第3章 目覚める魔力

「…そういう事だ。それに君自身も、その反発し合う魔力に、うんざりしているだろう?」

学校長はルエリーヌの気持ちを知っているかのように言葉を続けた。

「…そうと決まれば話は早い。融合してもすぐには効果は出ないが、時間がたてば使えるようになる。……ああ、それと言っておくが、この事は皆には内緒だ。私と波長が同じなのは君だけのようだからな」

波長が同じ者同士でなければ、上手く融合させられないのだと気付いたルエリーヌは1つの疑問を口にした。


「…ですが、学校長。それでは、先生の魔力はどうなってしまうのですか?」

「…ああ、それも問題ない。ほんの少しだから、すぐ魔力は元に戻る」

そう言った学校長は、ファイス先生の作っていた液体に自分の魔力を入れていた。


「…さあ、これを。辛いと思うけど、一気に飲むんだ。……本当ならゆっくり飲むと良いのだけど、なにせ後々辛くなるからね」

ファイス先生からフラスコを受け取ったルエリーヌはそれを言われた通り一気に飲んだ。



………それから数分もしない内に何ともいえないめまいに似た感覚に襲われ、意識を失った。



数分後。
椅子に座ったまま意識を失っていたルエリーヌは目を開けた。

「……こ…ここは…?」

「…気がついたみたいだね。大丈夫かい?」

「…はい。まだ少しくらくらしますが大丈夫です」

しっかりとしたルエリーヌの返事に2人は安心した顔をし、部屋で休むよう言った。


お礼を言った後、まだ薬が効いているのもあり、よろよろと宿舎部屋に戻り、ベッドに横になった。



今日は自分にとって凄い1日だったな……と考えている内にルエリーヌは深い眠りへと誘われていったー。
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