短編
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「ラービー」
「うお」
水を片手に鍛錬場の床でしばし休憩していたら、***が後ろから引っ付いてきた。今オレ汗臭いからやめてほしいんだが。手の中のコップを指差すので中身を補充して渡してやったら豪快にごくごくと飲み干した。
「もう一杯」
「あのなぁ…はい」
当然のような要求に何か言ってやろうかと思ったが、頬に柔らかな唇を押し付けられて言葉が引っ込んでしまった。仕方なくもう一杯入れてやったらまた飲み干して、コップを返された。オレももう一杯飲んでからコップを片付ける。
「***休憩?終わり?」
「どーしよっかなー…ラビ組手する?」
「***と〜?無理無理」
「なんで」
「可愛くて本気出せないもん」
「…本気なんか出さないじゃんいつも」
「あっコラ」
油断していたらバンダナを奪われた。仕掛けたくせにあまり逃げる気はなかったのか、***はオレの大股数歩であっさり捕まった。後ろから抱きしめてぐだぐだとした攻防を繰り返したところで、***が何故かバンダナのニオイをかいだので慌てて取り上げる。
「コラッそんなことしちゃいけません!!」
「なんで?」
「こっちのセリフさ!汗染み込んでるんだけど?!」
「うん」
「うんって…汗臭くない…?」
「んー、そうでもないけど」
「うそだぁ…いや汗くせーって」
半信半疑でかいだら普通に男の汗って感じの不快なニオイがした。
「汗のニオイはするけど別に嫌じゃないかな…」
「…そんなことある…?あ、」
***をもう一度捕まえて、首のあたりで思いっきり息を吸ってみた。汗のニオイはするがそんなに強くないし、それと混ざったシャンプーの香りがして、どちらかというといい匂いだ。それにしても、汗をかいてもまだこんなに髪の香りが残っていることに驚く。
「きゃーへんたいっ」
「***が先にやったんじゃん…やっぱいい匂いするな、女の子だから…?」
「し、しらない…」
「自分では汗臭いって思うの?」
「んー、まぁ…」
「あっ、ちょ、ちょっと***」
***が自分でシャツの胸元を引っ張って確認しようとするので、フロアを出たところの物陰に連れて行く。鍛錬着だしインナーも含めてほぼみんな同じものを着ているとはいえ、恋人の肌や下着をあまり人に見られたくはなかった。
「もー、なにすんの」
「だからこっちのセリフだっての…」
みんなの声が遠くなった少し薄暗い廊下。5秒も見つめ合えば十分で、自然と唇が重なった。何度か触れるだけのキスをして、***を腕の中に閉じ込める。
「…続き、する…?」
「……うん」
握り直した手に滲む汗は、どちらのものかわからなかった。
───────────────────────
シャワーを浴びて、同じボディソープの匂いをさせながら裸のままベッドに転がる。運動後なのでお互い一瞬微睡んだが、ふと目が合って唇が重なってから止まらなくなった。お互い上になったり下になったりしながら食べるようなキスを繰り返して、洗ったばかりの***の髪の香りを吸い込む。シャンプーも同じものを使ったはずなのに、***の方が香りが強い気がした。
「…やっぱ***、いい匂いするさ」
「ラビもいい匂いするよ…?」
「そんなわけ…あれ、***もしかして体臭フェチ?」
「ちがうもん…」
「えー、じゃあ何でオレがいい匂いするって思うの」
「…ラビだから?」
「ん…?」
「ラビの匂いだから、すき…」
***が首元に引っ付いて息を吸い込む。シャワーを浴びたばかりだからマシではあるが、そんな花の香りでもかぐようにするニオイではないと思う。
「…どんなにおい…?」
「んー…ちょっとあまい、感じ…?」
オレも***に対してそう感じるが、男と女の体臭が同じわけがないとオレは思う。不思議だが、***の蕩けた顔を信じるしかない。***にしか感じ取れない何かがオレを求めてくれているとしたら、それはとても嬉しいことだ。
***の胸を撫でるように愛撫して、腹から下腹部まで手を滑らせる。まだ汗をかいていない肌はすべすべしていて気持ちいい。太腿に辿り着くと自然と脚の力を抜いてくれて、隙間に指を滑り込ませる。既にしっとりと濡れたそこを指の腹でゆっくり擦ったら、オレの首元に引っ付いたままの***から艶のあるため息が漏れる。
「もう濡れてる…そんなに欲しかった?」
