第3章 目覚める魔力

「…魔力が大きすぎるとは…どういう事でしょうか?」

「…あくまでだが魔力が大きすぎると、魔法が反発し合うような感じになる事が稀にある。その結果、魔法が正しく使えないのではと思う」

この言葉にルエリーヌは少し驚いていた。


どうせ自分にはそのような魔力は無いと思っていたし、そういうものだと諦めていたからだ。

「……どうやったら魔力は戻せますか?」

「…元から君に備わっている魔力を引き出すには何かきっかけさえあれば魔力は大きくなる」

「…その方法はありますか?」

ルエリーヌはどうしても魔力を上げたいという思いから、自然と口が動いていた。


「……1番早いのは、誰かの魔力を少しもらい、自分の魔力と融合させる事だ。…君くらいの魔力だと、私だろう」

「……が、学校長のですか!?」

あっけらかんと話す学校長に、ルエリーヌは驚きのあまり口を金魚のようにパクパクと動かした。



「…はっはっは。そう慌てるでない。魔力を与えても、人によっては良くない場合もある。…私が思うに、君のと私の魔力は似ているのだよ」


「…えっと……その……?」

ますます思考が追いつかないルエリーヌに2人は微笑んだ。

「…それは僕から説明しよう。君の魔力を色でいうなら黄色。つまり、魔力が高い割には本来の力を出せずにいる状態。……対して学校長の魔力が青色だとすると、この2色は波長が似てるから、融合させる事によって普通くらいの魔力を引き出せるのさ」

ファイス先生は空のフラスコを使いながら、黄色と青色の液体を作り、それを混ぜて緑色の液体を作り上げて説明した。



……ようするに、その緑色の液体が普通くらいの魔力に例えているなら、この2色は反対色だが、混ぜ合わせると丁度良くなるという事だろう。
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