝顔を見た気がする。
大人びてるのに、どこか幼くて、キレイというより可愛い。
今まで自分が付き合ってきたタイプとはだいぶ違っていた。


もう少し見てたかったけど、タバコも吸いたいから頭を撫でて外に出た。