「ん…はやく」
「…ん、ちゃんと解してからね」
とは言っても既にそこはだいぶ柔らかい。頬や首元にもキスを落としながら円を描くように表面を何度か擦って、中指を蜜壺に浅く埋める。とろとろした愛液に誘導されて、あっという間に指が2本飲み込まれた。中を広げるようにゆっくり指を動かしながら解していくと、***がオレの腰に手を伸ばして既にゆるく勃ち上がったモノに触り始めた。軽く握ってオレの指の動きに合わせるように***も手を動かす。細くて柔らかい手の中は気持ちよくて、すぐに育ってしまった。
「ラビ、ほしい…」
「大丈夫?もうちょっと解したほうが…」
「ねぇ、ほしいの」
「…うん、ちょっと待ってね」
甘えてくる***の髪にキスをして一旦起き上がる。やけに欲しがるのが早い気がするが、体を動かした後だから気分が昂っているのかもしれない。こういうのは受け入れる側の気持ちが大事で…とか物分かりのいいことを考えつつ、甘えた声でおねだりされてオレの理性が持たないだけだった。手早くゴムを被せて***の中に沈み込む。ゆっくり奥まで埋めて***を抱きしめたら、嬉しそうに抱きしめ返してくれた。
「らびー…」
「ん、なぁに」
「あのね、はいってるだけで、気持ちいい…」
「…なにそれ、かっわいい……」
***は何だかとろんとして、今にも寝てしまいそうなほどふわふわしている。可愛くて、愛しくて、もっと乱れさせたくなってしまった。体制を立て直して、緩くて浅いピストンを開始する。***が穏やかな動きに慣れてすっかり油断しているのを見計らって、目一杯腰を引いてから思いっきり奥を突いた。甲高い声と一緒に***の背中が大きく仰反る。
「あぁんっ!」
文字がはっきり浮かぶような、見事な嬌声。目が合ったまま羞恥にじわじわ肌を染めていく***が可愛くてたまらない。オレの緩んだ頬に気付いた***が腕を伸ばしてぐずってくるが、オレには可愛い喘ぎ声にしか聞こえない。手を繋いでもう一度奥を軽く突いたら今度は喉の奥で子猫みたいに鳴いた。
「んーっ、いじ、わる」
「好きでしょ?いじわる」
「んぅ…す、き…」
「好きなんだ…可愛いねぇ、***」
キスをして、お互いに気持ちいい速度のピストンを繰り返す。***はまた不意打ちを喰らわないようにオレをじっと見ているが、そのうち蕩けた顔で快感に浸り始めるのだから本当に可愛くて困る。今度はちゃんと目で合図して段階的に速度を上げていくと、徐々に激しくなる動きに耐えるように***がオレにしっかり掴まってきて、たまらなく愛しい。
「んっ、ラビ、きも、ち、」
「うん、きもちいね、***」
「あっ、ん…ふ、んぅっ」
「***、だいすき」
「あっ、あっ…ら、び、だい、すき」
キスしながら途切れ途切れに名前を呼んで、抱きしめる。揺さぶられながら大好きと気持ちいいを一生懸命繰り返す***が可愛くて、シャンプーに混じった汗の匂いを感じながら奥まで注ぎ込むように熱を放った。
トイレから出ると、***がシーツに潜り込んでいた。オレの寝ていた場所にへばりつくように丸まっている***の体を転がす。
「***ちゃん、何してんの」
「ここ、ラビの匂いする…」
「あのねぇ…こっちが本体ですよ〜」
「ん〜」
オレがベッドに潜り込むと吸い寄せられるように引っ付いてきた。これで本当に体臭フェチじゃないというのは信用できない。何がそんなにいいんだろうか。
ふと、どこかで聞いた話を思い出した。
女性は、遺伝子の近い男のニオイを嫌うらしい。より遠い遺伝子と交配して強い個体を残すためだ。それを判別する能力があるのは女性側だけらしく、なるほど約一年も自分の体を使って子を育てる側からすれば、相手を慎重に篩にかける必要があるのかもしれない。生物ってすごい。
あれ?ってことは?
嬉しそうにオレの首元に引っ付いている***を見る。オレ審査通過してるってこと?
顔が好きとか性格が良いとか趣味が合うとか、それよりもっとダイレクトな選考基準。生物学的、遺伝子レベル、スケールがデカすぎる。
「ありがとね、見つけてくれて…」
***の髪を撫でながら何故か自然と、そう呟いていた。
(あたしも…)
(ん?)
