大広間の1番前にあった右側の席に生徒全員が座り終えたのを確認した女神は、一段高くなっている台の上に上がり口を開いた。

『…皆さん、ようこそマゼラブ魔法学校へ。皆さんが楽しい学校生活を送れるようお祈りしています』

そう言った後、霧のように消えていき…入れ替わるようにしてジェイという小人が現れた。


「さて、皆さん。早速ですが、クラス分けをしたいと思います。名前を呼ばれた者は前へ来なさい。この指輪をはめてもらい、魔力を測り、クラスを決めます」

金色の指輪には宝石があしらわれており、キラキラと光を放っていた。


「…では、最初に。…ライリー・べハム!」

いつの間にか名前を書いた巻物のような紙を取り出したジェイは名前を読み上げた。


少し緊張しながらも、はいと返事をした１人の男子生徒は前に行き、指輪をはめた。

皆の視線が集まる中ー。



「…Ａクラス!」

とジェイは言った。

いきなり魔力の高いＡクラスに選ばれたのもあり、皆から大きな拍手を送られた男子生徒は、はにかみながらもジェイに案内された左端の机に向かった。




……とうやらそこがＡクラスの席のようだ。

クラスはＡからGまであり、魔力の大きさでクラスが決められている。


魔力の大きさから順に、ＡクラスからCクラスまでは、最も高い魔力を持ち1クラス25人ほど。

飛び級制度もあり、魔法使い達にとっては憧れのクラスだ。

しかしながら、魔力はあるものの学問が追いつかない者も多いのも事実で、どちらも優れている者は少ない。




DとEクラスは至って普通の魔力を持つクラスで、1クラス50人ほど。

ほとんどの魔法使いはこのクラスに集まる。




そして、FとGクラスは言わば"落ちこぼれ"と呼ばれるクラスで、最も低い魔力を持つクラスで、1クラス15人ほど。

他のクラスから馬鹿にされる事が多いクラスでもある。


だが、進級するにつれ魔力が上がる者もいる。