序章
共に協力し合い、魔法で生きてきた魔法使い達が殺し合いをする為だけに魔法を使う。そんな事はあってはならないもの。
それなのにー。
事件は音もなく、突然やってきた。
西暦800年、冬。
雪が積もった美しい町並みは一瞬にして炎に包まれ、白魔術(魔法使いやエルフ、魔女などが使っている魔法)を操る者達は、闇の魔法を使う者達によって次々と殺されていった。
"暗黒時代"
こう呼ばれた当時の世界は、闇の力(黒魔術を使った魔法で"闇の魔法"とも呼ばれていた)が力を増し、空には黒い雲が覆うようになっていた。
その影響で、同じ時を共に過ごしてきた仲間の多くは、闇の力に引き寄せられるように、自ら死を選ぶ者も少なくなかった。
しかし、その1年後。
以前より闇の力が弱まってきた事に気付いた1人の魔法使いは、生き残った魔法使い達を呼び集め、こう予言した。
「…いつか時が来れば暗黒の世界は終わりを告げ"白い魔法使い"が現れる。……そうすれば、この世界にもう1度光がよみがえるだろう」
この予言はきっと、当時の魔法使い達の心に光を灯した事だろう。
ーだが、当時はまだ黒い闇が広がっていた暗黒時代前世紀。
1年を通して真っ暗闇に染まったままの空は更に闇の力を引き寄せるかのように、渦巻いているようにも見え……。
ふらふらとその力に魅せられ、そのまま行方が分からなくなる魔法使い達は後を立たなかった。
それなのにー。
事件は音もなく、突然やってきた。
西暦800年、冬。
雪が積もった美しい町並みは一瞬にして炎に包まれ、白魔術(魔法使いやエルフ、魔女などが使っている魔法)を操る者達は、闇の魔法を使う者達によって次々と殺されていった。
"暗黒時代"
こう呼ばれた当時の世界は、闇の力(黒魔術を使った魔法で"闇の魔法"とも呼ばれていた)が力を増し、空には黒い雲が覆うようになっていた。
その影響で、同じ時を共に過ごしてきた仲間の多くは、闇の力に引き寄せられるように、自ら死を選ぶ者も少なくなかった。
しかし、その1年後。
以前より闇の力が弱まってきた事に気付いた1人の魔法使いは、生き残った魔法使い達を呼び集め、こう予言した。
「…いつか時が来れば暗黒の世界は終わりを告げ"白い魔法使い"が現れる。……そうすれば、この世界にもう1度光がよみがえるだろう」
この予言はきっと、当時の魔法使い達の心に光を灯した事だろう。
ーだが、当時はまだ黒い闇が広がっていた暗黒時代前世紀。
1年を通して真っ暗闇に染まったままの空は更に闇の力を引き寄せるかのように、渦巻いているようにも見え……。
ふらふらとその力に魅せられ、そのまま行方が分からなくなる魔法使い達は後を立たなかった。