「…さて、お手並み拝見だ!…ああ、先生はそこで指をくわえて見てると良い」

学校長に指を向け、体を動かせなくなる魔法をかけたファメル。

ルエリーヌは学校長に結界を張ると、大丈夫です。私が守りますからと言いファメルを見据えた。



地面から、召喚された物体が出てきた。その姿は、木のような形をしたセスザクという、怪物と呼ぶにふさわしいものだった。

その、木の葉には毒があり飛ばす攻撃をする。更に地に伸びた太い根は大地に亀裂を入れる程。


「…その怪物には書物で見覚えがあるわ。あともう一匹いるでしょ?お気に入りの怪物がね」

ルエリーヌはポケットから杖を出し、構えながら更に言葉を続ける。

「…それは闇の支配者とも呼ばれている、ヴァイザーよ!」

「…ふはははは!流石は白い魔法使い!そこまで知っているなら、手加減はいらないねぇ?」

ファメルは左右に手を動かすと、セスザクは地に根を素早く伸ばし奇声を上げる。

「…リブレグダ・デューム!」"焼き尽くせ"

木々が生い茂っている中止に向って呪文を唱えたルエリーヌだが、セスザクの振り下ろされる木の葉によって阻止される。


「…そんな魔法は効かないねぇ?」

ファメルはそう言うと、両手を大きく広げ、地面へと叩き付けるようにした。

すると、セスザクは勢いよく木の葉を飛ばし、根を伸ばして地面に叩き付け、地鳴りを起こす。



……こんな事なら、防御魔法と攻撃魔法を１度試しておけば良かった!早速、実戦で使う事になるじゃない!

そう思いつつ、なんとか切り退けるルエリーヌ。


「…逃げてばかりでは足元を掬われるぞ?」

セスザクは木の根をルエリーヌへと伸ばし、両足に巻き付く。