第5章 忍び寄る闇

ミザエバーナ

……あった。これだわ。ルエリーヌは指で文字を追った。


薬草の植物で、魔法をかける者により花や実を付ける不思議な木。

葉を燻り、潰すと代謝を高める薬に。

花を咲かせた場合は、その花を煎じると熱を下げる薬に。

実を付けた場合は、その実を潰し体に塗れば保湿剤になる。

また、例外もあり花や実を付けず、つるがのびそのつるに沢山の桃色の花を付ける場合もある。

これを咲かせた場合はペラーダ"幸運の木"と呼ばれ、その花は解毒薬として使われる。

呪文は、プネッシャス"木よ我が力で育て"




答えを見つけたルエリーヌは周りを見るも、まだ誰も答えを見つけていないようだった。

  


……と、そこへクテラがやってきた。


「…ルエリーヌ。答えは見つけられた?」

「……ええクテラ。答えはミザエバーナという植物よ」

「……流石ね。学問が苦手な私にはお手上げよ。………皆の隙きを狙って貴方に聞きにきて正解ね」

「…良かったら一緒に勉強しない?」

「……もちろんよ。貴方が教えてくれるならね?」

いたずらっぽく笑うクテラにルエリーヌはミザエバーナについて丁寧に教えた。





「…じゃあ、さっきも言ったけど1、2の3で一緒に魔法をかけましょ?」

「……分かったわ」

「…せーの。1……2の3で……」

「「…プネッシャス!」」"木よ我が力で育て"
4/11ページ
スキ