早速、屋根裏に十分な空間があったので、そこをラフィーの部屋へと改良するルエリーヌ。

こう見えて、なにかを工作するのは得意な方だった。


本棚にもはしごのようなものをかけ行き来しやすいようにすると、ラフィーはいらなくなった布をルエリーヌにもらい、出来上がった部屋に運んでいた。


無事に部屋も出来た事で、ようやく魔法の練習が出来るルエリーヌだが、大事な事に気付き、ラフィーに声をかけた。


「…ねえ、ラフィー。私、これから魔法の練習するから、自分の部屋から出ちゃ駄目よ?」

「…魔法の練習？私が居たら危ない魔法でも使うのか?」

「…ううん。違うわ。出来るけど私、上手く魔法が使えないから何が起こるか分からないの」

色々と試してみたが、必ずと言っていいほど魔法を使うと、本来の力とは異なる魔法になってしまうので、ルエリーヌは巻き込んでしまうかも知れないと考えたのだ。



「…ああ!さては君が噂の"煙突の下のルエリーヌ"か!」

指をさし今にも笑い出しそうな表情で言ったラフィーはわざとらしく"煙突の下のルエリーヌ"を強調した。


「…悪かったわね"煙突の下のルエリーヌ"で。でも、中間テストで1番になりたいの」

「…なんだって?…1番に!?無理だ無理っ!クテラ・バリマースが居る限り、君が1番になる確率は低い」

ラフィーが言った事は自分が1番よく分かっていた。だが、なぜだかバリマースに負けたくないという思いがあった。


「…良いの。実技で勝とうだなんて思ってないし、勝てないのは目に見えてるわ。でも私は、筆記で良い点数を取りたいの。……そうすれば、少しは認めてくれるかなって」

「…ほぅ?無駄な努力だと思うがね?…けど、もし君がどうしても勝ちたいのなら良い事を教えてやろうか?」

意味ありげな言葉の意味を詳しく知りたくなったルエリーヌは、引き寄せらりように近付いた。


するとラフィーはルエリーヌの顔に思いっきり自分の顔を近付けたかと思うとー。