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「ラビあったかーい」
「***は寒がりさー」
夏と秋の間の季節、肌寒い日も増えてきた。ラビはあたしより体温が高くてあったかいから、ついつい引っ付いてしまう。ラビがデレデレと嬉しそうにするので、それに甘えているところもある。
「オレ寒いの好きかも...」
「何言ってんですか」
食堂で並んでる時も引っ付いてたら、アレンに冷たいことを言われてしまった。でもそれくらい所構わずベタベタしている自覚はある。部屋に戻っても腕に絡まっていたら、ラビが新聞を手に取った。
「***、オレこれ読むから」
「うん」
多分1時間くらいはかかる。背中に引っ付いて、微睡みながら待つことにした。あったかいからすぐ眠くなるかと思ったけど、意外と眠気がやってこない。というか、別の感情が襲ってきていた。
寂しい。
ゼロ距離でくっついているのに、というより普段からくっつきすぎて、これ以上構ってもらえないことが寂しくなってきた。自分でも訳がわからないしどうしたらいいかわからなくて、ラビのシャツを握りしめる。集中してるのか反応はなくて、それがかえって寂しさを募らせた。目を閉じて心を無にするよう努めてどれくらい経ったのか、ガサガサと音がしてラビが新聞を畳むのが見えた。
「終わった?」
「ん」
ラビが正面から抱き締めてくれて、ようやく寂しさが軽減した。胸に頭を擦り付けて思いっきり甘えたら、何故かラビが嬉しそうにする。
「おーどした、寂しかった?」
「ん...」
「はは、ずっとくっついてたのに?」
なんか恥ずかしい。黙っていたら背中を叩かれて、顔を上げたらキスされた。優しい優しい、丁寧なキス。
「***、一回離れて」
「ん...?」
「はい、おいでー」
体を離したら、ラビが両手を広げてくれた。当然飛び込んだらしっかり受け止めてくれて、寂しさが一気に消える。
「まだ寂しい?」
「寂しくない」
今度はあたしからキスしたらラビが嬉しそうな顔をしてくれて、この人がいれば何があっても大丈夫な気がした。
9月のぬくもり