第4章 もう落ちこぼれとは呼ばせない

昨日。魔力を融合すべく、魔法薬を飲んだルエリーヌは、まだ自分が本調子ではないと知っていたが、今日は最悪な事に実技試験だ。

重苦しいため息をついた後、ルエリーヌはバリマースに呪いをかけられてしまった事などをラフィーに話した。


「……そうか。魔力が戻ったとはいえ、今日は実技試験。魔法が上手く使えるか分からないのでは、不安だな。……ああ。呪いをかけられなくても、魔力が少ないのだったな?」

痛いところにをつかれたあげく、これは絶対に人の事を馬鹿にしている口ぶりのラフィーに対し、ルエリーヌはやっぱり話さなきゃ良かったと思い、部屋の扉をさっさと閉めて試験を行う教室へと向かった。


教室に入ると、試験はもう始まっているようで、皆は高度な魔法を操っていた。

ルエリーヌもその中に足を踏み入れ、自分の名を紙に書き、呼ばれるのを待った。



数十分後。

「……ルエリーヌ・トゥエラフ」

「…はい」

自分の名前を呼ばれたルエリーヌはアレブレッソ先生が担当する机に向かい、初級の魔法から挑戦する事にした。(初級の魔法でも、その魔法に耐えられる魔力が備わっていれば合格となる)


最初にやったのは、時間を進めたり遅らせたりする魔法。


…きっと今頃、皆の笑い者になっているだろうが、ルエリーヌは気にしないよう努め、次の魔法に取り掛かった。(この教室には魔法の力が外に出ないよう魔法がかけられているが、唱えている呪文でどんな魔法なのか分かってしまう)


だが、次の魔法はルエリーヌにとっては難易度の高いものだった。

その為からか、ルエリーヌは呪文を唱えた瞬間…………。


視界が急に歪み、そこで糸が切れたように意識を失った。
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