次々と名前が呼ばれ、ある者はCクラス。またある者はGクラスと決まっていくが、やはりGクラスという単語が聞こえる度に笑い声が上がった。


「……次、ルエリーヌ・トゥエラフ!」

「…は、は……い」

背中くらいまで伸ばした茶色の髪に、紫色の目をした女子生徒が返事をした。


……そう。このルエリーヌこそが、この物語の主人公だ。


「…Gクラス!」

指輪をはめた途端に決まってしまったクラスにしょんぼりと肩を落としたルエリーヌは皆に笑われる中、右後ろの席に座りながら、ぼんやりとＡからCクラスの席をを眺めた。


Cクラスくらいを目指していたのと、飛び級制度について知りたかったルエリーヌ。

なぜなら飛び級制度には、特別教室と呼ばれる、学校長自ら魔術を教える教室があるといわれている。

ただ、その教室に入れるのは魔力と学問どちらも優れている、ほんの一握りだけだという噂だ。



決まってしまったものは仕方ないと受け止めている内に、どうやらクラス分けが終わったようだ。

　
それを見計らったように台の天井から木の葉が舞ったかと思うとー。



そこから、フラン学校長が姿を現した。

一瞬で静まり返る大広間。学校長は生徒全員の顔を見渡すようにした後、静かに口を開いた。



「…ようこそ、マゼラブ魔法学校へ。…私は学校長のマゼラブ・フランだ。さて。ここに座っている皆は、これから新しい友となる仲間。…魔力の差はあると思うが、仲良くやって欲しい。…今日はこの後、先生方に宿舎を案内してもらう。宿舎は2階から5階までだが、君達が使うのは2階だ。詳しくは先生方、案内して頂けますかな?」

学校長が3回手を叩くと、どこからともなく7人の先生が台の上に並び、それぞれのクラスの机へと向かった。


生徒達は突然の事に驚きながらも、大広間の後ろに置いてあった自分の大きなトランクを手に持ち、車輪を転がしながら、先生の後を着いていき2階へと向かった。(このトランクには、着替や食料品などを入れており、新入生はトランクを持って入学する)