「………教えてもらっていて良かったです。……それより、今のは……?」

「…あれは闇の使い手、ゴースターだ。誰かが呼び寄せたのは間違いないだろう。ここはポニーチェ先生に任せて、ルエリーヌ。私の部屋へ。昔話を聞かせたい」

ルエリーヌは言われた通りに、学校長についていき部屋へと入る。


椅子に座るようすすめられたので、ルエリーヌは腰を降ろすと、学校長は静かに語り始めた。




その昔。マゼラブ魔法学校に、べルック・ガバリーという男子生徒がいた。

彼はＡクラス主席で卒業した優秀な魔法使いだったが、とある魔女と出合い闇の力を手にしたとー。


「…とある魔女とは誰ですか?」

「……その者は、魔法使いの間ではディオム"闇使い"と呼ばれている」


「……まさか……パビルナ・ファメル?」

ルエリーヌの言葉に学校長は頷いた。




パビルナ・ファメルは百年前に存在した魔女で、幻術を得意とし錯乱魔法を使う。

錯乱魔法をかけた魔法薬で相手の心身を操る魔女だ。

「……今回の騒動で裏で糸を引いている可能性もある。気をひきしめるのだ」


「…はい、先生」

それから1週間。ルエリーヌは学校長の意向もあり、特別教室で毎日、魔法の特訓と勉強をしていた。


この事は、他の生徒には怪我をして動けないと言ってくれているらしい。

ルエリーヌは、それをありがたく受け取り勉強に励んだ。

闇の力を打ち払えるよう、沢山の呪文を覚えたい一心でー。