第5章 忍び寄る闇

ルエリーヌは、自分に大丈夫……今の私なら少し高度な魔法でも出来る!そう思い、呪文を唱えた。


「…バルサ!」"破壊せよ"

一瞬で岩の壁を粉々にしたルエリーヌに5人は腰を抜かした。


「…な…なにが起きたんだ!?」

「…そんなはずないわ!だってこの子!」

「…嘘だそんなはず!」

「…そうよ!でまかせだわ!」

「…ごめんなさい。でもこれが今の私の魔力よ。納得いかないのも分かるわ。……それに、今はまだクテラには敵わないけど、貴方達よりは上みたいね」

ルエリーヌはそれだけ言うと何事もなかったように部屋に戻っていった。

この日からルエリーヌを"落ちこぼれ"と呼ぶ者はいなくなり、バリマースに匹敵するくらいの魔力を身につけたのだと……皆が噂し始めていた。



また、ルエリーヌもまさかあれ程の魔法を使えるとは思ってもいなかった。

体がガタガタと震える中、部屋につきベッドの上から暫く動けなかったのは自分自身への恐怖だった。


魔力が確実に上がっている。
この事を学校長に相談したい。そう思いながら眠りについた。




翌日。授業を終えたルエリーヌは皆の目を盗むようにして学校長の部屋を訪れた。

頑丈な扉を叩き声をかける。

「……先生。いらっしゃいますか?今……よろしいですか?」

「……ああ、ルエリーヌ。さあお入り」

「…はい、失礼します」

学校長の言葉にルエリーヌは部屋へと入った。

中には、グシーラ先生とファイス先生がいた。

3人の姿に目を白黒させるルエリーヌに学校長は口を開いた。



「…そろそろ君がここに相談にくる頃だと思って2人を呼んだのだ。君に聞いて欲しい事があってな。……君は自分の魔力が強くなっている事に自分で感じでいるはず。それでだ、これを機に飛び級と特別教室へ入ってみてはと思ってな」


「……え?飛び級…ですか?」」
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