(見つけてくれて、ありがと)
「ラービー」
「うお」
水を片手に鍛錬場の床でしばし休憩していたら、***が後ろから引っ付いてきた。今オレ汗臭いからやめてほしいんだが。手の中のコップを指差すので中身を補充して渡してやったら豪快にごくごくと飲み干した。
「もう一杯」
「あのなぁ…はい」
当然のような要求に何か言ってやろうかと思ったが、頬に柔らかな唇を押し付けられて言葉が引っ込んでしまった。仕方なくもう一杯入れてやったらまた飲み干して、コップを返された。オレももう一杯飲んでからコップを片付ける。
「***休憩?終わり?」
「どーしよっかなー…ラビ組手する?」
「***と〜?無理無理」
「なんで」
「可愛くて本気出せないもん」
「…本気なんか出さないじゃんいつも」
「あっコラ」
油断していたらバンダナを奪われた。仕掛けたくせにあまり逃げる気はなかったのか、***はオレの大股数歩であっさり捕まった。後ろから抱きしめてぐだぐだとした攻防を繰り返したところで、***が何故かバンダナのニオイをかいだので慌てて取り上げる。
「コラッそんなことしちゃいけません!!」
「なんで?」
「こっちのセリフさ!汗染み込んでるんだけど?!」
「うん」
「うんって…汗臭くない…?」
「んー、そうでもないけど」
「うそだぁ…いや汗くせーって」
半信半疑でかいだら普通に男の汗って感じの不快なニオイがした。
「汗のニオイはするけど別に嫌じゃないかな…」
「…そんなことある…?あ、」
***をもう一度捕まえて、首のあたりで思いっきり息を吸ってみた。汗のニオイはするがそんなに強くないし、それと混ざったシャンプーの香りがして、どちらかというといい匂いだ。それにしても、汗をかいてもまだこんなに髪の香りが残っていることに驚く。
「きゃーへんたいっ」
「***が先にやったんじゃん…やっぱいい匂いするな、女の子だから…?」
「し、しらない…」
「自分では汗臭いって思うの?」
「んー、まぁ…」
「あっ、ちょ、ちょっと***」
***が自分でシャツの胸元を引っ張って確認しようとするので、フロアを出たところの物陰に連れて行く。鍛錬着だしインナーも含めてほぼみんな同じものを着ているとはいえ、恋人の肌や下着をあまり人に見られたくはなかった。
「もー、なにすんの」
「だからこっちのセリフだっての…」
みんなの声が遠くなった少し薄暗い廊下。5秒も見つめ合えば十分で、自然と唇が重なった。何度か触れるだけのキスをして、***を腕の中に閉じ込める。
「…続き、する…?」
「……うん」
握り直した手に滲む汗は、どちらのものかわからなかった。
───────────────────────
シャワーを浴びて、同じボディソープの匂いをさせながら裸のままベッドに転がる。運動後なのでお互い一瞬微睡んだが、ふと目が合って唇が重なってから止まらなくなった。お互い上になったり下になったりしながら食べるようなキスを繰り返して、洗ったばかりの***の髪の香りを吸い込む。シャンプーも同じものを使ったはずなのに、***の方が香りが強い気がした。
「…やっぱ***、いい匂いするさ」
「ラビもいい匂いするよ…?」
「そんなわけ…あれ、***もしかして体臭フェチ?」
「ちがうもん…」
「えー、じゃあ何でオレがいい匂いするって思うの」
「…ラビだから?」
「ん…?」
「ラビの匂いだから、すき…」
***が首元に引っ付いて息を吸い込む。シャワーを浴びたばかりだからマシではあるが、そんな花の香りでもかぐようにするニオイではないと思う。
「…どんなにおい…?」
「んー…ちょっとあまい、感じ…?」
オレも***に対してそう感じるが、男と女の体臭が同じわけがないとオレは思う。不思議だが、***の蕩けた顔を信じるしかない。***にしか感じ取れない何かがオレを求めてくれているとしたら、それはとても嬉しいことだ。
***の胸を撫でるように愛撫して、腹から下腹部まで手を滑らせる。まだ汗をかいていない肌はすべすべしていて気持ちいい。太腿に辿り着くと自然と脚の力を抜いてくれて、隙間に指を滑り込ませる。既にしっとりと濡れたそこを指の腹でゆっくり擦ったら、オレの首元に引っ付いたままの***から艶のあるため息が漏れる。
「もう濡れてる…そんなに欲しかった?」
