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COIN
***と一緒に、部屋のベッドの上で読書に没頭していた。一冊読み終え、立ち上がって次にどの本を読もうかと積まれた山を眺めて吟味していると、***がオレのベルトの端を弄ぶ気配がした。ポケットに手を突っ込っこんだりシャツの裾を引っ張ったりしているが自由にさせておく。一冊選びとって戻ると、座る直前にポケットに入れていたものが引き抜かれた。チェーンの先に繋がれた財布だ。
「こら、泥棒」
「あいて」
財布を握った手を軽くはたく。それでも離さないでいろんな角度から財布を見る***。別に初めて見るわけでもないのに何がそんなに興味を引いたのか。大きな瞳が見上げてくる。開けていいかと問われているのは、口を開かなくてもわかった。頷くと、宝箱を扱うみたいな手つきでボタンを開けた。
開けたところには小銭が入っていて、***が感嘆の声を上げる。中からひとつ取り出してじっと眺めた。
「これ、どこの?」
「んー、それはねぇ」
ブックマンの後継者として、記録地を離れる時は全てを捨ててきた。だから思い出の品なんて持っていない。それでも最後の抵抗みたいに、柄や歴史が気に入ったコインはこうやって財布に入れている。コインならジジイにだって文句を言われないし、こうやって話のネタになることもある。
オレの話を興味津々に聞いてくれる***の顔を見ながら、オレは***のこともいつか捨てるんだろうかと考えて、少し心が重くなった。
ふと気付くと黙り込んでしまっていたようで、***がオレの目をじっと覗き込んでいた。取り敢えずキスをしておく。
「...なに」
「それはこっちのセリフさ...なぁに、じっと見て」
「別に...大丈夫だよ」
「ん......?」
意味がよくわからない。オレの思考は口には出ていなかったはずだ。
「大丈夫だよ...ね、ラビ」
よくわからないけど、***がオレを呼ぶと安心した。49番目のオレの名前。今まででいちばん、大切な名前。そしてこれからも。
手に取った本をもう一度山に戻して、柔らかいベッドへ***を押し付けた。せっかく一緒にいるのだから、思いっきり愛し合おう。
(お前、最近やたらと財布を広げているが...たかられてるのか?)
(たかられてねぇっつーの)
(ねぇラビ、お財布見せて)
(やはり、たかられているのか...)
(だからたかられてねぇって!ユウ待ってー!)
***と一緒に、部屋のベッドの上で読書に没頭していた。一冊読み終え、立ち上がって次にどの本を読もうかと積まれた山を眺めて吟味していると、***がオレのベルトの端を弄ぶ気配がした。ポケットに手を突っ込っこんだりシャツの裾を引っ張ったりしているが自由にさせておく。一冊選びとって戻ると、座る直前にポケットに入れていたものが引き抜かれた。チェーンの先に繋がれた財布だ。
「こら、泥棒」
「あいて」
財布を握った手を軽くはたく。それでも離さないでいろんな角度から財布を見る***。別に初めて見るわけでもないのに何がそんなに興味を引いたのか。大きな瞳が見上げてくる。開けていいかと問われているのは、口を開かなくてもわかった。頷くと、宝箱を扱うみたいな手つきでボタンを開けた。
開けたところには小銭が入っていて、***が感嘆の声を上げる。中からひとつ取り出してじっと眺めた。
「これ、どこの?」
「んー、それはねぇ」
ブックマンの後継者として、記録地を離れる時は全てを捨ててきた。だから思い出の品なんて持っていない。それでも最後の抵抗みたいに、柄や歴史が気に入ったコインはこうやって財布に入れている。コインならジジイにだって文句を言われないし、こうやって話のネタになることもある。
オレの話を興味津々に聞いてくれる***の顔を見ながら、オレは***のこともいつか捨てるんだろうかと考えて、少し心が重くなった。
ふと気付くと黙り込んでしまっていたようで、***がオレの目をじっと覗き込んでいた。取り敢えずキスをしておく。
「...なに」
「それはこっちのセリフさ...なぁに、じっと見て」
「別に...大丈夫だよ」
「ん......?」
意味がよくわからない。オレの思考は口には出ていなかったはずだ。
「大丈夫だよ...ね、ラビ」
よくわからないけど、***がオレを呼ぶと安心した。49番目のオレの名前。今まででいちばん、大切な名前。そしてこれからも。
手に取った本をもう一度山に戻して、柔らかいベッドへ***を押し付けた。せっかく一緒にいるのだから、思いっきり愛し合おう。
(お前、最近やたらと財布を広げているが...たかられてるのか?)
(たかられてねぇっつーの)
(ねぇラビ、お財布見せて)
(やはり、たかられているのか...)
(だからたかられてねぇって!ユウ待ってー!)