第5章 忍び寄る闇

「…君は今の内に沢山の事を学ぶ必要がある」

学校長はグシーラ先生に目配せすると、グシーラ先生は水晶を取り出してルエリーヌに告げた。

「……貴方はもっと大きな魔力を身につける事でしょう。その力は闇の力を払う力となる。………そう。貴方こそ…」

「「…"白い魔法使い"」」

グシーラ先生と学校長の声が合わさる。

「……昔。1人の魔法使いが闇の力を払う"白い魔法使い"が現れると予言した。闇の力を払えるのは"白い魔法使い"だけだと、ね」

ファイス先生の言葉にますます混乱するルエリーヌ。


「……私が??でも、そのような力は……」

「…その内、嫌でも分かるようになる。自分の魔力が大きくなっていく事にね」

その言葉に、ここ最近。自分の魔力が溢れてくるような……そんな感覚があるのに気付いていたルエリーヌは飛び級をし、特別教室に入る事に決めた。



「…決めました。飛び級し、特別教室に入ります」

「…君ならそう言うと思った。なら、明日の14時の授業を終えたら闇の魔術学の教室へ行きなさい」


「……分かりました。先生…ありがとうございます」

そう言ったルエリーヌは部屋を後にし宿舎部屋へと戻り予習をする事にした。






それから1週間を過ぎたある日の事。
ルエリーヌはこの日から夢を見る事が増えていた。

その夢はいつも同じような夢たが、日を追うごとにだをだんと鮮明になってゆく。

この日も夢を見ていた。

黒く煙のようなものがどこからともなくなってきて、渦を巻き建物の中へと入り込む。

その建物は、ここの所ぼんやりであったが
この日ははっきりと鮮明になっていた。
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