第6章 待ち望んだ未来

ファメルが甦った事で、学校には更に強力な結界が張られた。


学校長は大広間に集まった生徒全員に外出禁止命令を出した。

その理由は、上手く誤魔化し事を収める為、暫く学校長が留守にする事も魔法使いの意見交換会が行われると説明した。


その説明にあっさりと納得した生徒達は、解散になったので自分の部屋へと戻っていく。

ルエリーヌは、誰にも見つからないよう中庭へと向かい、そこに居た学校長と合流した。


「…来たかね。……私達はこれから、とてつもない巨大な闇の力と戦う事となる」

「…はい、分かってます。でも止めないと!…私達、魔法使いの未来がかかってます!」

ルエリーヌの瞳の輝きを見た学校長は頼もしい気持ちになり再び口を開いた。


「…見違えたな、ルエリーヌ。強くなった。……魔力だけでなく、心もだ。…さて、お喋りはここまでにして、私の腕に掴まりなさい。一瞬でデラグォーザへと飛べるよう空間を繋いでおいた」

ルエリーヌは思考が一時止まり、学校長を見る。

その魔力の大きさと、空間を一瞬で繋げてしまう高度な魔法をあっさりとやってのけた学校長に苦笑しながら腕に掴まった。


…すると、瞬時に学校の中庭の風景から学校がどんどん遠くなる。

森を抜け、川を下り黒い岩肌が目立つ地へとたどり着いた。


その地は、真っ黒に焼かれたような地面に、黒いゴツゴツといた大きな岩。
そこから立ちこめる黒い煙。


この地は遥か昔、自然豊かで泉があり精霊達の住処だったはず。

それが今では、闇の力により姿が変わってしまった……。


2人は顔を見合わせた後、同時に頷き足を進める。

きっとどこかにファメルが居る。そう確信してー。
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