「ん…はやく」
「…ん、ちゃんと解してからね」
とは言っても既にそこはだいぶ柔らかい。頬や首元にもキスを落としながら円を描くように表面を何度か擦って、中指を蜜壺に浅く埋める。とろとろした愛液に誘導されて、あっという間に指が2本飲み込まれた。中を広げるようにゆっくり指を動かしながら解していくと、***がオレの腰に手を伸ばして既にゆるく勃ち上がったモノに触り始めた。軽く握ってオレの指の動きに合わせるように***も手を動かす。細くて柔らかい手の中は気持ちよくて、すぐに育ってしまった。
「ラビ、ほしい…」
「大丈夫?もうちょっと解したほうが…」
「ねぇ、ほしいの」
「…うん、ちょっと待ってね」
甘えてくる***の髪にキスをして一旦起き上がる。やけに欲しがるのが早い気がするが、体を動かした後だから気分が昂っているのかもしれない。こういうのは受け入れる側の気持ちが大事で…とか物分かりのいいことを考えつつ、甘えた声でおねだりされてオレの理性が持たないだけだった。手早くゴムを被せて***の中に沈み込む。ゆっくり奥まで埋めて***を抱きしめたら、嬉しそうに抱きしめ返してくれた。
「らびー…」
「ん、なぁに」
「あのね、はいってるだけで、気持ちいい…」
「…なにそれ、かっわいい……」
***は何だかとろんとして、今にも寝てしまいそうなほどふわふわしている。可愛くて、愛しくて、もっと乱れさせたくなってしまった。体制を立て直して、緩くて浅いピストンを開始する。***が穏やかな動きに慣れてすっかり油断しているのを見計らって、目一杯腰を引いてから思いっきり奥を突いた。甲高い声と一緒に***の背中が大きく仰反る。
「あぁんっ!」
文字がはっきり浮かぶような、見事な嬌声。目が合ったまま羞恥にじわじわ肌を染めていく***が可愛くてたまらない。オレの緩んだ頬に気付いた***が腕を伸ばしてぐずってくるが、オレには可愛い喘ぎ声にしか聞こえない。手を繋いでもう一度奥を軽く突いたら今度は喉の奥で子猫みたいに鳴いた。
「んーっ、いじ、わる」
「好きでしょ?いじわる」
「んぅ…す、き…」
「好きなんだ…可愛いねぇ、***」
キスをして、お互いに気持ちいい速度のピストンを繰り返す。***はまた不意打ちを喰らわないようにオレをじっと見ているが、そのうち蕩けた顔で快感に浸り始めるのだから本当に可愛くて困る。今度はちゃんと目で合図して段階的に速度を上げていくと、徐々に激しくなる動きに耐えるように***がオレにしっかり掴まってきて、たまらなく愛しい。
「んっ、ラビ、きも、ち、」
「うん、きもちいね、***」
「あっ、ん…ふ、んぅっ」
「***、だいすき」
「あっ、あっ…ら、び、だい、すき」
キスしながら途切れ途切れに名前を呼んで、抱きしめる。揺さぶられながら大好きと気持ちいいを一生懸命繰り返す***が可愛くて、シャンプーに混じった汗の匂いを感じながら奥まで注ぎ込むように熱を放った。
トイレから出ると、***がシーツに潜り込んでいた。オレの寝ていた場所にへばりつくように丸まっている***の体を転がす。
「***ちゃん、何してんの」
「ここ、ラビの匂いする…」
「あのねぇ…こっちが本体ですよ〜」
「ん〜」
オレがベッドに潜り込むと吸い寄せられるように引っ付いてきた。これで本当に体臭フェチじゃないというのは信用できない。何がそんなにいいんだろうか。
ふと、どこかで聞いた話を思い出した。
女性は、遺伝子の近い男のニオイを嫌うらしい。より遠い遺伝子と交配して強い個体を残すためだ。それを判別する能力があるのは女性側だけらしく、なるほど約一年も自分の体を使って子を育てる側からすれば、相手を慎重に篩にかける必要があるのかもしれない。生物ってすごい。
あれ?ってことは?
嬉しそうにオレの首元に引っ付いている***を見る。オレ審査通過してるってこと?
顔が好きとか性格が良いとか趣味が合うとか、それよりもっとダイレクトな選考基準。生物学的、遺伝子レベル、スケールがデカすぎる。
「ありがとね、見つけてくれて…」
***の髪を撫でながら何故か自然と、そう呟いていた。
(あたしも…)
(ん?)
(見つけてくれて、ありがと)