第6章 待ち望んだ未来

「…なぜ動ける!セスザクの毒は猛毒だぞ」

「………毒を回らせないように魔法をかけたのよ」

ファメルを挑発するように笑ったルエリーヌは、これで終わりにしてあげるわと言い、杖を振った。

「…リフレグダー・デューム!」"焼き尽くせ"


ヴァイザーの顔めがけ放った魔法は、顔を燃やす。

それに怒ったヴァイザーは、電撃の大きな玉のような魔法をルエリーヌに向け放った。



これを見たルエリーヌは、この攻撃がくるのを予測し、杖を構えて呪文を唱えた。


「…ジャバイラーシュ!」"跳ね返せ"

電撃を直接浴びたようにも見えたが、それは倍の大きさとなり、渦を巻きながら勢いよくヴァイザーの体を直撃する。

渦に巻き込まれるようにして、ヴァイザーはうめき声を出しながら、その肉体を引き裂かれ、灰となって消えた。



「…さあ、これでファメル。貴方だけだわ」

「…くっ!……よくも!よくも私の可愛い下僕達をっ!……許さん!許さんぞぉぉぉぉ!!」

怒り狂ったファメルは鼻息を荒くしながらルエリーヌに幻術をかけた。


しかし、それはルエリーヌに効かなかった。
それは、幻術をかけられると予測していたルエリーヌは、逆に幻術をかけ、細工を施していたのだ。


「…な、なんだこれは!」

ファメルがわめきだす。

「…これは、ファラレーゼの花。幻術、幻を見せる花よ。貴方が見た私の姿は、この花が見せた幻よ」

ルエリーヌは地面に置いてあった花を指差して答えた。

「…なるほど。……その能力と知恵!我が力になれ!」

目を見開き、更に幻術をかけようとしたファメルだが、ルエリーヌは払い退けると口を開いた。



「…そんなのお断りよ!私は闇の力に負けないわ!私は皆を守りたい!…それは今後も変わらないわっ!」

そう言った瞬間………。

ルエリーヌの体が眩い光に包まれる。
その光がファメルを包み込んだのを見たルエリーヌは自然と口を開いた。


「…ディザルザ・ルスパ!」"闇よ消え去れ"
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