短編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ぬくもり
「***、オレ、報告書書いてる」
「うん」
「終わるまで待ってって言ったよね?」
「うん。だから待ってる」
「いや、あの、そうやって待つのはご遠慮ください」
「えー」
ほとんどオレとジジイしか来ない書庫の一角は、静かだから集中するには最適だ。だけど困ったことに***がオレにぴったりくっついているので集中力は半減、むしろそれ以下だ。
スペースはあるのに***はオレの左側に陣取り、腕を絡ませて頭をもたれさせている。可愛い彼女に密着されながら真面目に文章を書くなど、健全な男子には不可能だ。
「ねぇ***ほんと、ほんと10分でいいから大人しく座っててさ」
「...二週間ぶりに会ったのに?声も聞いてなかったのに?」
「うん、それについては本当に申し訳ない」
任務は早く終わったのだが、ブックマンの用事で少し遠回りをして帰ってきたので時間がかかってしまった。忙しくて連絡するのも忘れていたので、***が拗ねているのもわかる。
「寂しかったな、ごめんさ」
「んー」
頭をなでると、もっとなでろと言うように目を細めて手に頭を押し付けてくる。本物の猫みたいだ。
「すぐ終わらせるから、いい子にしててさ」
「...ん。眠いから部屋で待ってる。...これちょうだい」
「マフラー?...ほい」
***がマフラーの裾をひっぱるので、巻いていたままの形で首にかけてやった。屋内だからたいして寒くもないのに、顔をうずめて嬉しそうだ。可愛い。
「じゃ、あとでね」
「ん。すぐ行くさ」
満足そうな顔をして***は書庫を出て行った。マフラー、オレのだってバレバレだけどいいのだろうか。まぁ、いいか。マフラーの裾を弄びながら歩く***の後ろ姿を愛しく思いながら、改めて報告書の作成に取り掛かった。
―――――――――――――――――――――――
10分と言いつつ書くことをあれこれ思い出していたら20分かかってしまった。報告書をコムイに渡して、すぐに部屋まで走る。***、寝ちまったかな。
***の部屋についた。合鍵は持っているが、一応ノック。
「***お待たせ!入っていい?」
返事がない。寝てんのかな。合鍵を使い扉を開ける。そっと扉を開けると、***の姿はベッドにあった。すやすやと眠っている。
その手は、首に巻いたままのマフラーをぎゅっと握っていた。可愛すぎるだろ。少しかがんで、散らばった髪をなでる。***がゆっくり目を開いた。
「......わ、びっくりした」
「待たせちまってごめんな。終わったさ」
「...ん。お疲れ様」
口付けを落とすと、嬉しそうにふにゃりと笑った。ベッドに寝たまま、大きく腕を広げてくる。
「ラビー」
「ん、」
広げられた腕に収まると、嬉しそうな声を出した。なんだかいつも以上に甘えただ。二人でいる時だけ見せてくれる素直な態度に、オレは弱い。
「マフラー、あったかいよ」
「よかったなぁ」
「ちょうだい」
「え、それはダメさ」
「えー」
オレも一緒に、ベッドに横になる。スペースを空けてほしくてちょっと転がすときゃっきゃと笑った。子どもか。
改めて***を抱き締める。とても温かくて、とても柔らかい。愛しいぬくもり。
「マフラーじゃなくても、オレがいるでしょー」
「ん。やっぱりラビがいい」
「いい子さ」
胸にすり寄ってくる***の頭をなでると眠そうな顔をする。一眠りすることにしよう。***を抱き締めていたら、いい夢が見られそうだ。
(やばい、すっげぇしたくなってきた... ***起きてくんないかな...)
(もうちょっと寝たフリしよ...)
「***、オレ、報告書書いてる」
「うん」
「終わるまで待ってって言ったよね?」
「うん。だから待ってる」
「いや、あの、そうやって待つのはご遠慮ください」
「えー」
ほとんどオレとジジイしか来ない書庫の一角は、静かだから集中するには最適だ。だけど困ったことに***がオレにぴったりくっついているので集中力は半減、むしろそれ以下だ。
スペースはあるのに***はオレの左側に陣取り、腕を絡ませて頭をもたれさせている。可愛い彼女に密着されながら真面目に文章を書くなど、健全な男子には不可能だ。
「ねぇ***ほんと、ほんと10分でいいから大人しく座っててさ」
「...二週間ぶりに会ったのに?声も聞いてなかったのに?」
「うん、それについては本当に申し訳ない」
任務は早く終わったのだが、ブックマンの用事で少し遠回りをして帰ってきたので時間がかかってしまった。忙しくて連絡するのも忘れていたので、***が拗ねているのもわかる。
「寂しかったな、ごめんさ」
「んー」
頭をなでると、もっとなでろと言うように目を細めて手に頭を押し付けてくる。本物の猫みたいだ。
「すぐ終わらせるから、いい子にしててさ」
「...ん。眠いから部屋で待ってる。...これちょうだい」
「マフラー?...ほい」
***がマフラーの裾をひっぱるので、巻いていたままの形で首にかけてやった。屋内だからたいして寒くもないのに、顔をうずめて嬉しそうだ。可愛い。
「じゃ、あとでね」
「ん。すぐ行くさ」
満足そうな顔をして***は書庫を出て行った。マフラー、オレのだってバレバレだけどいいのだろうか。まぁ、いいか。マフラーの裾を弄びながら歩く***の後ろ姿を愛しく思いながら、改めて報告書の作成に取り掛かった。
―――――――――――――――――――――――
10分と言いつつ書くことをあれこれ思い出していたら20分かかってしまった。報告書をコムイに渡して、すぐに部屋まで走る。***、寝ちまったかな。
***の部屋についた。合鍵は持っているが、一応ノック。
「***お待たせ!入っていい?」
返事がない。寝てんのかな。合鍵を使い扉を開ける。そっと扉を開けると、***の姿はベッドにあった。すやすやと眠っている。
その手は、首に巻いたままのマフラーをぎゅっと握っていた。可愛すぎるだろ。少しかがんで、散らばった髪をなでる。***がゆっくり目を開いた。
「......わ、びっくりした」
「待たせちまってごめんな。終わったさ」
「...ん。お疲れ様」
口付けを落とすと、嬉しそうにふにゃりと笑った。ベッドに寝たまま、大きく腕を広げてくる。
「ラビー」
「ん、」
広げられた腕に収まると、嬉しそうな声を出した。なんだかいつも以上に甘えただ。二人でいる時だけ見せてくれる素直な態度に、オレは弱い。
「マフラー、あったかいよ」
「よかったなぁ」
「ちょうだい」
「え、それはダメさ」
「えー」
オレも一緒に、ベッドに横になる。スペースを空けてほしくてちょっと転がすときゃっきゃと笑った。子どもか。
改めて***を抱き締める。とても温かくて、とても柔らかい。愛しいぬくもり。
「マフラーじゃなくても、オレがいるでしょー」
「ん。やっぱりラビがいい」
「いい子さ」
胸にすり寄ってくる***の頭をなでると眠そうな顔をする。一眠りすることにしよう。***を抱き締めていたら、いい夢が見られそうだ。
(やばい、すっげぇしたくなってきた... ***起きてくんないかな...)
(もうちょっと寝たフリしよ...)